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日本国憲法第9条は、第二次世界大戦におけるおびただしい人々のかけがえのない命と引きかえに、私たちがただ一つ手にすることができた貴重な財産です。
戦争を放棄し、平和を希求する第9条は、今まで世界とアジアの平和に寄与してきました。また、日本が朝鮮戦争、ベトナム戦争および湾岸戦争に参戦しないですんだのはまさに第9条があったからです。
平和がなければ、すべての人権は、画餅に帰してしまいます。第9条をまもり、その理念を世界に広げることは、すべての人々の人権を護り、積極的に世界に平和を創造することです。
ところが、この日本国憲法第9条に対して改悪の動きが急速に高まっています。
日本政府は、第9条の解釈として、日本は集団的自衛権を行使できないとしてきました。
しかし既に武力攻撃事態法などの有事諸法によって、海外の軍事紛争に自衛隊が参戦できる体制が作られました。
さらに2004年1月イラク復興支援の名目で自衛隊がイラクに派兵され、同年12月には国会閉会中の閣議決定でその期間が延長されるなど、ここ1、2年の間に急激に、第9条は、空洞化されてきています。
そしてついに集団的自衛権の行使を認める憲法「改正」案が公表されています。
アメリカの政府高官は日本が国連の常任理事国になるためには集団的自衛権を認める必要があると露骨な内政干渉発言を行いました。
このことから明らかなように、第9条を改悪し、集団的自衛権を認めることは、日本が、アメリカに従って、海外の戦争に参加することを意味するだけで、決して世界の平和に寄与するものではありません。
にもかかわらず、国会では憲法調査会による作業が進められ、2005年通常国会で国民投票法案が上程されると言われており、可決されれば、手続き的には何時でも憲法「改正」ができることになります。
私達は日本国憲法第9条をなんとしてもまもらねばならないと考えます。
私達は集団的自衛権の名のもとに日本を海外の戦争に参加させてはならないと考えます。そして憲法前文および第9条の理念をまもり発展させ世界に発信することによって、世界とアジアの平和を実現し確固たるものにする必要があると考えます。
そのため私達は、市民とともに、第9条の理念とその積極的な意義・役割を考え、広く世論に訴え、憲法改悪阻止のため全力を尽くすものです。
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