上部漸深層遊泳魚
/生物10

ヒドロ虫綱に属するクラゲは鉢虫(はちむし)綱のそれに比べて小さい種類が多いようです。ここに示したのも数センチ程度で可愛らしい生き物です。しかし姿かたちのバリエーションはすこぶる豊かです。まずアカチョウチンクラゲ、居酒屋の提灯は使わないときタテに畳みますがこのクラゲも泳ぐときはタテに伸びたり縮んだりしてポンプのように移動します。ゼラチン状の傘に包まれた真っ赤な提灯はパッチワークのようで不思議な生命体に見えますね。くつろいでいるときは二十四本ほどある触手を放射状に広げて漂っています。非常に珍しい種類ですが三陸沖で大量に見つかりました。次にトックリクラゲは見たまんまです。何ゆえこのカタチを選んだのか理解に苦しみますけど…。その中に八本の放射管をアーチ状に配置させていてさながら近代的な建築物のようです。ちなみに触手は想像で描きました。切れやすいらしくほとんど残らないので完全な姿がよく分かりません。分かったらこっそり修正しときましょう。最後にツヅミクラゲはラグビーボールを半分に割ったような形をしています。触手は五本ある場合も多く、このように万歳してたりダラリと下げていたりなかなか表情豊かです。最後に一句、アカチョウチン トックリ傾け 舌ツヅミ…おそまつ。
1.Pandea rubra
 アカチョウチンクラゲ
 7.5p

2.Botrynema brucei
 トックリクラゲ
 3p

3.Aegina citrea
 ツヅミクラゲ
 5p