下部漸深層遊泳魚
/生物05

スズキ目ノトセニア科というグループに属し南米チリ沖や南アフリカ沖の南極周辺海域だけに棲息する地域限定の大型深海魚です。白身の味が似ているのでしょう、マジェランアイナメは八十年代あたりからギンダラの代用として漁獲されています。日本では「メロ」とか、かつては「銀ムツ」(〇三年以前)と呼ばれスーパーなどに流通、漁獲量の大部分が日本とアメリカで消費されているそうです。地球の裏側のさらに二千Mを越す深い最果ての海で獲れる魚まで胃袋に入れてしまう貪欲さ、まさに日本人は魚食民族であることを実感させられますね。二Mを越す大型魚で寿命も五十年くらいは生きるとされています。ノトセニア科は約五十種類が知られていてマジェランアイナメは最も北に分布する種類だそうです。それよりやや南にいるのがライギョダマシでマジェランアイナメと姿が似ているせいかときどき混獲されて一緒に食卓行き、となることもあるようです。淡水魚の雷魚(ライギョ)とは全く接点はないのに−ダマシなんて命名されてしまいました。二種ともCCAMLR(南極海洋生物資源保存管理委員会)という機関の漁獲許可対象種に指定されており、漁獲制限量を超える乱獲から枯渇が心配されています。節度ある資源利用を心掛けたいものですね。
1.Dissostichus eleginoides
 マジェランアイナメ
 215p

2.Dissostichus mawsoni
 ライギョダマシ
 175p