<MTV2000とPIX-MPTV/P4Wの比較と検証>
※12/10全面的に修正
12/9の記事に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
サイト方針変更により、<画像>の他ページからの直接呼出しは禁止させていただきます。
このページを直リンクしていただく分にはかまいません。
ごらん頂きありがとうございます。こちらでは、非常に感覚的な画質比較とP4Wの実力の検証を
行っています。あくまで煮詰めた設定ではなく、簡単に使ってどれだけの画質が得られるのかを
検証しています。ちなみに、筆者はキャプチャに関しては素人です。ただし、波形処理に関しては
少々知識はあります。
☆キャプチャー&エンコードの大原則
・最初にキャプチャしたときの状態(必ずしも画質ではない)が全て
・処理は最低限に抑える。そうしないとより悪い画質になってしまう。
何でもフィルターや補正をかければよいわけではない。
・無いものは作れないし、修正も出来ない。
というのが大原則です。キャプチャというよりも、これは「波」を扱う全ての分野に言えることです。
画像、映像、音、電波、その他全ての波動にこの原則は適用できます。
この原則に基づいて全ての考察、処理等を行っています。
☆内容
MTV2000及びPIX-MPTV/P4WのS-Video入力の比較、画質検証。
PIX-MPTV/P4Wのチューナー、コンポジット入力比較。
P4Wで撮ったソースのエンコード方法の検証、推奨設定。
☆キャプチャ・エンコード環境
M/B | GIGABYTE GA-8KI1100 |
CPU | Pentium4 3GHz |
Memory | 512MB(DDR400 DDR-SDRAM,CL=3) |
Chipset | i875P |
VGA | Canopus SPECTRA X21 |
Sound | ONKYO SE-80PCI |
HDD | IBM IC35L120AVV207-0(120GB) HITACHI HDS722516VLAT20(160GB) |
DVD-R/RW DVD+R/RW DVD-RAM |
LG電子 GSA-4040B |
Capture | PIXELA PIX-MPTV/P4W |
Power | Antec TruePower430 |
アンテナ線は分岐させる機械を付けて2つに分岐したうちの一つをダイレクトに入力。
ブースター等の増幅器や電波の安定回路等は一切無し。電波状況は比較的良好。
ビデオデッキにはPanasonic NV-SX505を使用。「デジタルW3次元」&「デジタルTBC」搭載、
一応ゴーストリダクションも付いていたような。ちなみに、NV-SXG505ではありませんのでご注意を。
もう5年以上前に買った機種です。画質はまあまあ。S-VHS対応のデッキです。
その他の環境として、CATV用チューナーがあります。
エンコード環境
TMPGEnc Plus 2.521
WMV9 Codec
MPEG-2 VIDEO VFAPI Plug-In
MPEG-2再生環境
SonicCinePlayer及びのそのCodec
WindowsMediaPlayer9
(1) MTV2000 V.S. PIX-MPTV/P4W(S-Video入力)
Canopus MTV2000
特に説明するまでも無い名カード。未だに人気が高く、高値を維持している。
未だに最高の画質が得られると評判。
機能等はメーカーや他のページでどうぞ。今回はお手軽にどれだけの画質を得られるのかを
試した。キャプチャ使用ソフトはMediaCruise、CBR/VBR/ビットレート以外の設定はデフォルト。
マクロビジョンの回避のみしています。
PIX-MPTV/P4W
PIXELAの入魂の一作。アニメ専用と名高いカード。ソフトはイマイチだが、ハードウェア的な実力は
かなりのもの。今回キャプチャには添付ソフトを使用。CBR/VBR/ビットレート/GOP以外全て
デフォルト設定。GOPは6に設定。
実際の画質
ソース : 成恵の世界OP
取得状況: TVで放映されたものを上記のNV-SX505のビデオデッキにてS-VHSテープに標準で録画。
デッキの画質改善機能は全てオン。
ソースの質
:ノイズが多くあまり良くない。チューナーから撮ったときとは大きな差がある。
入力 : ビデオデッキのS-Video出力端子を直接キャプチャカードに接続し、PCでキャプチャ。
設定 : 両キャプチャカードとも、画質改善機能の設定があるものに関してはONに。
MTV2000のノイズリダクションは標準の「弱」に設定。その他は上記解説どおり。(12/10追記)
画像取得: キャプチャされたMPEG-2ファイルをTMPGEncに読み込み、フィルタ等一切無しで
「設定」→「ソースの範囲」を選択し任意のフレームの画像を「クリップボードにコピー」
を利用し、レタッチソフトに貼り付け。JPEGに変換し保存。その際、JPEG圧縮による影響は
見た限りではないことを確認済み。アップの画像は、レタッチソフトに貼り付けた際に切り出し、
300%にリサイズした上でJPEGに変換。レタッチソフトによる画像改善処理は一切無し。
JPEG変換、切り出し、リサイズのみに使用。
比較 : 画像自体は100%オリジナルのMPEG-2ファイルと同じ画質とは言えないが、見た限りでは
オリジナルとの相違点は発見できなかった。また、処理自体はどれも全く同じであるため、
傾向に対する評価は妥当である。
画面キャプチャ(最高ビットレート編)
MTV2000 (CBR 15Mbps) |
PIX-MPTV/P4W (CBR 15Mbps) |
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非常に良好な画質が得られている。ノイズ(ザラザラ感)は少なく、アップした細部でも解像感は高い。 | ノイズは多めに現れる。解像感はMTV2000と同じ? |
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こちらでもノイズが少ないため良好に見える。 | ノイズは相変わらず多めではあるが、階調の残り具合はなかなか良い。 |
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全体的に良好。 プールの空の移りこみがつぶれている。 空の青と雲の白が非常に綺麗に見える。 |
ノイズが多くのり残念な結果。 プール水面への空の映り込みなど、 明部の階調が良く残っている。 |
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暗部がつぶれてしまい階調が残っていない。 が、気にしなくても良いといえばいいのかもしれない。 |
暗い部分や影の部分の階調がMTV2000とは比べ物にならないほどはっきり残っている。 これはP4Wが圧倒的に有利なようだ。アップの写真では、校舎の窓が一応判別できるほど。 |
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ノイズは少ない。若干シャープさが低く感じる。 | ノイズが多い。 くっきりした感じがMTV2000に比べわずかに強い。 |
<CBR 15Mbps 結論>12/10修正
修正前はMTV2000があまりよくないように書いていましたが、違いました。どっちもそれぞれ特徴があって
後は好みのようです。一般的にはMTV2000の方が良いようにも感じました。前回は技術的な話に偏ってしまい
申し訳ありませんでした。
■MTV2000
再エンコードしてもノイズが少ないのがわりと効いてくるようだ。そのおかげか階調が失われていても
良好な画質に見える。お手軽に高画質、という趣旨からはこちらの方が良いのかもしれない。
再エンコード後は設定で変わってしまうのでここでは詳しく述べない。
■PIX-MPTV/P4W
簡単設定ではノイズが取りきれないようだ。お手軽という点で劣ってしまうため、MTV2000を上回るという
わけではない。ただし、ダイナミックレンジが広く、シャープな感じが強いという特徴がある。
※注 15Mbpsでキャプチャした画像はDVD化できません。、DVD-Video規格においてビットレートは9.2Mbps〜4.0Mbps(D1:解像度720×480時)
でなければいけないからです。DVDにファイルとして保存するにしても、30分アニメ1話で約3GBとDVD一枚1話で現実的とは
いえません。保存用としてHDDをポンポン買えるかと言うと、普通の方は難しいでしょうからこちらも現実的とはいいがたいです。
よって再エンコードが必須になるため、再エンコード後も重要です。比較が難しいため、ここでは省いています。
○Topics
「階調」を強調しているのはなぜか? そもそも階調って? という疑問にお答えします。
「階調」とは簡単に言えば、明るさや色をどこまで細かく見られているかという度合いです。
極端な例で話しますと、「階調」が3段階しかなければ、明るさだと、明るい/中間/暗い、の
3段階しか表現できないということです。本来はもっと細かい明るさの度合いがあるのに、
全てはこの3つに分類されてしまう、ということになります。そして重要なのは、階調が落ち
てしまったら(少なくなってしまったら)、絶対に何をしても元には戻らないということです。
情報として3つしかないのに、4つに無理やり増やすことは出来ませんよね?
もしそういうプログラムを書いたとしても、非常に変な絵が出来上がることになるでしょう。
そういう観点から、「階調」という情報はなくなってしまったら取り出せないので非常に重要
なのです。
これに対して、ノイズや色のずれは修正が可能です。ノイズは確かにその一枚の画像だけ
で見れば修正が出来なさそうですが、ノイズは一般的に全てに対しランダムであるという
特性を持ちます。つまり、映像なら時間方向に見てやれば、同じ絵かごくわずかだけ違う絵
のフレームがいくつか存在するので、それらと比較することによりノイズは除去できます。
色のずれは単純に色の係数を修正してやればよいのでこちらは分かっていただけると思い
ます。
もちろん、限界を超えたノイズは除去不能です。除去可能範囲のノイズが多い少ないよりも、
階調情報の方が重要であることが分かっていただけると思います。しかし、割と取りきれないこともある
ので注意です。
(2)PIX-MPTV/P4W画質検証(Tuner & コンポジット)
PIX-MPTV/P4Wに関しての検証です。チューナーとコンポジットの画質の差が、どれぐらいかの検証だとお思いください。
ソース : GUN SLINGER GIRL OP
取得状況: チューナーはTV放映時に直接入力。コンポジットはCATV放映時のものを取得。
画質に関して、判定は微妙だが、大きな差は無い。
ソースの質
: 基本的に良好。しかし、CATVの方はTV放映のものを縮小した感じになるため差は出る。
入力 : アンテナ線もしくはCATVチューナーからコンポジット出力を直接キャプチャカードに接続し、PCでキャプチャ。
設定 : 画質改善機能の設定があるものに関してはONに。その他は標準。
画像取得: キャプチャされたMPEG-2ファイルをTMPGEncに読み込み、フィルタ等一切無しで
「設定」→「ソースの範囲」を選択し任意のフレームの画像を「クリップボードにコピー」
を利用し、レタッチソフトに貼り付け。JPEGに変換し保存。その際、JPEG圧縮による影響は
見た限りではないことを確認済み。アップの画像は、レタッチソフトに貼り付けた際に切り出し、
300%にリサイズした上でJPEGに変換。レタッチソフトによる画像改善処理は一切無し。
JPEG変換、切り出し、リサイズのみに使用。
比較 : 画像自体は100%オリジナルのMPEG-2ファイルと同じ画質とは言えないが、見た限りでは
オリジナルとの相違点は発見できなかった。また、処理自体はどれも全く同じであるため、
傾向に対する評価は妥当である。
画面キャプチャ(Tuner&コンポジット編)
※注意 コンポジット側の画像の上下に黒い帯が入っているのはCATV放送だからです。最初から入っていました。
Tuner (CBR 6Mbps) |
コンポジット (CBR 6Mbps) |
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ノイズが少なく良好。低ノイズ環境では良好な画像が残せるようだ。 | こちらも良好。 |
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わずか2フレームしかなく、動きが激しい部分であるが、ブロックノイズは少なめ。 普通の人が見て、破綻していると感じるほどではない。 |
わずか2フレームしかなく、動きが激しい部分。さすがにブロックノイズがやや多く出ているが、 動画で見れば破綻していると感じるほどではない。 |
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こちらもブロックノイズが出やすい部分だが、ノイズは少ない。 | Tuner入力よりむしろよく見えるような気がする。 良好な結果。 |
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拡大してもノイズが少なく非常に良好。 | Tunerに比べノイズは多いが、目立つほどではない。 |
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明るい部分も色飛びは起こっていない。総じて良好。 | ノイズに関してはこちらが有利か? |
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特に無し。相変わらず暗部の階調の残りも良好。 | なぜかゴーストのようなものが確認される。 |
<総評>
コンポジット入力もなかなか良好である。とはいえ、Tunerの方が画質は総じて良好であり、やはりチューナーから撮った方が良い。
階調は見た感じでは差は無いようだ。なぜかノイズに関してはコンポジットの方が有利ではあるが、差は大きくない。
再エンコードした場合は、Tunerから撮った方がかなり綺麗に出来る。これはどんなソースでも同じであることを確認した。
静止画で見た場合はそれほど差は無いような感じは受けるが、動画としては差が出来ているのだろう。
しかし、私には判別が付かないため、原因は不明である。
(3)PIX-MPTV/P4Wはここまで行ける〜簡単高画質〜
私が今まで撮った中で一番綺麗に出来たと思える映像です。
こちらは再エンコード済み。再エンコードの時間はかかりますが、手間はかけてません。
フィルタ設定、色設定、シャープネス設定は2分ぐらいで適当に決めてます。
ソース : 円盤皇女ワるきゅーレ第10話OP
取得状況: チューナーはTV放映時に直接入力。
入力 : アンテナ線を直接キャプチャカードに接続し、PCでキャプチャ。
設定 : 画質改善機能の設定があるものに関してはONに。その他は標準。
ビットレートはCBR 15Mbps。GOP6
再エンコード設定
:TMPGEncを使用し最初に書いた環境でエンコード。設定は別記。
設定自体はカンです。一応、プレビューで確認はしましたが最適設定かどうかは
保障されていません。
画像取得: キャプチャされたMPEG-2ファイルをTMPGEncに読み込み、フィルタ等一切無しで
「設定」→「ソースの範囲」を選択し任意のフレームの画像を「クリップボードにコピー」
を利用し、レタッチソフトに貼り付け。JPEGに変換し保存。その際、JPEG圧縮による影響は
見た限りではないことを確認済み。アップの画像は、レタッチソフトに貼り付けた際に切り出し、
300%にリサイズした上でJPEGに変換。レタッチソフトによる画像改善処理は一切無し。
JPEG変換、切り出し、リサイズのみに使用。
比較 : 画像自体は100%オリジナルのMPEG-2ファイルと同じ画質とは言えない。
よく検証していないため、どれくらいまで再現できているか不安ではあるが、少なくとも
ここに掲載されている画質と同等か少し上であろう。
エンコード設定
レート調整モード詳細設定
ノイズ除去詳細設定
エッジ強調詳細設定
簡易色調補正詳細設定
※色調補正は単に好みの色にしただけです。
画面キャプチャ(15Mbpsソース再エンコード編)
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ノイズが圧倒的に少なく。もはや拡大しなければ無いといっても良い。 色むらは存在するが、この辺は許容範囲としてほしい気分だ。 ほけた画像にもなっていなく、非常にクリア。 |
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わざと淡くてキャプチャに不向きな画像を選択。 しかし、目立つノイズ、ブロックノイズ等はほとんど無くかなり良好。 |
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やや明るめに調節したせいか、ぱっと見綺麗な感じに仕上がる。 ノイズは相変わらず少なく良好。割と動きが激しい羽根の部分も、ふわふわ感が良く出ている。 |
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髪の影となる部分はつぶれているように見えるが、これがもともとなのか それともつぶれてしまったのかはDVDが発売されてから検証するしかない。 文字の周りのノイズが少し気になる。 |
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こちらも良好。特に解説はなし。 |
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ノイズが他の部分に比べ多め。動きが多く、淡い色なためだろうか? |
<総評>
全体的には良好な画質だと思う。私的にはこれぐらい撮れれば十分だと思っているため、再エンコード設定の煮詰め
等は考えていない。しかし、普通の方々もこれぐらい撮れればもう良いと思うのだがどうだろうか?
ちなみに、CMカット済み・1話約24分であるこれのエンコードにかかる時間はPentium4
3GHzを使ってさえ、おおよそ7時間。
多分、この時点でもうやりたくなくなっただろう。そういった方には、1-Passの品質固定モード画質を「100」に設定、動き検索を
「動き予測検索」、DC成分精度を「9bit」に設定しても見た限り全く同じ画質が得られる。これだと、時間は半分より縮まり、
約3時間となってこれぐらいでしたらどうにか我慢できるレベルだと思う。容量も40MB弱しか変わらない。
ちなみに、2-Passでは1.25GBの容量がある。補足として、音声部分のビットレートは384kbpsである。
ここでは無駄に2-Passにしているだけで特に意味は無く、最初にこのパラメータでエンコードしまっただけとなっている。
2-Passだから全て画質が良くなる、ではなく、ソースの状況に応じて使い分けた方が良い。
ただの気分的なもので、倍以上無駄な時間を過ごすのは馬鹿らしいと思わないだろうか?
※ご希望があれば1-Pass後のほうの画像も載せます。
取り合えず今のところはこれで終了です。
何かありましたら掲示板の方へどうぞ。
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2003/12/11 TAM