Andy Wardの軌跡

躁鬱病にてアルコール・ホリック、ついには自殺未遂で5ヶ月入院。
ぼろぼろになってCamelを脱退した彼ですが、意外と多くの参加音源を見つけることができます。


Marillion (1983年)

marillion.comのTour Historyによれば、1983年の5月12日~8月8日の約3ヶ月で30日近くライブを演っている記録が残っています。
この時期の音源ですが、2008年11月に英国EMIから、Fish時代のアンリリースド・ライヴ6枚組限定ボックス・セット が発売されています。Disc4のlive at Reading Festival 27 August 1983で、Andy Wardがパーカッションを担当しています(ドラムはJohn Martyr)。
その他、Garden Partyのプロモビデオでは、演技のみですが、その姿を見ることができます。


■ Fugazi (1984年)/Marillion
Wardの参加はありませんが、インナー・スリーブにSpecial thanks のクレジットがあり、Andy Wardの名前が見てとれます


■ The EMI Singles Collection -DVD- (2002年)/Marillion
EMI時代のシングル曲PV集です。
Garden Party (1983年)のビデオに参加してますが、演技だけで演奏場面はありません。


■ Early Stage - The Official Bootleg Box Set 1982-1987 (2008年)/Marillon
英国EMIから2008年11月に発売された、Fish時代の Marillionのアンリリースド・ライヴ6枚組限定ボックス・セット。
Disc4のlive at Reading Festival 27 August 1983で、Andy Wardがパーカッションを担当している(ドラムはJohn Martyr)。

Stoffer Blegvad, Jeremy Harrington, Viv McAuliffe (mid-1980s)

この人脈の情報が良く分かりません。
唯一発見できたのが、元Slapp Happy, Henry CowのPeter Blegvadのソロ作Downtime (1989年)ぐらいですが、よくよく考えてみれば、Henry CowとCamelはGreasy Truckers Live at Dingwalls Dance Hallで共演済み(?)ですし、その一派とは古くからのつきあいがあったのでしょう。Camel時代に、BBCラジオのPeel Sessionsで、Anthony Mooreらと共演した記録もあります。
Blegvadのソロ作Downtimeの12曲目、Actual Frenzyという曲に、Andy Wardの名前がクレジットされています。歌というより詩の朗読なのですが、背後でWardがベルをチーン、チーンと鳴らしていて、雰囲気づくり(?)に 貢献してます。Private collectionとの表記があり、CD化の際のボーナストラックのようです。
Jeremy Harringtonは、Monochrome Setの1978-1979年ごろのベーシストなのですが、どういうつながりでWardと行動することとなったのかは解明できてません。Wardと Hyacinth Houseなるバンドを組んで数曲レコーディングしたようです。

Vivienne  McAuliffe (1948-1998年)は私の知識では、Neon Magicの作詩をしたPrincipal Edwards Magic Theatre の女性歌手としかインプットされてなかったのですが、ネットで検索してみると、なんとAFFINITYの2代目ボーカルでした。2003年には、Mo Fosterのプロデュースで未発表曲集「1971-72」が発表されました。
ロンドンで精力的に活動していたようで、Patric Morazのアルバム i にもクレジットがありますが、何よりフォークロック歌手Michael ChapmanのアルバムThe Man Who Hated Mornings (1977年)にAndrew Latimerとともに参加してたりします。ただし参加曲は見事にすれ違い!
また、Anthony PhillipsのThe Geese and the Ghost (1977年)でも1曲美声を聴かせてくれてます。ちなみに前出「1971-72」のブックレットには、ジェネシスファミリーの作品に多数参加していると記載があります。
その他、私の手持ちのアルバムでは、Vapour Trailsの1979年の同名作品にもVivの名前が見てとれます。そうそう、John McBurnie, Andy Dalbyの名前もあります!
Sonja Kristina風の女声ボーカルですが、残念ながらWardとの共演作品は発見できてません。→ガールフレンドだったそうです
引き続き、この時期の音源について捜索してみます


■ Downtime (1989年)/Peter Blegvad
元Slapp HappyのPeter Blegvadのソロ・アルバムです。味わい深い作品です。
Andy WardがBellを担当した曲(朗読)が1曲あります。


■ Stan Campbell (1987年)/Stan Campbell
The Special AKAのボーカリストStan Campbellのソロ作ですが、ジャケ裏には、Andy DalbyとAndy Wardの名前を見ることができる。

Skaboosh! (1987-88)

バイオリニストのAnthony Aldridgeのバンドのようで、アルバムFreetown (1988年)が出ています。
元Caravanの主要メンバーにしてCamelにも一時期在籍したRichard Sinclairの参加もあって、このアルバム結構知名度があるみたいですが、Sinclairはベースだけでボーカルはとってないんです。もともとは別 の人がベースを弾いてたのですが脱退し、WardがSkabooshにさそったようです。まあ、Anthony Aldridge (violin,vo)とBen Grove (g,vo)の2人だけの写真があるので、他の人は準メンバー扱いなのでしょうか?
音のほうは、ハード・バイオリン・ロックとでも言いましょうか?けっこうオリジナリティがあって良いですね。ちょっとファンキーなダミ声ボーカルもたまには良いかもしれません。
Andy Wardの写真は頬がこけ目は血走っていて、いかにもアルコール中毒ですってかんじで心配になりました。
Anthony Aldridgeとは、その後も各所で結構共演してます。
★参考: Anthony Aldridgeとの共演作
Vast Empty Spaces (1994年)/Todd Dillingham
Sprawl (1994年)/Bevis Frond
Sgt.Kipper (1995年)/Todd Dillingham

 
■ Freetown (1988年)/Anthony Aldridges' SKaBoosh!
ハード・バイオリンロック? なぜか、Andy WardとR.Sinclairが参加してます。ダミ声Voとアンビエントな最後の1曲以外はお薦めです。
右はCDのジャケットです。


Mark Hewins' FF (1990)

Mark Hewinsは、カンタベリーシーンのジャズ系ギタリスト。後期SoftHeapのほか、1999年にはGongにも参加したようです。
ipernityに彼が投稿した記事によれば、FFのライブ音源があるそうですが、収録音盤があるのかまでは確認できていません。
カンタベリーシーンの様々なミュージシャンが緩~く繋がったバンドのようで、Mark Hewins, Elton Dean, Andy Ward, Colin Bass, Peter Blegvadなど多数の参加者がいたようです。


Going Going (1990)

Gongの前座として結成したのでGoing Goingと命名したみたいな記事をどこかで読んだ記憶があります。
メンバーは、Richard Sinclair, Andy Ward, Mark Hewins, Hugh Hopperの4人です。
わずか4回の公演で消滅したGoing Goingですが、この人脈からCaravan Of Dreamsが派生したようです。


■ Park on a Land of Warm and Green/Going Going & Caravan  -boot-
1990年ロンドンのライブを収めたオーディエンス録音のブートCDです。
CaravanやSinclairの曲のほか、Soft Machineのhope for happinessやWe did it againなんかを演ってますが、結構ヘビーにきめてくれてます。

Caravan Of Dreams (1991-94) /  R.S.V.P (1994-96)

Caravan of Dreamsのライナーの記述によれば、発端はAndy WardがRichard Sinclairに架けた電話だったようです。
メンバーは当初、Going Goingの面子を母体に、Richard Sinclairを中心としてAndy Ward, Mark Hewinsの3人でスタート。R.S.V.P.も含めてスタジオ盤2枚、ライブ盤を2枚を残してくれています。
アルバムCaravan of Dreamsは春の朝日のような爽やかポップ、R.S.V.P. (Kit Watkinsも参加!)はジャズ調と、各盤ごとに趣に違いがありますが、いずれもSinclairらしさが溢れ味わい深くお薦めです。
個人的には、Carava of DreamsとLive Trackの2枚が気に入っています。ほんとはRichard Sinclairには、もっと軽快なタッチのドラマーの方が合うような気がしないでもないのですが、Wardとの組み合わせもなかなかかと思います。
ちなみに、2004年春、Richard SinclairはWardらと共に、ロンドンほかでライブを行いました。Camel時代からの長いおつきあいです。



■ Caravan of Dreams (1992年)/Richard Sinclairs' Caravan of Dreams
90年代前半はSinclairのアルバムに参加して、ライブもこなしてたようです。
爽やかな好作品です。なお、私所有のCDジャケは再発のものです。


■ An Evening of Magic( 1993年)/Richard Sinclairs' Caravan of Dreams
ライブ盤です。
grey and pinkをWardが叩いている姿を想像しただけで嬉しいです。


■ R.S.V.P. (1994年)/Richard Sinclair
前作同様のさわやかボーカル曲に加えて、ジャジーなインスト曲で構成。お洒落でかっこいい作品に仕上がってます。Wardのドラムもなかなか良いかと思います。


■ Live Tracks (2002年)/Richard Sinclair
93~96年のGig。どれもすばらしい歌・演奏です。
Wardは93年の1曲に効果音(?)で参加。ボーナスのDown on the Farmにびっくり!

Todd Dillingham(1991-1994)

Todd Dillinghamはサイケポップ系のミュージシャンのようです。
アルバムWild Canterbury Dreamのジャケットには、With Andy Wardとか、With Richard Sinclairと大きく入っています。どこかのSiteで読んだけど、たまたまスタジオでCaravan of Dreamsと隣あわせだっただけとか。
Wardは、このSgt.KipperでYukio Yungと共演し、Peter Bardensらと結成したバンドMirageを経て、その後はYungのアルバムに参加していくこととなります。



■ Art into Dust (1991年)/Todd Dillingham
Bevis FrondのギタリストNick Salomanが参加してます。
WardのBevis Frondへの加入は1994年のSprawlからなので、このArt into Dustが縁なのでしょうか?


■ Wilde Cantebury Dream (1992年)/Todd Dillingham
60年代調サイケロックですが、私には少々退屈です。
なぜかR.Sinclairと共にWardも参加してます。ToddはBeatlesだけでなく初期Caravanファンらしいです。


■ A Dash of Haddock (1993年)/Todd Dillingham
4曲収録のEPです。付属のブックレットに、しっかりとAndy Wardの名前が見てとれます。


■ Arthur Woodcote Laughing into a Teapot (1994年)/Todd Dillingham
5曲収録のEPです。Yukio YungやPeter GilesらとともにAndy Wardが参加しています。


■ Vast Empty Spaces (1994年)/Todd Dillingham
SKaBooshのAnthony AldridgeらとともにWardも参加しています。サイケとプログレが未分化な初期フロイド調のロックです。


■ Radio Session (1994年)/Todd Dillingham
クレジットは無いのですが、Wardのドラムらしき曲が数曲収録されています。
仮にWardでないとしても、ANDYTODDLYという曲が収録されてるので、Ward関連としてここに掲載します。


■ Sgt.Kipper (1995年)/Todd Dillingham
ビートルズかと思えば、サイモンとガーファンクルのI am a Rockのパロディー曲があるなど、シャレが効いたアルバムで楽しめます。WardのほかにAnthony Aldridge, Yukio Yungも参加してます。
なぜか4曲目のタイトルがWho's Calling Andy Ward?


■ Astral Whelks (1995年)/Todd Dillingham
Sgt.Kipper同様にサイケ・ポップ調のアルバムです。メンバーもほぼ同様ですが、若干実験的な曲もあったりします。


■ The Twelve Breams of Dr. Sardine & Us (1996年)/Todd Dillingham
4曲入りEPです。Side Aの1曲目Wondering Out LoudにAndy Wardの名前があります。

Mirage関係

1992年の再結成Camelのコンサートを見て感激したAndy Wardが、Pete BardensやCaravanの残党と結成した合体バンドです。ライブアルバムでは、Camel & Caravanの代表曲を演奏しています。ただ、Wardのオフィシャルサイトにも少し記述があるのですが、Caravan組との連携は皆無で、バンドと してのまとまりに欠ける印象です。
その後、Ward, Caravan組抜きの編成になり、Pete Bardens' Mirageと衣替えしライブ1枚を出しますが、これもすぐに解散することに。ただ、ギターのSteve Adamsとは、その後も交流が続いていた様でして、1999年にはSteve Adamsの2nd アルバムVertigoにWardが全面参加しており、なんとLunar Seaも収録してます。



■ Live 14th December 1994 (1995)年/Mirage
元Camel&Caravanのメンバーの合体バンド。
Wardの他は、Peter Bardens, Rick Biddulph, Jimmy Hastings, Pye Hastings, David Sinclair, Steve Adamsと布陣は豪華なのですが、いかんせんボーカルが弱いのが致命的です。


■ Vertigo (1999年)/Steve Adams
MirageのギタリストSteve Adamsのソロ・アルバムです。もともとはPete Bardens人脈のようで、Bardensのソロ作Further Than You Know (1993年)、Big Sky (1994年)でギターを担当しています。
Wardのハイハットやシンバルがクリアに聞こえ嬉しいです。Lunar Seaなどプログレしてます。
右のジャケ写真は2005年リマスター再発盤で、ボーナス・ トラック2曲を収録しています。

Yukio Yung (1995-1999) & R.Stevie Moore

■ Yukio Yung


ブリティッシュサイケポップのギタリスト&シンガーTerry Burrowsの別名です。何でも大変な日本通とか。それでもって、日本名Yukioを別立てのステージネームとして使っているらしいです。その筋では結 構知られたミュージシャンらしく、日本語で検索してもちらほら引っかかります。
かつては日本語公式サイトがあったのですが、今は消滅しているみたいでリンク切れてました。
前述の通り、Andy WardとはTodd DillinghamのSgt.Kipper (1995年)のレコーディングあたりが最初の接点だったみたいです。
また、コンビュータ関係のライターをしているとの記事を見つけました。真偽のほどは確認できていませんが、確かに AmazonでTerry Burrowsを検索してみると、コンピュータの解説本や楽器演奏の教則本が相当数リストアップされます。

■ R.Stevie Moore


資料によれば、Mooreの父親はナッシュビルの有名セッションベースプレーヤーだったらしい。そうした家庭環境の影響か、Moore自身も10代の頃か ら音楽活動に取り組むようになり、自宅でカセットテープに自演の音楽をとりため販売していたとのことだ。現在はホームページを立ち上げ、膨大な作品群(カ セットテープ、LP、CD-R、ビデオテープ)を通信販売しています。いわゆる宅録界のパイオニアみたいなミュージシャンのようです。
Mooreの基本は、60年代サイケポップロックのようなのですが、時に前衛的、時にギャグに走ったりしていて、ひとすじなわではいきません。
Andy Ward絡みでは、1997年のアルバムObjectivityが初出のようです。また、2004年のConscientious Objectorにも、2曲についてWardの名前がクレジットされていますが、いずれもdrum samples by Andy Wardの記載なので実際の演奏ではないみたいです。


■ Play Rock Guitar (1995年)/Terry Burrows
Yukio yung ことTerry Burrowsのギター教則本です。CD付きで、ドラムはAndy Wardとクレジットがあります。


■ (Mostly) Water (1996年)/Yukio Yung
4曲入りミニアルバム。中期Beatles影響大な良質のブリテッシュ・ポップロックです。もろにI Feel Fineといったアレンジもあるけど、曲が良いので許せます。Todd Dillinghamも参加してます。


■ Yukio Yung + Hello Pulsing Vein (1997年)/Yukio Yung
ちょっと小さめのミニサイズLPでした。サイケポップですけど、Wardのドラムが格好イイですね。


■ The Baby's Head (1997年)/CHRYS & THEMUMS
Yukio Yungのバンドのようです。やはりBeatles調のポップサイケロックです。全曲Wardのドラムで、1曲Todd Dillinghamがギターで参加してます。


■ 1000 Tiny Pieces (1997年)/CHRYS & THEMUMS
前出のThe Baby's Headからの2曲を含む計4曲を収録したミニ・アルバムです。The Baby's HeadのヴァージョンとはMix違いのようです。


■ Objectivity (1997年)/Yukio Yung & R. Stevie Moore
CD-Rに家庭用インクジェットプリンターのジャケットと、悲しいくらいチープな装丁です。音はサイケ調のロックですが、結構骨太な一面も感じさせます。収録7曲中4曲のドラムをWardが担当しています。


■ Conscientious Objector (2004年)/R.Stevie Moore
CD-R2枚組のアウトテイク集のようです。Wardは2曲に名前がありますが、"drum samples by Andy Ward"の表示で実際の演奏はないみたいです。


■ The Yung and Moore Show (2004年)/Yukio Yung & R.Stevie Moore
既発曲のRe-Mix集のようです。中期Beatles調のサイケ・ポップで、結構楽しめます。
右のジャケ写真は、2006年に発売されたもので、デジパック仕様となっています。


■ The Shari Elf Tribute Album (2004年)
Yung and Mooreの演奏によるI'm Taking Your Stuffという曲を収録していますが、前出のThe Yung and Moore Showのと同一ヴァージョンのようです。


■ Unpopular Singer Vol 6 (2006年)/R.Stevie Moore
2000~2006年の作品を収録しているCD-R2枚組のベスト盤ですが、あいかわらずジャケがショボイです。


■ Once and for All (2013年)/R. Stevie Moore
ドイツのレーベルから2013年に発売されたデジパックCDです。前出のアルバムThe Yung and Moore Showの1曲Schwann Catalogを収録しています。


■ Family Yung (2022年)/Yukio Yung & Louis Burrows
Yungとその息子Louis Burrowsによる新譜ですが、内3曲でAndy Wardがドラムを務めています。これまで同様にポップな歌モノが多いのですが、プログレ寄りのインスト曲もあり、びっくりさせられます。

Hugh Hopper

言わずと知れた、Wilde Flowersのメンバーにして、そこからCaravanとともに派生したSoft Machineの元メンバーです。
WardとはGoing Goingをはじめいろいろなバンドで共演していますが、Hopper自身のソロ作品へWardが参加したものがあります。2003年のアルバムIn Dubious Mannerに、1曲だけAndy Wardが参加しています。ただ、ずいぶんとアヴァンギャルドで正直聴くのが辛いアルバムです。
WardのサイトのDiscograpyには、Hopperとの共演アルバムのリリースが予告されています。
別のインタビューを読むと、以前発売されたLisa S. Klossnerとのアンビエント歌謡(?)のアルバムのMIDI部分をWardのドラムに差し替えたもののようです。
また、Hopperの関係サイトを見ると、4曲のレコーディング(1. Old Chrome Moon, 2. Touched, 3. Except, 4. If No Enemy)にWardも参加しているようです。


■ Canterbury Tales (2000年)
カンタベリー・シーンの貴重音源などを集めた3枚組コンピ盤です。3枚目の8曲目がHugh HopperのOld Chrome MoonでWardが参加しています。この曲はAndy Wardのベスト盤 Sticking Aroundにも収録されています。


■ In Dubious Manner (2003年)/Hopper & Whitfield
私の知識ではこの作品がいかなるジャンルのものか説明できません。アヴァンギャルド?
WardはOld Chrome Moonという曲に参加しています。

Bevis Frond (1994-2003)

Bevis Frond、結構有名でしょう!
いわゆるサイケデリックロックですが、最近のアルバムはポップ色が強まっています。
Nick Saloman(写真中央)はマルチプレーヤーで、ギターだけでなくボーカル、キーボード、ベース、ドラムもこなし、多重録音によってBevis Frondの作品を仕上げて発表していたようです。
そして、Todd  Dillinghamを介して、Andy WardとSalomanは知り合い、1994年には元HawkwindのAdrian Shawらと共に、アルバムSprawlを仕上げました。歪みながらも泣きのサイケギターに、Wardの強力ドラムが炸裂する素晴らしい作品です。個人的 には、Camel脱退後のWard関連アルバム中では、一番のお気に入りです。
その後、正式に、Nick Saloman, Ade Shaw, Andy Wardのトリオ体制となり、Superseeder (1995年)、Live at the Great American Music Hall ,San Francisco (1998年), Valedictory Songs (2000年)を発表するも、残念ながら2002年のWhat Did for the Dinosaursをもって脱退しました。
Wardのサイトによると、長いツアーでの不規則な生活には健康面で不安があるとのこと。ただ、音楽活動そのものからのリタイヤではないことは、2004年3月のRichard Sinclairとのライブ共演で明らかになり一安心しました。
Bevisへの参加は、結果としてWardの音楽活動の幅を広げることとなり、Saloman, Ade Shawだけでなく、様々なジャンルの優れたミュージシャンとの交流が図られました。


■ Sprawl (1994年)/Bevis Frond
2枚組LPです。熱くワイルドにサイケしてます。Wardのドラムが炸裂しカッコいい!歌心を忘れないNick Saloman侮り難し。お薦めです。


■ Superseeder (1995年)/Bevis Frond
前作Sprawlと同一路線ですが、ちょっと地味かな?でも純粋なサイケロック・ファンにはSprawlよりもこちらの方が気にいるかも。


■ Dolly Bug (1995年)/Bevis Frond
前出のSuperseeder収録のDolly Bug、裏面に未発表音源のGreen Park Saturdayを収めたEPです。
ただしGreen Park SaturdayはSalomanの一人演奏のようです。


■ Live at The Great American Music Hall, San Francisco (1998年)/Bevis Frond
結構POPな面も感じさせますが、こちらのLive盤もなかなかです。no overdubbingのクレジットは彼等のプライドか。


■ Vavona Burr (1999年)/Bevis Frond
Bevis Frond名義だが、Nick Salomanの1人多重録音による作品となっている。(一部Country Joe McDonaldが参加)
Wardの参加はないようだが、Thanks to:のクレジットに名を連ねている。


■ Valedictory Songs (2000年)/Bevis Frond
Bevis Frondといえば初期FloydやHawks調のサイケ系と言われてますが、この作品は哀愁ギターロックでした。
とはいえSprawlの次くらいに好きな作品です。


■ What Did for the Dinosaurs (2002年)/Bevis Frond
Valedictory Songsと同一路線の哀愁ギター・ロックです。少し洗練されてきたのが良いのか悪いのか判断に迷うとこ?
Nick Salomanの娘がボーカルで参加しています。


■ The Long Stuff (2023年)/Bevis Frond
2002年に110枚限定CDとしてリリースされたTHE LONG STUFF中の曲や、未発表曲など9テイクを納めた2枚組です。
WardはCD1最終曲のNever Fogotten (1995年録音)に、ドラム参加している。

<関連作品>

■ Send (1996年)/Psychomuzak
Dean Carter (g)のアンビエントミュージック・アルバム。David Cross, Al Jenkins らと共にWardも参加している。
なお、BevisのSprawlのvoにDean Carterの名前がある。


■ Martian Saints (1996年)/Mary Lou Lord
NirvanaのKurt Cobainとも交流があったという女性シンガー・ソング・ライターの5曲入りミニ・アルバムです。
何と、Bevis Frondがバックを務めてます。


■ Lights are Changing (2002年)/Mary Lou Lord
Mary Lou Lordのベスト・アルバムで、前出のMartian Saintsから3曲収録されています。この内、Salem '76という曲でWardがドラムを担当しています。


■ KFJC 89.7FM Live from the Devil's Triangles (1998年)
米国のFM放送局への寄付金に対するGift CD。11バンドのライブを収録しており、内1曲がBevis Frond。12分をこえるサイケなハード・ロックです。


■ PTOLEMAIC TERRASCOPE no. 25 (1998年)/Country Joe McDonald & The Bevis Frond
サイケ音楽紙PTOLEMAIC TERRASCOPE no. 25の付録CDです。
ライブアルバムEat Flowers and Kiss Babies中の1曲が収録されています。


■ Eat Flowers and Kiss Babies (1999年)/Country Joe McDonald & The Bevis Frond
なんとCountry Joe McDonaldのバックをBevis Frondがつとめたライブ・アルバムです。軽く流してるようでもきめるべきところは全てばっちりで、息の合った歌と演奏です。


■ Have Left The Planet (1999年)/Deviants
Mick Farrenの老舗バンドですが、1995年のLive2曲でAde Shawと共に参加してます。FloydのMoney風の曲などBritish Hardなサイケしてます。


■ Have Left The Planet (1999年)/Deviants
Mick Farrenの老舗バンドですが、1995年のLive2曲でAde Shawと共に参加してます。FloydのMoney風の曲などBritish Hardなサイケしてます。


■ Acid Jam 2 (2000年)
Bevis FrondのSalomanらの激しいセッションを納めたアルバムです。Wardは元High TideのギタリストTony Hillをサポートし2曲参加しており、パワフルなBritish Hard Rockを堪能できます。


■ Inexactness (2001年)/Tony Hill
元High TideのギタリストTony HillをBevis Frondがサポートしている。古き良き時代のBritish Hard Rockだが、violinをフューチャーし、どこか哀感も感じさせる。


■ Further Adventures of the Telepathic Exploreres (2003年)
サイケ系バンドのコンピアルバムです。Anton Barbeauの1曲でバックをBevis Frondが務めています。Bevis Frond名義が1曲ありますが、こちらはNick Salomanの1人演奏でした。


■ Tea for the Hydra (1996年)/Adrian Shaw
元Hawkwind、現Bevis Frondのベーシストのソロアルバム。Pink FloydやHawkwindを思わせるところがチラホラ。WardはNick Salomanと共に1曲だけ参加しています。


■ King of Missouri (2003年)/Anton Barbeau
明るくのびやかな声、親しみやすいメロディーとなかなかのポップソングシンガーです。演奏はBevis Frondが担当。ラストの曲でのSalomanのギターが泣かせます。
右のジャケ写真は、2005年に発売された再発盤で、1曲未発表曲が収録されています。


■ WARONZOW Sampler
タイトルどおりWORONZOWレーベルのサンプル盤です。Ward絡みはEat Flowers and Kiss BabiesとLive at The Great American Music Hall, San Franciscoから各1曲を収録しています。


■ In Search of Syd (2007年)
英音楽誌MOJOのコンピ盤で、シド・バレットから影響を受けているバンドの曲を収録している。Soft MachineやHawkwindらに混じって、Bevis FrondのアルバムValedictory Songsの曲、Portobello Manを収録している。


■ Empire of Potential (2011年)/Anton Barbeau
Anton Barbeauのベスト・アルバムです。
9曲目のOctagon(アルバムKing Of Missouriより)のバックをBevis Frondが担当している。

最近の動向

Andy Ward Best Album 発売 〜Sticking Around〜

2003年11月、思いもしなかったAndy Wardのベストアルバム"Stiking Aroundが発売されました。
レーベル名がなく、andywardmusic.comの表記のみでしたので、限り無く自主製作に近いのでしょう。ただ、CD mastered by Adrian Shawとの記載があるので、おそらく、Woronzowの協力で作成されたと推察しています。
番号がAWM001となってます。AWMはAndy Ward Musicでしょうから、続編が出ると嬉しいのですが !
ジャケ写真はオフィシャルHPにあるものだけです。記載されてる情報も、曲名とバンド名、そのメンバーくらいです。豪華ブックレット付きならいいなぁと思ってたので、その点だけちょっとガッカリ。
さて、中味ですが、Camel脱退後の主要参加アルバムからの抜粋によるベストアルバムとなっています。目玉は、最終曲のドラムソロで、なんとCamel在籍時1979年のライブです。
サイケ系のミュージシャンと行動をともにすることが多かったようですが、どんな曲でも格好良さには、いささかも変わりありません。ただ、Caravan of DreamsかR.S.V.P.の曲を入れて欲しかった!

1. Gone - CHRYS&THEMUMS (Burrows)
2. Godsent - BEVIS FROND (Saloman)
3. Maiden Voyage - STEVE ADAMS BAND (Adams)
4. Old Chrome Moon - HUGH HOPPER (Hopper, Tate)
5. Sylvia Something - ANTON BARBEAU (Barbeau)
6. High On A Downer - BEVIS FROND (Saloman)
7. Fanfare - SKABOOSH (Aldridge)
8. There Are No Bicycles On My Farm - CHRYS&THEMUMS (Burrows)
9. Them Zeppelins - YUKYO YUNG (Burrows)
10. Look Back - HUGH HOPPER/LISA KLOSSNER (Hopper, Klossner)
11. Sticking Around - CAMEL (Ward)


Richard Sinclair Band

Bevis Frondを脱退し、Andy Wardは、音楽活動はリタイヤかと思っていたら、2004年4月に、なんとRichard Sinclairと行動を共にし、London等でミニライブを演ってくれました。
Dave Sinclairの名前もありました。

■2004.4.17 /London. UK
Richard Sinclair, Theo Travis, Phil Miller, Alex Maguire,
Guests: Jonathan Coe, Andy Ward, Dave Sinclair, Mark Hewins

■2004.4.24&25 /Portugal
Richard Sinclair, Theo Travis and Andy Ward.


Brew -Andy Latimer, Doug Ferguson, Andy Ward

前述のとおりBrewはCamelの前身バンドです。
なんと2003年再結成!
Curriculum VitaeでAndy Latimer, Doug Ferguson, Andy Wardの3人による練習風景を見ることができます。
渋~いブルースロックのようですね。
2004年早々にはアルバム発売とのアナウンスだったのですが、思い出話に花が咲過ぎて、どうやらまだ仕上がってないとのこと。
ようやく7月末になって、ジャムセッションの音源1曲がキャメル・プロダクションのサイトにアップされました。
タイトルはLeft Luggage。
できればLiveもやってくんないかなぁって言ってたら、2004年11月、Camelお宝映像DVDのCamel Footageのボーナストラックで、Left LuggageのJam映像が収録されました。楽しそうですよぉ~

Misty RomansでのバンドメイトだったWardをBrewのドラマーにと推薦したのはDougでした。
しかし、前述のCurriculum Vitaeによると、テクニカル指向のWardは、Latimerに自分を取るかDougを取るのか迫り、結局新しいベーシストを迎えることとなったのだそうです。
一番親しいLatimerがDougにクビを告げる役となったとのことです。
結局、この3人、わだかまりがとけるのには、20年以上の時がかかった訳です。
今こうして一緒に演奏する姿を目の当たりにすると、ずいぶんと感じ入るものがあります。

R.I.P.PIP PYLE

Hatfield and the North, National Healthのドラマーとして、カンタベリー・シーンで活躍していたPip Pyleが、2006年8月28日に亡くなりました。
カンタベリー・ミュージックの総本山的サイトのCalyxにもR.I.P. PIP PYLEのコーナーが設けられています。
いくつか写真が掲載されていますが、Andy WardやDave Sinclairが見てとれます。
写真: John Greaves, Peter Blegvad and Andy Ward/Calyxより


Family Yung

2022年5月に発売された、Yukio Yungの新譜に、なんとAndy Wardの名前がクレジットされていました。
別ページでも書いたように、Yukio Yung (Terry Burrows)とは、90年代後半において行動をともにしていたのですが、久しぶりの共演で、内3曲でWardがドラムを担当しています。Bevis Frond脱退後は、目立った活動も伝えられることもなかったWardですので、嬉しいニュースとなりました。
アルバムの方は、Yungと、彼の息子Louis Burrowsの共作なのですが、従前のポップな歌物に加えて、かなりプログレ寄りのインスト曲もあり、驚かされます。
bandcampで、試聴、購入できます。