上部漸深層遊泳魚
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動物プランクトンの数では一、二位を占めるポピュラーな生き物たちですがちっちゃいので普段はあまり目立ってません。ただ色々な魚などのエサとなっていて生態系の中でも重要な位置にあります。まずヤムシ、毛顎(もうがく)動物門に属しこのあと紹介するカイアシ類の次に多い肉食性プランクトンです。矢のような姿をしていてサジッタ(sagitta、ラテン語で「矢」)とも呼ばれ百二十種類くらいが知られています。動きは敏捷で口に生えた牙(?)と噛みついた時に毒液を注射する機能を口の周りに備えています。眼もあるようですが体全体に生えた繊毛が水中の振動を感じ取ってエサの接近を感知するみたいですね。一匹が卵巣と精巣の両方を持っている雌雄同体のくせに交尾をして子孫を残します。ヤムシは浅い海から深い海まで分布していてここに示したクローンヤムシは深い所がお好みです。さて運悪く襲われてしまったのは一万種類以上の大ファミリーを有すカイアシ類。脚を舟のオールのように動かしているのでカイアシ(櫂脚)と言います。またコペポーダとも呼ばれ研究者たちには「コペ」と慕われています。一見昆虫のようですがれっきとした甲殻類で脱皮をしながら成長します。いつも他の生物のエサになっているコペ君、中には知恵をつけた種類もいます。彼の名はガウシア、危険を感じるとピュッと発光液を噴射しこれが時間差攻撃になっていてちょっと遅れて「爆発」、敵が突然の閃光に気を取られている間に遠くへさっさと雲隠れします。まいりました。 |
1.Eukrohnia hamata クローンヤムシ 2.5p 2.Gaussia princeps カイアシ類(ガウシア属) 0.5p 3.Valdiviella insignis カイアシ類(ヴァルディヴィエラ属) 0.5p |
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