移行帯底生魚
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最深千二百Mを抱える富山湾、名物はホタルイカだけではありません。表層は北アルプスの雪解け水が流れ込み塩分濃度の薄い層を、その下の浅い所は南からの暖かい対馬海流が流れ込み、さらに三百M以下には酸素が豊富ながら身も凍る一℃以下の日本海固有冷水が広がります。そんな独特な生態系を形成しているのでユニークな生き物が多数生息しています。馴染みのあるのは日本海の味覚ベニズワイガニですね。生きているときから鮮やかな朱色で甲羅の形やブツブツの並び方でズワイガニとは区別されています。つい食べる対象として見てしまいます。美味そうですね。次にトヤマエビ、北海道が主な漁場でその量は激減しているとか。資源の維持は需要と供給のバランスです、食べすぎに注意しましょう。成長とともにオスからメスに性転換します。市場ではボタンエビとも呼ばれていますが本家のボタンエビ(P.nipponensis)は太平洋側で獲れます。ノコギリ状のモヒカンがクールですね。更紗模様のぼた餅はサラサベッコウタマガイという貝の仲間です。肝心の殻はぷにゅぷにゅの外套膜に埋もれて見えません。佐渡沖と富山湾でしか見つかっていない珍しい種類だそうです。一方同じ貝の仲間でカガバイは刺身やうま煮として広く流通しています。めでたいことはバイ(倍)に、と祝い膳にも利用されているそうです。最後にアバタカワリギンチャク、これも富山湾でしか見つかっていない希少種です。
1.Pandalus hypsinotus
 トヤマエビ
 25p

2.Chionoecetes japonicus
 ベニズワイガニ
 20(甲幅)p

3.Onchidiopsis nihonkaiensis
 サラサベッコウタマガイ
 11p

4.Buccinum bayani
 カガバイ
 10p

5.Halcurias sp.
 アバタカワリギンチャク
 10p