中深層遊泳魚
/生物15

原子力発電所さえ停めかねない半透明でやたら長い生き物。かつて大量発生して原発の取水口のフィルタを目詰まりさせたことがあります。正体はタリア綱サルパ目のトガリサルパ。一見クダクラゲのようですがクラゲとはまったく縁がありません。むしろホヤに近く脊索(せきさく)動物門に属します。生活史がややこしくて無性世代の単独個体と有性世代の連鎖個体群という時代を交互に繰り返しているそうです。単独個体は四〜五pほどの樽型をしています。まわりには帯状の筋肉が六本くらいあってこれを伸縮させることで海水を取り込みながら移動しています。一匹が次々にコピーされるとやがて電車のように連結し数Mもの大型生物に変身します。映像を見るとお互い喧嘩することもなく秩序正しく泳いでいます。見事な連携ですね。ちなみにひときわ目立つ色鮮やかな玉っころは消化管です。一方フウセンクラゲは触手をたなびかせて活発に泳ぐクシクラゲの仲間です。触手には膠胞(こうほう)というネバネバした細胞が付いていてさらにコイル状に縮められます。これに小型甲殻類なんかをからめて手繰り寄せています。雌雄同体で有性生殖ができポリプという世代がありません。なので一生水中を漂って過ごしています。先端に一個だけ感覚器があってどうやらこれで光や傾きを感じ取っているようです。
1.Salpa fusiformis
 トガリサルパ
 500p(単独個体4p)

2.Hormiphoro palmata
 フウセンクラゲ
 4p