移行帯底生魚
/生物21

ととのった円錐形のプロポーションを持った人気の巻貝です。その中でもリュウグウオキナエビスはオキナエビス科の中では最大種、高値で取引されているそうです。巻きに沿って走っている呼吸や排泄のためのスリットはリュウグウオキナエビスの場合特に長く、英語ではSlit Shellと呼ばれる所以(ゆえん)です。貝殻表面の火焔(かえん)模様が何ともきれいですね。オキナエビスの仲間はカンブリア紀の化石が産出されていて、えらや心耳などいろいろな器官が左右一対という原始的な特徴を持っています。ちなみに他の多くの巻貝はこれが左側の器官のみになっているそうです。生きた化石なんですね。脅かすと乳白色の液体を分泌します。そばの海底に突き刺さっているのはホッスガイ。でも貝ではありません、海綿の仲間です。名前は住職さんが手に持っている仏具の払子(ほっす)から付けられました。頭の部分は中が四つの隔壁に分かれていて上に篩(ふるい)のフタをかぶせた構造になっています。軸の部分にはスナギンチャクを共生させています。我々人間がガラス繊維を作ろうとしたら原料を高温で溶かす必要があるんですがホッスガイは低温の海水から珪酸を取り込んで珪糸把束(けいしはそく)という束ねたガラス繊維を作り出しています。一体どんな仕組みになっているんでしょうね。
1.Entemnotrochus rumphii
 リュウグウオキナエビス
 20p

2.Pleurotomaria teramachii
 テラマチオキナエビス
 7p

3.Hyalonema sieboldi
 ホッスガイ
 40p












ほっす