大切な赤ちゃんの夜泣きが治らない。キーキーむずがる。よく噛みつく。食が細くて心配。体が弱くてすぐ風邪を引く。もうすぐ小学校に入学するのに、おねしょが治まらない。などのお子様の多彩な症状で、お悩みのお母さん、「小児はり」というはり療法が効果的なことをご存じでしょうか?
小児はりには、非常に長い歴史があり、関西では古くから親しまれ、民間に広く浸透し、有名な小児はりの先生も数多くいらっしゃいます。また、中秋の名月の日に鍼をすると一年間風邪を引かないと伝えられ、高名な先生の治療院では、治療院の前に露天商が並び、1日数百人の子供が治療に訪れ、その重さで治療院の床が抜けたというエピソードがあるほどです。少子化が進み、医学が進歩した現在においても、沢山のお子さんが小児はりの恩恵を受けています。
残念ながら、我が町にあっては、その習慣がなく、小
児はりを伝える先生も存在しなかった為、その恩恵を受
けることは出来ずにおりました。私は幸いにも、その小
児はりの効果のすばらしさに触れる機会に恵まれ、効果
を目の当たりにして、小児はりに魅せられ、この地に小
児はりを普及させたいと切に願うようになりました。
これから少し、その「小児はり」についてご説明致しま
す。
当院で行う「小児はり」は、赤ちゃんの皮膚を刺激するため特別に考案された器具(小児はり)で、優しく撫でたりさすったりするような軽い刺激を加える治療法であり、”刺さないはり療法”です。古来よりこの方法は接触鍼法と呼ばれ鍼技術の一つとして継承されている手技です。また、当院では、怖くない、痛くない、やさしい治療を優先して行います。赤ちゃんの皮膚を優しく、鳥の羽毛がなでる様な刺激で治療しますので、治療中に眠ってしまう子もいるほどです。治療室の雰囲気に慣れるまで、お母さんに抱っこしてもらいながら治療致しますので、お子さんも安心して治療を受けることが出来るでしょう。病院・注射嫌いのお子様でも、小児はりのことはきっと好きになってくれるでしょう。主体はあくまでも、治療を受けるお子様中心に行いますので、ご安心ください。
小児はり療法のメリット
@無侵襲である(刺さない)
A反復刺激が可能(無侵襲であるが故に繰り返しが可能)
B無痛であること(子供にストレスとならない)
C子供に恐怖を与えない
D一回の治療時間が短い(子供にとって苦役とならない)
疳の虫、喘息、アトピー性皮膚炎、夜尿症、便秘、食欲不振など小児の慢性疾患全般に効
果を上げています。また、決して難しい疾患の治療ばかりではなく、落ち着きがない、言う
ことを聞いてくれなくなった、子供の考えていることが解らなくなってきたなど、普段見過
ごしてしまいそうな症状にも、効果が見られることがあります。
また、多くの症状の中でも、小児はり療法が古来より最も得意としてきた症状は「疳の虫」
(かんのむし)と呼ばれる小児特有の症状群です。
疳とは、癇癪(かんしゃく)の癇に通じ、短気、イライラ、怒りっぽいといった精神神経
症状を示す意味とヤマイダレに「甘い」と書くことから「甘い物の過食によって引き起こさ
れる消化器症状の総称」とも言われ、具体的な症状としては夜泣き、乳吐き、不機嫌、奇声
を発する、夜驚症、食欲不振、噛みつくといった症状群の総称で、現代医学の中に於いては
「小児神経症」と呼ばれるものです。この症状に対しては西洋医学に於いても有効な治療法
は無いと言われており、無侵襲で安全な「小児はり療法」を強くお勧めする理由の一つでも
あります。
ここで注意して頂きたいことは、小児科などで「小児神経症」と診断されても、決して悲
観的に考えることはないということです。引きつけや夜泣き、不眠などの乳幼児期の神経過
敏症で、身体的異常が見いだせない場合で、専ら精神的なストレスが原因とされ付けられる
病名が「小児神経症」であり、乳幼児は精神構造が発展途上にあり、未熟であるため、大人
の様に神経症や心身症などといった判断も困難であるため、「大人の神経症」とは全く区別
して考えられている症状ですから、決して悲観的に考える必要はないのです。
子供の皮膚は大変薄く、大人と比べて非常に過敏です。スキンシップに代表されるように
皮膚に対する心地良い優しい刺激は、精神や情緒を安定させ、さらに東洋医学のツボ刺激を
加味することにより自律神経のアンバランスを調えることが出来るのです。
以下に挙げる症状は古来より「疳の虫」特有の症状であり、いつも子供を見ているお母さんにも、見
分けが付くので参考にして下さい。疳の虫症状は、暫く放っておかれたものより、出てすぐに治療した
方が治療期間も短くて済みます。
@顔色の変化(青白い)
A眉間や鼻根部に青筋(静脈の怒張が見られる)疳症状が
強いと目尻にも怒張が見られる
B白目の部分が青っぽい
C鼻翼や鼻下の発赤
D髪の毛が逆立っている(疳がきつい時と言われる)
E臍周辺がただれる
F眉間に縦皺がある
G唇の周囲が黄色っぽくなったり黒っぽく見える
H表情が険しい(表情を作るときに目・口・鼻などがバラバラ
になっている様に見える
I子供が急に言うことを聞いてくれなくなったように感じる。
一回の治療時間は、〔年齢+1〜2分〕と考えて下さい。これは、小児が1つの物事に対して集中していられる時間
であり、これ以上の治療時間や鍼刺激は、子供にとってはストレス刺激となり、症状をかえって悪化させてしまうこと
があります。また、当然のことながら症状や体質により治療時間は変化します。
大体の場合、3〜5回。重症なもの、長期間患っている疾患に対しては、10回以上の治療が
必要です。また、症状が落ち着いたあとも、放っておくと、小児の症状は再発してしまうもの
が多く、月に1〜2回の定期的な受診をお勧め致します。
大体、0才〜12才くらいまでが、小児はりの対象年齢となります。受診患児に多い年齢は、小学校に入学するころまでが最も多いように感じます。
小児はりの種類
以上、小児はりの概要をまとめてみました。子育てに一人で悩む前に先ず「小児はり」をお試し
ください。メール等での質問にもお答えします。→白鷹堂へ質問メールする。
北秋田市住吉町4−10