History

Camelのバンド・ヒストリーを簡単にまとめてみました。
詳しくお知りになりたい場合には、キャメル・プロダクションズのサイトを御覧ください。

The Long and Winding Road

■ アルバムA Nod and a Wink掲載のAndrew Latimerによるメッセージ文
30年 驚異的だ!まるで昨日のことのようだと言いたいところだが、実際は...やはり30年経ったのだ、という気分だ。
振り返って見ると、Camelが様々な変遷を遂げてきたことは、時には辛いこともあったが、結果的にはプラスになったと言えるだろう。
変化を経験したおかげでたくさんの多種多彩で、奥行きのある才能豊かなミュージシャンたちと仕事をするチャンスに恵まれ、彼らの一部がCamelの音楽性に反映されることになったのだから。
これからの30年、そして将来必ず訪れる変化が楽しみだ。
下記の人々に心の底からお礼と謝意を表させていただく。
Doug Ferguson, Andy Ward, Mel Collins, Rhett Davies,Rich Sinclair, Susan Hoover, Colin Bass, Jan Schelhaas, Kit Watkins, David Paton, Chris Rainbow, Stuart Tosh, Paul Burgess, Ton Scherpenzeel,  Mickey Simmonds, Foss Patterson, Dave Stewart, Guy LeBlanc, Denis Clement
そして、最後になってしまったが愛を込めてこのアルバムをPeter Bardens (1945-2002)に捧げたい。
アンディ・ラティマー 2002年6月27日
(原文・翻訳共にCDブックレット内に掲載)

Camel前史

Camelの前身となったのは、Brewという、イギリス・サリー州のブルーズを基調としたローカル・ロックバンドであった。
「そもそもThe Phantom Fourが...」とか、「Alan Butcherが...」などというマニアの蘊蓄はこの際無しに!
幾度かのメンバーチェンジを経て、Andy Ward (drum, 1952年生まれ)が加わり、Andrew Latimer (guitar, 1949年生まれ)、Doug Ferguson (bass, 1946年生まれ)の3人となったのが1969年頃。
1971年には、シンガーソングライターのPhillip Goodhand-Taitのバックを務めたが、キーボードの必要性を痛感し、ほどなくMelody Maker誌にキーボードプレーヤー募集の広告を出すこととなった。
これに応募してきたのが、ThemやShotgun Expressで活躍していたPeter Bardens (key, 1944年生まれ)だった。
バンド名をCamelに改め、ここに4人のオリジナルメンバーによる新たな歴史が始まることとなった。
ちなみに、Camelという名前、何となく決まったらしい。

※Curriculum Vitae (2003年)より

オリジナル・メンバーの時代

オリジナルメンバーにより出されたアルバムは、Camel (1973年作)、Mirage (1974年作)、The Snow Goose (1975年作)、Moonmadness (1976年作)の4枚で、いずれも好作品。
1stの"Camel"は、ブルージーかつジャズ・ロック的アプローチで、プログレッシブな息吹が感じられる佳作だ。
名曲Lady Fantasyを含む2ndのMirageは、ハードに迫るかと思えばメロウなフレーズで泣かせるドラマティックな展開、Wardのテクニカルなドラムをバックに、泣きのギターとオルガンが絡みあう、いわゆるCamelスタイルを確立した名盤である。
とりわけ、Camelが世間の注目を集めたのが、3rdのThe Snow Gooseだ。
ポールギャリコの小説をオーケストラとの共演により音楽化した意欲作であったが、何とアルバムチャートのTop10入りを果たし、Melody Maker誌のブライテスト・ホープにも選出された。
4作目のMoonmadnessは独立した小曲からなるアルバムであったが、シンセサイザーを活かした、よりプログレッシブなスタイルで、この作品を最高傑作と推すファンも多い。
しかし、本作をもってDougが脱退する。
名曲Lunar SeeなどJazzへの傾倒を見せつつあったバンドとの音楽的見解の相違が原因であろうが、テクニカル指向のWardとの軋轢も少なからずあったようである。
あまり特徴のあったプレイスタイルではなかったため、LPのライナーノートに「抜けたのがDougで良かった」などと酷いことを書かれたりしたが、バンドのまとめ役であったDougの脱退はメンバー間のバランスに変化をもたらす結果となった。

※写真左からPeter Bardens, Andy Ward, Doug Ferguson, Andrew Latimer
*
guitar key bass drum
1972-1976 Andrew Latimer Peter Bardens Doug Ferguson Andy Ward

Richard Sinclair在籍期

Dougの後任のbassには、なんとRichard Sinclairが加わることとなった。
CaravanやHatfield & The Northの名ベースプレーヤにして名ボーカリストで、これまでのCamelの弱点であった2分野(ベースにボーカル)が実に見事に補強された!
SinclairはJazz指向であるととともにPopな感性だが、彼のプレイスタイルがかなり色濃く以後のCamelのアルバムに反映されることとなった。
Sinclair在籍期の2作品、Rain Dances (1977年作)、Breathless (1978年作)は、Jazzyなインスト曲と美しいボーカル曲からなる魅力的なアルバムで、とりわけ日本において人気が高い。
元King CrimsonのSax奏者Mel Collinsの参加もあって、Camel史上最強の布陣ではなかったかと思われる。
彼等の強烈なライブパフォーマンスは、初のLive盤、A Live Record(1978年作)で堪能できる。
しかし、Breathlessのレコーディング後、Peter Bardensが、音楽的指向の食い違いからLatimerと対立し脱退する

※写真左からRichard Sinclair, Andy Ward, Peter Bardens, Andrew Latimer, Mel Collins
*
guitar key bass drum sax guest
Rain Dances
1977
Andrew Latimer Peter Bardens Richard Sinclair Andy Ward *
Mel Collins (sax)
Brian Eno (moog)
Breathless
1978
Andrew Latimer Peter Bardens Richard Sinclair Andy Ward Mel Collins *
以下、メンバーチェンジが激しく、ゲスト参加等も多く、正確なところは良く分りません。
大雑把な情報と御理解ください。間違いがあれば御指摘ください。

混迷の始まり

Dougに続くPeterの脱退は、バンドに予想以上に大きなダメージを与えることとなった。以後、Camelはメンバーが固定化しなくなるのであった。
後任に、元Caravanの、Jan SchelhaasとDave Sinclairを迎え、Breathless Tourを乗り切るが、ほどなく、Richard Daveの両Sinclairが脱退する。
その後、キーボーダーだけを見ても、次作のI Can See Your House from Here (1979年作)では、Jan Schelhaasと元Happy The ManのKit Watkinsに、The Snow Goose以来のコンセプトアルバムとなったNude (1981年作)では、Jan Schelhaasと元10CCのDuncan Mackayと目まぐるしくメンバーが変遷していった。
ちなみに、現在までCamelの屋台骨を支えてくれている (一時不参加の時期はあるが)Colin Bassは、この時期I Can...からの参加である。
メンバーは流動的にはなったものの、才能ある多才なミュージシャンの参加を得て、これら2作品も新たな魅力を備えた素晴らしい作品に仕上がった。
とりわけ、ギターが官能的なI Can...の1曲"Ice"は名曲として人気が高く、今日でもコンサートの定番となっているのは周知のとおりである。

※写真左からJan Schelhaas, Kit Watkins, Andrew Latimer, Andy Ward, Colin Bass
* guitar key bass drum sax guest
Breathless Tour 
1978-1979
Andrew Latimer Dave Sinclair 
Jan Schelhaas
Richard Sinclair Andy Ward Mel Collins *
I Can See Your House from Here
1979
Andrew Latimer Kit Watkins 
Jan Schelhaas
Colin Bass Andy Ward * Mel Collins (sax)
Phil Collins (dr)
Nude
1981
Andrew Latimer Duncan Mackay 
Jan Schelhaas
Colin Bass Andy Ward * Mel Collins (sax)
Gaspar Lawal (per)
Nude Tour 
1981
Andrew Latimer Kit Watkins 
Jan Schelhaas
Colin Bass Andy Ward * *


Ward離脱

アルバムThe Single Factor (1982年作)は、Chris RainbowやDavid Patonといった歌えるメンバーの参加もあって、かなりポップス指向の強いアルバムとなった。
個々の楽曲は素晴らしいのだが、前作Nudeがなかなかの出来のコンセプトアルバムであっただけに、当時の私は、このアルバムThe Single Factorを、どのように受けとめるべきか困惑した記憶がある。
しかし、歌ものが増えたこと以上に驚かされたのは、Andy Ward does not appear on this album following a serious injury to his handのクレジットであった。
怪我による一時的な不参加として発表されたが、その真相は精神を病みドラッグやアルコールに走り、ついには自殺未遂に至ったというショッキングなもので あった。アルバムの中の一曲Manicには、当時のWardの「様子」が赤裸々に歌われている。結局、Wardはその後もCamelへ復帰することはな かった。ここに、オリジナルメンバーはAndrew Latimer一人となる。
いわゆるバンドと言う概念は薄れ、以後、Andrewのソロプロジェクトの色彩が強まっていった。
Latimer Alone

※表情も空ろにスティックを振るAndy Ward~DVD”Curriculum Vitae”より
*
guitar key bass drum vo guest・backup
The Single Factor
1982
Andrew Latimer Haydn Bendall
Duncan Mackay
Peter Bardens
Francis Monkman
David Paton Graham Jarvis 
Dave Mattacks
Simon Phillips
Chris Rainbow Anthony Phillips (g)
10th Anniversary Tour
1982
Andrew Latimer Kit Watkins David Paton Stuart Tosh Chris Rainbow Andy Dalby (g)

そして解散

KayakのキーボードプレーヤーTon Scherpenzeelの参加を得て作成されたアルバムStationaly Traveller (1984年作)は、Camelの長い歴史のなかでも、若干、肌触りというか質感の異なる感じのするアルバムである。
Latimer自身は、「このアルバムはベルリンのみならず、キャメルの変化、つまり行ってしまった人たちを通じて僕が経験したいろいろな感動やベルリンから得た感動を盛り込んだんだよ」と語ってくれているが、私は、苦悩する彼の姿が投影された作品と受け止めた。
ヒット曲を強要するレコード会社との対立、古くからのメンバーの相次ぐ離脱...
最近、この時期のライブビデオPressure PointsがDVD化されたが、盟友Peter Bardensのゲスト参加を得て、涙目でギターを弾くLatimerの姿を見ることができる。
そこでのギターソロはひたすら泣きまくり、Latimer自身の嗚咽に聴こえる。
Stationary Travellerは好セールスをおさめるが、このコンサートツアーを最後にCamelはひっそりと解散する。

※写真左からTon Scherpenzeel, Colin Bass, Andrew Latimer, Paul Burgess, Chris Rainbow
* guitar key bass drum vo guest・backup
Stationary
Traveller
1984
Andrew Latimer Ton Scherpenzeel David Paton Paul Burgess Chris Rainbow Haydn Bendall (key)
Mel Collins (sax)
Pressure Points,
Live in Concert
1984
Andrew Latimer Ton Scherpenzeel Colin Bass Paul Burgess Chris Rainbow Peter Bardens (key)
Mel Collins (sax)
Richie Close (key)

奇跡の復活

しかし、Latimerのミュージシャンシップは枯れてはいなかった。
マネージャーとの法廷闘争、アメリカへの移住、キャメルプロダクションの設立などに忙殺され7年間沈黙するも、90年代を迎え、待ちに待った新譜Dust and Dreams (1991年作)が、キャメルプロダクションからの自主製作盤としてリリースされた。
スタインベックの怒りの葡萄をテーマとしたコンセプトアルバムだ。
あのCamel節はそのままに、よりパワフル、よりドラマチックな作風に新旧のファンが狂喜した。
この勢いのままツアーを敢行し、1979年、1980年に続く3度目の来日も果たしてくれた。
やはり、メンバーはAndrew LatimerとColin Bass以外は流動的であったが、以後、Harbour of Tears (1996年作)、Rajaz (1999年作)と、いずれも高い水準の作品を送りだしてくれた。

※写真左: Dust and Dreamsのジャケット、写真右: 92ツアーの Live盤Never Let Goのジャケット
* guitar key bass drum Guest Vo
Dust and Dreams
1991
Andrew Latimer Ton Scherpenzeel
Don Harris
Colin Bass Paul Burgess
Christopher Bock
David Paton
Mae Mckenna
20th Anniversary Tour
1992
Andrew Latimer Mickey Simmonds Colin Bass Paul Burgess *
Harbour of Tears
1996
Andrew Latimer Mickey Simmonds Colin Bass
David Paton
John Xepoleas Mae Mckenna
Harbour of Tears Tour
1997
Andrew Latimer Foss Patterson Colin Bass Dave Stewart *
Rajaz
1999
Andrew Latimer Ton Scherpenzeel Colin Bass Dave Stewart *

Y2Kそして 30周年

Andrew LatimerとColin Bassに加え、キーボードはGuy Leblanc、ドラムはDenis Clementと若い新メンバー2人の力を得て、Y2Kツアーを敢行し、日本公演も実現した。
このラインナップで、2002年8月には、30周年記念の新作A Nod and a Wink (2002年作)を発表する。この作品は、同年1月に他界したPeter Bardensに捧げられた。
翌2003年夏には、初期の映像やメンバーのインタビュー映像など、Camelの軌跡をまとめたDVD作品Curriculum Vitaeが発売された。
2003年冬にはワールドツアーを企画するも、直前にGuy LeBlancの奥さんが心臓発作で入院し、中止も危ぶまれたが、アメリカ公演は元YesのTom Brislin、ヨーロッパツアーはTon Scherpenzeelの協力を得て、ほぼ予定どおりのスケジュールで乗り切った。
ところで、このツアーだが、Farewell Tourと銘打ち行われたため、Camel解散かとファンの気を揉ましたが、今後もスタジオ盤はリリースすると報じられた。

※写真左からColin Bass, Andrew Latimer, Guy LeBlanc, Denis Clement
* guitar key bass drum
Y2K Tour
2000
Andrew Latimer Guy LeBlanc Colin Bass Denis Clement
A Nod and a Wink
2002
Andrew Latimer Guy LeBlanc Colin Bass Denis Clement
Farewell Tour
2003
Andrew Latimer Ton Scherpenzeel (Europe Tour)
Tom Brislin (USA Tour)
Colin Bass Denis Clement


病魔との戦い

Andrew Latimerは、2006年に英国に転帰する。
2007年5月、Andrew Latimerは、以前から血液に関する難病の真性多血症にかかっていたことが公表された。
病気は骨髄繊維症に進行しており、11月21日(日本時間は22日)に骨髄移植を受けることとなった。
予想された副作用も無く術後の経過は極めて良好で、クリスマス前に一旦退院したが、翌2008年2月には再入院となる。
薬の副作用から髪の毛が抜け落ちたショッキングな映像がサイトで公開されるなど心配されたが、その後順調に推移し、2010年9月のニュース・レターでは、完全に回復したと報じられた。
この頃、かつてCamel関連のDVDのプロデュースを行ったDavid MinasianのアルバムRandom Acts of BeautyやDave SinclairのアルバムStreamへのゲスト参加の情報もあり、Camelとしての活動再開に期待が集まった。
そして...


Camel復活のツアー/2013

2013年に入り、突如、10月にツアーを行うこととThe Snow Gooseの再録を行ったことがサイトで告知された。
CamelのThe Long and Winding Roadはまだまだ続くらしい。
なお、キーボードのGuy LeBlancが2015年4月に逝去し、最新のラインナップは、Andrew Latimer (g), Colin Bass (b), Denis Clement (dr), Pete Jones(key)となっている。

※写真左からDenis Clement, Pete Jones, Andrew Latimer, Colin Bass
* guitar key bass drum
Tour 2013 Andrew Latimer Guy LeBlanc
Jason Hart
Colin Bass Denis Clement
Tour 2014 – 2015 Andrew Latimer Ton Scherpenzeel 
Jason Hart
Colin Bass Denis Clement
Red Moon Rising Tour
Live in Japan 2016
Andrew Latimer Pete Jones Colin Bass Denis Clement
The Moonmadness Tour
2018
Andrew Latimer Pete Jones Colin Bass Denis Clement


おまけ ~ オリジ ナルメンバーのその後 〜 Left Luggage

Peter Bardens

Fritha aloneのような、どう見てもPeter Bardens単独の作曲と思われる曲ですらSnow Gooseは、PeterとLatimerの共作とクレジットされているが、当時の2人の良好な関係をあらわしているように思える。
しかし、Dougの脱退後、バンドはごたごたしはじめ、作曲面での共同作業が機能しなくなりはじめる。「シングルヒット曲を書くように僕に言って来て嫌に なった。」というLatimerの発言もみられるようだが、LatimerもPeterに内緒でElkをBrian Enoとレコーディングしたりと、どっちもどっちのような気がする...まあ、二人とも音楽的には譲れない性格だったのでしょう。
Breathless録音後、PeteはCamelを脱退する。
この2人その後もレコーディング(Sasquatch)やステージ(Pressure Points, Live in Concert )で一緒になることはあったが、結局、同じバンドのメンバーとしてアルバムをつくることは無かった。
80年代終盤に、ニューエイジミュージックのアルバムが結構ヒットした。
90年代にもソロアルバムを数枚出す。
90年代中盤にはCamelの再結成に刺激を受け、Andy Ward らとともに、バンドMirageを結成し活動するが長続きしなかった。
2001年5月に脳腫瘍の手術を受ける。その後、肺がんとなり闘病生活を送るも、2002年1月22日死去する。
遺作のThe Art of Levitationでは、愛嬢がCamel時代の名曲Spirit of the Waterを歌っている。涙なくしては聴けない。

Andy Ward

躁鬱病にてアルコール・ホリック、ついには自殺未遂で5ヶ月入院、ぼろぼろになってCamelを脱退した。
Wardの脱落はLatimer にとってもつらい体験であったようだ。
Camel脱退後は、1983年に Marillionに加入しツアーに参加したが3ヶ月で脱退する。
いろいろなバンドを渡り歩くが、90年代前半はRichard Sinclair関連の音源でドラムを聴くことができる。
そのほかYukio YungやHugh Hopperをはじめ、様々なアーティストのレコーディングに参加している。
94年からはサイケロックバンドのBevis Frondに加入するも、2002年のアルバムWhat Did for the Dinosaursを最後に脱退する。
躁鬱病が再発し悪化した時期もあったようだが、現在は病気をコントロールし、若干ながらも音楽に関わっているようだ。
2003年の暮れには、ベストアルバムSticking Aroundを発売しホームぺージまで開設してくれた。

Doug Ferguson

Dougは音楽的には秀でた部分は無かったが、軍隊経験者であった彼はCamelのマネージメント面でのリーダー、つまりはまとめ役だった。
しかし、より高度で複雑な音楽を追求しはじめたWardとの間に軋轢が生まれ、ついにWardは Latimerに「自分をとるか、Dougをとるか」と迫った。
結局、Dougにクビを告げたのは一番親しかったLatimerであった。
Camel脱退後DougはHEADWAITERなるバンドに参加し、1978年のWHO INVITED THEM?というタイトルのコンピレーションアルバムが出ているぐらいで目立った活動もなく、1979年にはMongo Jerryのラインナップに名を列ねたりもしたが、音楽からはリタイヤし不動産業に転進した。
DVD作品Curriculum VitaeでのLatimerとBardensのインタビューで明らかなとおり、Dougの脱退はメンバー間のバランスに変化をもたらし、バンドとしてのまとまりを変えてしまう結果となってしまった。
なんと、2003年に2人のAndyとDougが集いBrewとしてレコーディングを行った。
2004年にWebで先行して公表された曲がLeft Luggageだ。
Latimerの言う「Luggage」とは、不幸な別れ方をした3人の和解を指すのだろう。