上部漸深層遊泳魚
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想像でチョウチンアンコウを描いてください、と言われると大体こんな感じになるのではないでしょうか。ボール型に大きな口、そしてトレードマークの提灯。ここの二匹はその代名詞、チョウチンアンコウ科(Himantolophidae)の仲間です。個性は提灯の形です。H.appeliiは太く短い竿が額から生えていて先端は枝分かれしています。英語ではPrickly(とげとげの)footballfishと呼ばれ主に南半球で確認されているようです。一方のH.mauliは提灯の先端が二股に分かれているのが特徴ですね。他にも鹿の角のようなエスカ(擬似餌)を持ったり、逆にツルンとした豆電球だけだったり、紐をいっぱい揺らしていたり、ひと口にチョウチンアンコウといっても様々です。ところでここには小さな雄(矮雄)はくっついていませんね。一次付着型といって繁殖期に一時的に噛みつくんだけどやがて離れていくようです。結合はしません。なので自由遊泳をしている雄は見つけた雌に一発必中で食らいつくため両顎の歯が発達しています。反面、自立できなくて雌に寄生しないと生きていけないのは真性寄生型といってミツクリエナガチョウチンアンコウ科やオニアンコウ科、ネオケラティアス科が知られています。両者の中間で寄生してもしなくてもとりあえず生きていけるのが任意寄生型といってラクダアンコウ科の一部とヒレナガチョウチンアンコウ科に見られるそうです。いずれにせよ雄は雌探しに必死なんです。 |
1.Himantolophus appelii チョウチンアンコウ科 40p 2.Himantolophus mauli チョウチンアンコウ科 25p |
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