中深層遊泳魚/生物03

中層を漂っているイカたちです。ユウレイイカは体にアンモニアイオンを含んでいて特にお腹側の一番大きく肉太な第四腕には多量に詰まっています。このアンモニアイオンが真水に近く海水よりも軽い比重なためにさほど踏ん張らず水中に浮いていられるようです。触腕や目の周りに発光器を持ち、ひときわ光る触腕の先端でエサ生物をおびき寄せていると考えられています。次にトグロコウイカ、イラストではズームアップされていますが人の小指程度の小さなイカです。特徴は外套膜の一番奥にトグロを持っていること、遠い共通祖先がアンモナイトであることの名残りなのでしょう。一見巻貝のようですが中心部に初期室と呼ばれるアンモナイトとも共通した空間があることが貝との違いです(でも近縁のオウムガイにはない?らしいです)。成長期、このトグロの中は海水と同じ浸透圧を持つ体液で満たされていて段々水圧に耐えられるくらい丈夫に育つと螺旋に沿って走る連室細管という管から排出され代わりにガスが満たされます。だからトグロを上にしてタテに浮いているんですね。さてクラゲイカは体全体にプツプツがあり発光器も備えています。そして目の大きさが左右で異なり、大きな左目を上にしてかすかな光の中にエサとなるシルエットを追い求めているそうです。数が多いらしくマッコウクジラに大量に食べられています。
1.Chiroteuthis imperator
 ユウレイイカ
 25p(外套長)

2.Spirula spirula
 トグロコウイカ
 3.5p(外套長)

3.Histioteuthis dofleini
 クラゲイカ
 20p(外套長)












初期室