万葉の香り・ササユリ

(2000.6.2)
静岡県西部地方、遠州の里山には万葉の香りを今に伝えるササユリの自生地があります。
 ササユリとは、ユリ科の球根草花で、葉が笹(ササ)に似ているため、この名があります。万葉の時代から親しまれたこのユリの自生地は静岡県以西の本州と九州、四国。
 種子から育てると開花まで 6〜7年を要します。花色は白、淡いピンク、濃いピンクと変異があり、素敵な芳香があります。
 また、葉もササに似た細葉から、やや幅広の葉と変異が見られます。
自生地は半日陰〜陽光の当たる草地で、秋に草を刈り込むと翌年元気に開花します。
  近年は、雑草管理がおろそかになったことや、業者・好事家による山取り、里山の開発などで自生地が荒らされ、その数が激減しています。この美しい野生の花を、是非とも後世に伝えたいものです。
ササユリの大群落。(東南向き斜面の草地)
ピンクの花弁 ごく淡いピンクの花弁
白い花弁 6輪咲き・淡いピンクの花弁
白花弁で、弁数が8枚 濃い紫色の花弁
すぐ隣にはシライトソウ(ユリ科)の群落が 2人仲良くシライトソウ

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