深海層遊泳魚
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神様の試作品なのか人を惑わすことを楽しんでいるのか、このクジラウオ目は奇っ怪なサカナです。トクビレイワシ科は五種類くらいが知られていたんですが二〇〇九年にクジラウオ科の稚魚であることがつきとめられました。ということはトクビレイワシ科という独立した分類はなくなる運命なんですね。親と全然違う姿をしているだけではありません。格好が変です。その中の一種、トクビレイワシは一見胸びれのように見える大きなうちわ状の腹びれを広げバンザイをしています。本来の胸びれは高い位置にちゃんと備わっています。そして尾びれ、根元から上下に分かれていて二枚になっています。体全体も短い毛のような突起に覆われています。なので英語ではストレートに(毛深い魚)。なにゆえこんな姿を選んだんでしょう?見れば見るほど不思議な形をしてますね。ちなみにここに描いたスミクジラウオが親なのかどうかは分かりません。いずれにしても成長するとこんな感じになるのではと思われます。別のページに紹介した同じトクビレイワシ科に属すリボンイワシもクジラウオ科と親子であることが確かめられました。つまりトクビレイワシとリボンイワシは兄弟、全然別モノに見えますけどね。余談ですが親戚のフシギウオも親子の姿の違いが際立っています。余談ついでにソコクジラウオはクジラウオ科のオス親だった…と完璧に頭の中がこんがらがっています。やっぱりこれは神様のいたずらです。同じクジラウオ目に属すカンムリキンメが真面目なサカナに見えてきました。こちらは三種類ほどが知られているカンムリキンメダイ科の一員で標本数の少ない稀な種類です。大西洋の深海に生息しています。 |