下部漸深層遊泳魚
/生物04

最大のイカは?ダイオウイカ(Giant squid)、という常識がくつがえされるかもしれません。南極海のモンスターと言っていいでしょう、ダイオウホウズキイカ(Colossal squid)自体は八十年以上も前からその存在が知られていましたが得られている標本が数少なく、体の一部だったり若い個体であったがためにダイオウイカほどの注目を浴びることはありませんでした。間接的な証拠は触腕の先端に並ぶカギ爪が、打ち上げられたマッコウクジラの表皮に食い込んでいたこと、またクジラの消化器から巨大なカラストンビが見つかっていること、その大きさから外套膜の長さは成熟すると四Mに達するのでは、と推定されています。カギ爪のある触腕なんてまさに凶器ですね。ムチのように遠心力を利用して振り下ろされたらいかにマッコウクジラと言えど致命傷を負うかもしれません。大きなヒレは活発な遊泳力も想像できます、クジラにとっては相当手ごわい相手なのではないでしょうか。二千Mあたりの深海をこんなのがユラーっと泳いでいるなんてスゴイの一言です。深海探査艇で偶然出くわしても迂闊に近寄らない方がよさそうですね。
1.Mesonychoteuthis hamiltoni
 ダイオウホウズキイカ
 250p(外套長)













南極海のモンスター(右上はカギ爪)