上部漸深層遊泳魚
/生物02

釣エサになるゴカイは正直近づきたくない姿形をしていますがこのオヨギゴカイは天を翔ける龍のように優雅に滑らかに泳ぎます。多毛類の仲間はゴカイの他にはミミズやヒルがよく知られていますがこのオヨギゴカイは多毛綱サシバゴカイ目オヨギゴカイ科というところに所属しています。しなやかなガラス細工といった感じですね。さて何やらウルトラマンとバルタン星人みたいな生き物が出てきました。ギガントキプリスは真ん丸いオレンジ色の体に大きな目が特徴です。この目はダテではなくて最も集光能力のある目を持つ生き物として「ギネス世界記録2007」に載っています。Fナンバー(レンズの明るさ)では0.25とか。人間(2.25)、カメラ(1.8)と比べても優れていて意外とわずかな発光生物の光で薄ぼんやりとシルエットが見えているのかもしれません。何を見つめ何を思っているのでしょうか。ウミホタルに近いと言われていますがこの種では非常に大きくタコ焼きくらいはありそうです。オオタルマワシは甲殻類の仲間ということで言えばエビやカニに近いのですが分類上は端脚類クラゲノミ亜目という約三百種くらいのグループに属します。ライフスタイルは独特でサルパやヒカリボヤを見つけるや中身は食べちゃって外側の「樽」をマイホームにします。メスはこの内側に幼生をたくさん貼り付け全体をくるくると回す習性が名前の由来になっています。生きるためとはいえ自然界の生存の知恵は想像を絶します。
1.Tomopteris helgolandica
 オヨギゴカイ
 4p

2.Tomopteris septentrionalis
 オナシオヨギゴカイ
 2p

3.Gigantocypris agassizii
 ギガントキプリス
 2.5p

4.Phronima sedentaria
 オオタルマワシ
 3.5p