上部漸深底帯底生魚
/生物01

ヤマトカイロウドウケツはいわゆるカイメンの仲間です。海綿動物門六放海綿綱六放海綿目カイロウドウケツ科という何とも難しい分類の中に位置していますがこの海綿動物、世界中に五千以上の種類が知られているそうです。名前の由来は偕老同穴という中国の詩経が出典になっています。「夫婦が共に老い、同じ墓に葬られること」、つまりこの珪質でできた筒っぽの中(胃腔)にドウケツエビの夫婦が住んでいることから名付けられ夫婦仲むつまじい縁起物とされてきました。でも最近はうらやましいというより気の毒ね、という気持ちが強くなって結婚披露宴でもあまり聞かれなくなりました。ちなみに「カイロウ」は「海老(エビ)」にも通じています。ドウケツエビはこのカイロウドウケツが濾し取ったプランクトンのおこぼれで生活していますが恩返しは何もしていないと言われています。このやらずぶったくりを「片利共生」といいます(ギブアンドテイクなら「相利共生」)。この骨格を構成するガラス部分は光通信に使うファイバーよりも純度が高いそうです。自然は凄いですね。ついでに英語名では「ビーナスの花かご」と美しく呼ばれています。さて手前に生えているのはオオグチボヤ、富山湾では群生が見つかっています。ワッワァ〜と合唱しているようです。大きな口(入水孔)でプランクトンをパクリと捕らえごっくん、後頭部の煙突(出水孔)から余分な水を排出します。原索動物ホヤ目というところに所属します。水槽で飼えれば見飽きないんですけどね。
1.Euplectella imperialis
 ヤマトカイロウドウケツ
 40p

2.Megalodicopia hians
 オオグチボヤ
 13p