Peter Bardens

Camelのオリジナル・メンバーにて、key担当。
活動歴は60年代はじめにまで遡り、ブリティッシュ・ロックの重鎮たちとの交流も多々ある。
残念ながら、2002年死去した。

Anthology


■ Write My Name in the Dust-The Anthology 1963-2002 (2005年)/Peter Bardens
2005年に発売されたPeter Bardensのアンソロジー2枚組だ。
Camelから3曲、遺作となったThe Art Of Levitationから3曲のほか、Cheynesから1曲(Respectable)、 Peter B's LoonersのOuttakeを3曲(Soul Dressing、If You Want To Be Happy、Outrage)、Shotgun Expressから1曲(Indian Thing)、Villageから2曲(Man In The Moon、Long Time Coming)、更には1st & 2ndソロ作品を全曲、加えて1st時のouttakeであるLong Ago, Far Awayを収録とCamel前史に手厚い選曲で貴重!


■ Long Ago, Far Away-The Recording  1969-1971 (2022年)/Peter Bardens
2022年に発売されたPeter Bardensの初期曲集だ。
注目は、新たなリマスター処理とフランス盤シングルのHomage to the God of Light収録だが、前掲のThe Anthologyと比べるとShotgun Express時代の曲がなく、その点が残念だ。

キャリア初期 (1962年〜1970年)

Pete Bardensの初期バンド歴を調べてみると概ね次のようになる。
・1962年に、Ray Davies(その後Kinksを結成)やDave Ambroseらと、Hamilton King's Blues Messengersで活動する。
・1963年にはMick FleetwoodらとThe Cheynesを結成し、1965年までで3枚のシングルを残した。
・同年、Van Morrison擁するThemに加入し、1stアルバムの制作に参画。
・Them脱退後は、Peter B's Loonersを結成し、シングル1枚をリリースした。ここでは、Mick
Fleetwood、Peter Greenが顔を揃えることとなる。
・その後、1966年には、ボーカルにBeryl MarsdenとRod Stewartを配して、バンドはShotgun Expressへと変遷していったが、シングル2枚の発表にとどまり1967年に解散する。
・同年、Pete BardensはLove Affairのサポートに参画、Mick FleetwoodとPeter Greenは色々あれどThe Fleetwood Macの結成に至る。
・Pete Bardensは、1968年にはBruce Thomas、Willie WilsonとVillageを結成し、1年程度の活動期間中、シングル1枚をリリースし解散する。

※左から、The Cheynes、Them、Peter B’s Looners、Shotgun Express、Village


■ Write My Name in the Dust-The Anthology 1963-2002 (2005年)/Peter Bardens ※再掲
2005年に発売されたPeter Bardensのアンソロジー2枚組だ。
Camelから3曲、遺作となったThe Art Of Levitationから3曲のほか、Cheynesから1曲、 Peter B's LoonersのOuttakeを3曲、Shotgun Expressから1曲(Indian Thing)、Villageから2曲、更には1st & 2ndソロ作品を全曲、加えて1st時のouttakeであるLong Ago, Far Awayを収録とCamel前史に手厚い選曲で貴重!


■ The Fleetwood Mac Family Album (1996年)
1965年のCheynesの曲Respectable、Pete B's LoonersのIf You Wanna Be Happyが収録されている。
Mick Fleetwoodは、Mac設立前には、Cheynes、Pete B's Looners、Shotgun Express等々を渡り歩いており、Bardensとは古くからの親友である。


■ Nowhere Men - Rare British Beat 64-66 / VA
ブックレットが英語でないので編集方針がわからないのだが、とにかくCheynesがリリースした3枚のシングル盤を全て収録している。リストを記せば、 Respectable、It's Gonna Happen To You、Goin' To The River、Cheyne-Re-La、Down And Out、Stop Running Aroundの6曲だ。



■ The Angry Young Them (1965年) / Them
Belfastを拠点としていたVan Morrison率いるThemのデビュー・アルバム。いかにも60年代といった感じのR&Bだが、その中で、Peterのオルガンが良い味を出 している。Patti SmithやU2もCoverしたGloriaは、このアルバム中の曲だ。


■ The Shotgun Express (1983年) / The Shotgun Express
Shotgun Expressが1966年と1967年に発売した2枚のシングル計4曲をコンパイルした7インチ・レコードで、収録曲は、A1. I Could Feel The Whole World Turn Round、A2. Curtains、B1. Funny 'Cos Neither Could I、B2. Indian Thing。
このバンド、Pete Bardens、Rod Stewart、Mick Fleetwood、Peter Greenら英国ロック界の重鎮が交錯したことから、「伝説の...」みたいな前垂れがついて紹介されることが多いのだが、音盤上では指向性が定まらず、 個人的には評価が難しいバンドと思っている。ジャケ裏に、若干の解説が印刷されている。


■ Changes: The Story of Beryl Marsden (2012年)/Beryl Marsden
リバプール出身の女性シンガーBeryl Marsdenのアンソロジー。
Shotgun Express時代の曲を2曲(I Could Feel The Whole World Turn Round、Funny 'Cos Neither Could I)収録している。ところが、Funny 'Cos Neither Could Iについては、previously unissued tracksとの記載がある。

【 ゲスト参加 ・作曲】


■ Good Mornin’ Blues (1965年) / Chris Barber
英国トラッド・ジャズの重鎮Chris Barberの2in1CDだが、お目当ては右側のアルバムGood Mornin’Bluesだ。The Great Bearという曲で、Peter Bardensのゲスト参加が裏ジャケに大きくクレジットされている。

※その他のアルバムでは、The Best of Chris Barber's Jazz Bandのブックレットを見ると、1964年のYoung Fashioned Ways (Willie Dixon)という曲に、PianoでPete Bardensの名前がクレジットされています。


■ Them (1967年) / Belfast Gypsies
元ThemのJackie McauleyとPat Mcauleyが結成したグループの1967年作だが、2003年の再発CDのボーナス曲にThe Gorillaという曲が収録されている。1967年に仏で発売されたEP中の曲だが、Pete Bardensの名前が作曲者としてクレジットされている。

 Camel結成前 (1970年〜71年)

【 ソロ作品 】


■ The Answer (1970年)/Peter Bardens
前半ブルースロック、中盤ややポップ、最後はCamel時代にも演ってたGod of Lightといった内容だ。Peter GreenのギターとBardensのオルガンのバトルが素敵だ。Love AffairのボーカリストSteve Ellisも参加している。ブルースロック、サイケ・ロック・ファン必聴 !

※こちらは米国盤のジャケです。


■ Peter Bardens (1971年)/Peter Bardens
The Answerに続くBardensの2ndソロ作品である。基本はブルーズ・ロックだが、堅気なインスト曲からポップなボーカル曲、ラグタイム的な曲ありと絞りきれずちょっと散漫な印象を受けるのが残念だ。

【 ゲスト参加・プロデュース 】


■ Those Pleasant Days (2005年)/Stefan Grossman
ラグタイム・ギターの名手Stefan Grossmanのアンソロジー。1970年のアルバムThe Ragtime Cowboy Jew中の2曲OdysseyとBye and Byeで、Pete Bardensがピアノを弾いている。両曲ともこのCDに収録されている。ブックレットにも元Them/CamelのPete Bardensと記載がある。接点は不明だが、Transatlantic Records所属の縁なのだろう。


■ Arena (1971年)/Marsupilami
音の方はイタリアン・プログレ的な混沌としたもの。フルートもふんだんなコンセプト・アルバムだが、Pete Bardensがプロデュースとパーカッションで参加している。

 Camel (1972年〜78年)


Brewとして活動していたAndrew Latimer (g)、Doug Ferguson (b)、Andy Ward (dr)の3人は、Melody Maker誌にキーボード・プレーヤー募集の広告を出すこととなった。これに応募してきたのが、ThemやShotgun Expressで活躍していたPeter Bardens だった。4人は、程なくバンド名をCamelとして活動を始めることとなった。
Pete Bardensが関わったスタジオ作品は、Camel (1973年)、Mirage (1974年)、The Snow Goose (1975年)、Moonmadness (1976年)、Rain Dances (1977年)、Breathless (1978年)の初期6作品である。

※Breathlessの制作後、Pete BardensはCamelを脱退するが、スタジオ作品では1982年のThe Single Factor、ライブ作品では1984年のPressure Points, Live In Concertにゲスト参加している。

 Camel脱退直後 (1970年代末)

【 ソロ作品 】


■ Heart to Heart (1979年)/Peter Bardens
Rain DancesやBreathlessと並べると、当時の彼のポップス指向の一面が良く見えてくる。
冒頭のJuliaをはじめ彼らしい淡い曲調のラブ・ソングは素晴らしいと思う反面、ポスト・パンク時代のエッジの立ったニュー・ウェーブとのギャップを感じていました。

【 ゲスト参加 】


■ Wavelength (1978年)/Van Morrison
Camel脱退時には、BardensはVan Morrisonのツアーに参加と伝えられた。
ポッブな曲が並び、アメリカのBillboardで28位と結構ヒットしたようだ。バックには、Bobby Tenchや同郷(Belfast)のHerbie Armstrongのほか、Heart to Heartをはじめ、その後もPete Bardens作品に参加しているPeter Van Hookeの名前がある。

※左は1978年11月1日にニューヨークのボトム・ラインで行われたラジオ番組用ライブを納めたCDのLive in New York '78です。
右はDublinとBelfastで行われたWavelength Tour (1979年)の様子を収めたDVDのIn Irelandです。移動中のバス内の映像などもあります。


■ Beware Of The Dog (1978年)/Yellow Dog
元FOXのKenny Youngがプロデュースするパワー・ポップ・バンドの2ndアルバムだ。1stはFOXのメンバーが大半であったようだが、早くもHerbie Armstrong以外のメンツが一新された上、Pete Bardens、Mo Foster、Simon Phillips、Peter Van Hooke等々と多数の腕達者系ミュージシャンがゲスト参加(?)している。


■ In The Skies (1979年)/Peter Green
Peter Greenは、ロック界を代表するギタリストのひとりだが、その軌跡を辿ると、Peter B's LoonersでMick Fleetwoodとバンド・メイトとなり、The Bluesbreakers等を経て、The Fleetwood Macの設立に至る。順風満帆に見えたが、間も無くドラッグの影響でリタイヤ状態となった。本作はそんな彼の10年ぶりの復帰作で、盟友Pete Bardensも参加している。

1980年代前半

バンドKeatsは、Alan Parsonsのプロデュースということもあり、華々しく伝えられたが、結局アルバム1枚で解散となった。
総じて80年代初めはプロデュース業がメインで、まあ、「空白期」とのイメージがする。
ただ、調べてみると、そうした中でも興味深い活動もあったようなので、改めて整理して追記していきたい。

【Keats】


■ Keats (1984年)/Kearts
プロデューサーはAlan Parsonsで、録音もアビーロード・サウンドです。Pete Bardensの曲が4曲ありますが、どれも良い。David Paton、Colin Blunstoneと「歌える」メンバーを擁し、80年代のポップ指向プログレの中では、Asiaの1stや90125Yes等と並んで出来の良い作品の 一つと思う。このメンツ、この路線で、もう2、3枚アルバム作成して欲しかった。

※2011年に紙ジャケ化で発売された上記作品の特典グッズであった非売品CD Singleです。念のため補足しますが、CD Singleなのでサイズは二回り小さいです。


【シングル盤】


■ A: Sailplane B: Breakdown and Cry (1981年) / O.B.X.  
O.B.X.なるバンドが1981年にリリースしたシングル盤だが、レーベル部にProduced by Peter Bardensとの表示がある。Discogsでスリーブの写真を確認すると、Peter BardensがOBX SYNTHESIZER、Roger Kelly (元Streetband)がボーカルとROLAND GUITAR SYNTHESIZER、Peter Van HookがLYNN DRUM COMPUTER AND SIMMONS SYN DRUMと表記されている。
A面がPete Bardensの作曲で、なかなか攻めたデジタル機器使用とアレンジのシンセ・ポップに仕上がっているのだが、例によって淡い曲調でボーカルが弱いかな。 とは言え、Heart to Heart路線を世間に合わせてチューニングした実験作のように思える。B面はRoger Kellyの作曲で、バックにギターを配したポップなロック・ボーカル曲となっている。


■ A: SOLO B: The Right Stuff (1985年) / SOLO
ジャケ裏を見ると、Peter Bardens、Steve Parr (dr)、Neale Heywood (vo,g)、Steve Cherry (b、元Straight Eight)の写真がある。A面のSOLOが淡い曲調のポップスでなかなか良い曲だ。Youtubeのコメント欄を見るとスペイン語ばかりで、どうやら南 米でヒットしたようだ。B面は打ってかわってNeale Heywoodのギターをメインに据えたカッコいいプログレチックなインスト曲。後のSpeed of Light Bandを彷彿させる。恐らくNeale Heywoodとはこれが最初期の共演かと思われる。

※左の写真はLeo SayerのBOX SETで、Pete Bardensプロデュースで1986年にリリースされたSOLOのカヴァー・シングル(A面)がボートラ収録されています。ちなみにB面はLeo Sayerの曲です。なお、セカンド・アルバムのJust a Boyにあるのは同名異曲ですのでお間違いなく。そのほか、Scialpiというイタリアの歌手のアルバム「Un Morso E Via!」(1988年)にはSOLOのイタリア語ヴァージョン(Solitario)が収録されているそうです。右の写真は、Scialpiの Solitarioが収録されているイタリアン・ポップスのコンピ盤「Top 40 Ciao Italia」です。

【作曲・プロデュース】


■ A面: On the Air Tonight、B面: After The Fall (1984年) / Willy Finlayson
Camelを脱退し、時代はNew Waveとなり、1980年代前半はプロデュース業がメインとなったBardensであったが、 1984年にWilly Finlaysonへ提供したOn the Air Tonightがヒットし、多くの歌手にカバーされた。彼らしい淡い感じの良質ホップスに仕上がっている。B面はややアップ・テンポなAfter The Fall。
私が所有しているのは、On the Air Tonightのロング・ヴァージョンを収録した、12inch Maxi Singleだ。
ご覧のとおり、レーベルは緑と赤が鮮やかなPRT (元の Pye Records)である。前掲のSOLOも含めて、他にも何作品かPRTでプロデュースを手掛けている。

※写真上段左は、Pete BardensブロデュースによるWilly Finlaysonの第二弾シングルで、A面がスコットランド民謡のThe Skye Boat Song。調べてみるとWilly FinlaysonはEdinburgh近郊Penicuik出身とのこと。B面はWilly Finlaysonの作曲でCash。ハードでソウルフルなロック・ボーカル曲となっている。
写真上段右は、Joolsの1982年作で、A面がSinging in the Rain、B面がComing on Strong。いずれもPete Bardens作曲でO.B.X.路線。メイクを施したジャケ写真も含めて気分は概ねNew Romanticなのだけど、エッジ不足のアレンジとボーカルの非力さが気になる。ところでJoolsって何者 ?
下段の2枚はいずれもColin Blunstone。左は1982年のシングル盤で、A面にスタンダード曲のTrack of My Tearsを配している。B面はColin Blunstone作曲のThe Last Goodbye。タイトルどおり物悲しいボーカル曲だ。右は翌1983年のリリースでタイトルはTouch、切なく素敵な良い曲だ。Bardensの作曲 だが、Colin BlunstoneにピッタリなAOR曲に仕上がっている。B面は何故かMel Collinsによる同曲のインスト版。曲作りが間に合わなかったのか? 一応、Andrew Latimerのクレジットもある。


■ A面: Hungry for You、B面: I Video (1981年) / Beryl Marsden : 写真左
■ Choose Life (1983年) / Sandie Shaw : 写真右
Beryl Marsdenは、1960年代にリバプールで活躍したシンガーで、前述のとおりPete BardensとはShotgun Expressでバンド・メイトであった。彼女の1981年のシングル盤Hungry for You / I Videoの作曲・プロデュースをBardensが務めている。
一方、Sandie Shawは、多くのヒット曲を生んだ60年代英国ホップス界を代表するシンガーである。アルバムChoose Lifeは、1983年にロンドンで開催された世界平和博覧会の協賛作品であった限定盤を、ジャケット新装で正式販売したもの。Pete Bardensがプロデュースしている。ハードな曲調に深くデジタルなエコーが艶っぽい。

※写真左は、Beryl MarsdenのアンソロジーChanges: The Story of Beryl Marsden (2012年)だが、ブックレットにある長尺のインタビューに、Hungry for Youについて興味深い記述がある。なんでも、街で偶然Pete Bardensと出会ったら、いきなり歌うよう頼まれたのだとか。彼女曰く、曲がBlondieみたいで自分らしくないと思ったけど、昔のよしみで引き受 けたようだ。ちなみに、盤のレーベル部を見ると、Hungry for YouはMike Howlett (元Gong、Straight Eightの2ndアルバムのプロデューサー)との共同プロデュース、I Videoの作曲はRoger Kellyとの共作と記されている。このあたりも当時のBardensの交友関係が透けて見える。
写真右はSandie ShawのアンソロジーNothing Comes Easy (2004年)で、アルバムChoose Lifeからはデモ・ヴァージョンを含む3曲が収録されている。実は、Sandie ShawはBeryl Marsdenと知り合いで、同じ瞑想集会に参加する仲なのだとか。写真下段はSandie ShawのアルバムHello Angel(1988年作)で、Beryl Marsdenがゲスト参加している。Sandie ShawとPete Bardensの接点は、Beryl Marsdenを介してのものではないかと推察している。


写真左は、Captain SensibleことRaymond Ian Burns (The Damnedのギタリスト)の4曲入り12 inch盤で1985年作。A面のCome on DownのプロデュースをBardensが担当している。The Damnedと言えばパンクの祖として語られるが、こちらはコミカルでご機嫌なパワー・ポップに仕上がっている。最後はギターがWalk don't Runになっちゃう破天荒さ。 (笑
これも接点がわからない?
写真右のシングル盤はBobby Tenchの1982年リリースで、A面にSam Cookeのヒット曲Chain Gangを、B面にはBardensとBobby Tenchの共作Looking for a Good Timeを収録している。プロデュースはPete Bardens。B面はコテコテのブルーズ・ロックで60年代に戻ったよう。

アメリカ移住後

【ニュー・エイジ・ミュージック】

さて、Pete Bardensはキャピトル・レコードとの契約を得たのを契機にアメリカ・マリブへ移住したようです。
この頃には、Windham HillやPrivate Musicなどから、インスト指向のヒーリング的なアルバムが次々とリリースされ、New Age Musicと総称されました。

■ Seen One Earth (1987年)/Peter Bardens
いきなりニュー・エイジ・ミュージックになってしまいビックリしました。宇宙をテーマとした心象風景的な楽曲が並んでいる。そんな中で、ギターがよく泣く バンド的な曲「In Dreams」が良い。MTVでヒットしたようだ。ギターは、オーストラリアのバンドWendy & The RockettsのAdrian Dessentが務めている。

※DJ Dagの「20 Years of DJ Madness」 (2005年)というCDですが、Disc2の7曲目に、Peter BardensのIn Dreams (high Velocity Mix) を収録しています。


■ Speed of Light (1988年)/Peter Bardens
前作より音に厚みが出てきてスケールアップしている。
当時はニュー・エイジものが乱発され食傷気味だったが、これはロック的な爽快感があって結構気に入って良く聴いていた。

※アルバムSpeed of the Lightに収録されているWhisper in the WindとそのRemixヴァージョンを収録しているPromo盤CDです。


■ White Magic (1989年)/Peter Bardens Speed of Light Band
Warren Millerの同名スキー映画のサントラだ。 ロック・バンド的ニュー・エイジ・ミュージックと言ったところか。1曲だけAndrew Latimerがバック・ボーカルで参加している。

※私が購入したのは、カセット・テープです。右の写真は、Warren Millerのサイトですが、ここで一部視聴できます。


■ Water Colors (1991年)/Peter Bardens
ニュー・エイジ系のMiramar Recordingsに移籍となった。結構、印象的な曲がある。気分が滅入った時には、3曲目のA Higher Groundを景気づけに聴いていた。Neale Heywoodのギターがよく泣く良い曲だ。
Video版より1曲多いほか曲順が異なっている。

※映像版の方は、海、河、滝と水尽くしの「環境ビデオ」でまさにWater Colorsです。LDも出てましたが私はVideoで入手しました。右は2005年にジャケット新装で出されたDVDです。

【1990年代初めのソロ作品】

Water Colors後のソロ作品はHeart to Heartの頃の作風に近いように思います。この心境変化の要因がどこにあるのか、今の私には上手く分析できていません。

■ Further Than You Know (1993年)/Peter Bardens
引き続きMiramarからのリリースだが、Heart to Heartの頃のようなAORチックなボーカル曲が混じっている。女声が入る曲は華やかでいいのだけど、Pete Bardensがボーカルだと、ちょっと地味に感じてしまう。ギタリストは、Speed of Light BandのNeale Heywoodに加えてSteve Adamsが参加している。


■ Big Sky (1994年)/Peter Bardens
英国HTD Recordsからリリース。クレジットを見ると、Mick FleetwoodやSteve Adams、Neale Heywoodの名前がある中、1曲だけ、Andrew Latimerがvoで参加している。
前作と比べて更にAORチックなボーカル曲が増えたが、バンド的でキャッチーなインスト曲もあり楽しめる。

※私が持ってるのは日本盤でして、「The Yuki Dance」と「Bump 'n' Grind」の2曲がボーナス・トラックとして追加されています。

【Mirage】

Camelの再結成に刺激を受けたことは間違い無いだろうとは思うのですが、ちょっと覚悟の差を感じている私です。

■ Live 14th December 1994 (1995年)/Mirage
元CamelのPete Bardens、Andy Ward、元CaravanのDavid Sinclair、Jimmy Hastings、Pye Hastings、ギターにカンタベリー・シーンで活躍していたRick Biddulph、更にはBardensとの共演歴があるSteve Adamsからなる合体バンド。メンツは豪華だが、ちょっと眠い演奏。ヤケクソ気味のFree Fallにおもわず苦笑。


■ Supper's Ready (1995年)/Mirage
magna cartaのアーティストに交じって、Mirageがジェネシス・トリビュートに参加している。
ボーカルにNick D'Virgilioを迎えて、曲はMany Too Many、これがなかなか良い出来だ。このアルバム、なぜかRichard Sinclairも1曲参加している。


■ Live Germany 1996 (1997年)/Pete Bardens'Mirage
Andy WardやCaravan組は抜けて、PeteとSteve Adams中心のバンドにかわったようだ。Camelの曲とソロ・アルバムからの曲を半々演っている。まずまずなんだけど、少し躍動感に欠けるのが残念。

※ちなみに、Steve Adamsは、1999年頃Andy Wardとバンドを組み、Vertigoというアルバムをリリースします。

【遺作】

早すぎる逝去にショックを受けました。このアルバムについては、別途語ってみたいと思っています。

■ The Art of Levitation (2002年)/Peter Bardens
盟友Mick FleetwoodをExective producerに迎えて制作された。その甲斐あってか、ややもすればこれまで見られた、ボーカル曲とインスト曲の肌合い違い感が解消されている。タイトルどおり、陰りのある「浮遊感」でアルバムが統一されている。
Pete Bardensは残念ながら癌のため同年死去となり、この作品が遺作となった。お嬢さんのTallulahさんがボーカルを務めたSpirit of the Waterの新録ヴァージョンが涙を誘う。

 Appearances on Releases by other Artists

キャリア初期からの旧友ミュージャン達のアルバムやアンソロジー盤などで、Peter Bardens関連音源を収録しているものを集めてみました。

【Mick Fleetwood、Peter Green関連】


■ The Fleetwood Mac Family Album (1996年) ※再掲
1965年のCheynesの曲Respectable、Pete B's LoonersのIf You Wanna Be Happyが収録されている。
Mick Fleetwoodは、Mac設立前には、Cheynes、Pete B's Looners、Shotgun Express等々を渡り歩いており、Bardensとは古くからの親友だ。


■ Show-Biz Blues 1968 to 1970 Volume 2 (2002年)
The Fleetwood Mac関連未発表曲集。Peter B's Loonersについては、3曲(Soul Dressing、If You Want To Be Happy、Outrageのouttake)収録している。豪華ブックレット付で、Peter B's Looners時代の写真も掲載されている。



■ Anthology (2008年)/Peter Green
Peter GreenのAnthologyアルバムで、なんと4枚組!
Peter B's LoonersのSoul Dressing、Bardensの1stソロから3曲(Don't Goof With a Spook、The Answer、Homage To The God Of Light)を収録している。アルバムThe Answerのギターは、記載が無いので、あれは本当にPeter Greenなのかという疑念もあったかと思うが、まあ、間違いないかと思われます。

【Van Morrison関連】


■ The Story of Them-The Anthology 1964-1966 (1997年)/Them
Themの1stと2ndを中心とした初期曲集だ。
ブック・レットに数点Pete Bardensを含むメンバー写真がある。


【Shotgun Express関連】


■ The Shotgun Express (1983年) ※再掲
Shotgun Expressが1966年と1967年に発売した2枚のシングル計4曲をコンパイルした7インチ・レコード。収録曲は、A1. I Could Feel The Whole World Turn Round、A2. Curtains、B1. Funny 'Cos Neither Could I、B2. Indian Thing
このバンド、Pete Bardens、Rod Stewart、Mick Fleetwood、Peter Greenといった英国ロック界の重鎮が交錯したことから、「伝説の...」みたいな前垂れがついて紹介されることが多かった。ジャケット裏面に、若干の 解説が印刷されている。


■ Rod Stewart 1964-1969 (1999年)/Rod Stewart
60年代はThe Jeff Beck Group、Faces等の有名バンドを渡り歩き、70年代はソロ活動でヒット曲を連発したロック・シンガーRod Stewartの初期アンソロジー集だ。Shotgun Expressからは1曲(I Could Feel The Whole World Turn Round Underneath Me)収録されている。


■ Changes: The Story of Beryl Marsden (2012年)/Beryl Marsden ※再掲
リバプール出身の女性シンガーBeryl Marsdenのアンソロジー。
Shotgun Express時代の曲を2曲収録している。Rod Stewartとの掛け合いが楽しい。そのほか、1981年にPete Bardensのプロデュースでリリースしたシングル(Hungry for You / I Video)も収録している。

※ブックレットに彼女へのインタビューが掲載されているが、Shotgun Expressの結成や1981年にPete Bardensとシングルをリリースした経緯に関する記述もある。

【Love Affair関連】


■ An Everlasting Soul The Anthology (2005年)/Steve Ellis
Peter Bardensは、Shotgun Express解散後はヒット曲Everlasting Loveなどで知られるLove Affairへ参加となった。
こちらのCDは、Love AffairのボーカリストSteve Ellisのアンソロジーで、なんと1970年のPeteのソロ作The Answer中の同名タイトル曲(ボーカルをSteve Ellisが担当)が収録されている。
余談だが、Phillip Goodhand-Taitは、Love Affairへ曲提供していた。

コンピ盤

意外な編集方針のコンピ盤でPeter Bardensの名前を見つけることができました。


■ New Maxi Dog No.2 (1988年)/VA
当時のダンス・ミュージックのコンピ盤で、レーベルはドイツEMI ELECTROLAだ。
Climie FisherやPet Shop Boysらの曲と共にPete BardensのIn Dreams (High Verocity Mix)が収録されている。


■ Slow Dancin'-Line's Greatest Dance Songs (1991年)/VA
Line's Greatest Dance Songsのタイトルどおり、スロウ・ダンス・ナンバーを集めたコンピ盤だ。
なかなか不思議な編集方針で,Gary Brookerをはじめ、Peter Bardensについては、Write My Name in the Dustが収録されている。


■ Mods Collection (1996年)/VA
1960年代のEMI所属のModsグループのコンピレーション・アルバムで、Shotgun Expressが残したシングル盤2枚の4曲中の3曲(I Could Feel The Whole World Turning Around、Funny 'Cos Neither Could I、Indian Thing)を収録している。ブックレットがいかしてる。


■ Miramar TEN (1996年)/VA
ニューエイジ系のMiramarレーベル10周年記念盤ですが、Peteは、ネイティブ・アメリカ・インディアンをテーマとしたコンセプト・アルバムのた めに制作した1曲を提供している。その他、Miramarのコンピ盤が3種類(Miramar Collection 1,2,3)あり、いずれもPete Bardensの曲が収録されているが、私は未購入のままだ。


■ Transatlantic Story (1998年)/VA
Transatlantic Recordの86曲を4CDに納めたもので、Pete Bardensについては、1970年ソロ作からThe Answerが収録されている。ブックレットにPeteについて若干の解説があるが、残念ながら特筆されるような新ネタはないようだ。


■ Ars Conga Vita Brevis-A Compendium of Progressive Rock 1967-1974/VA
豪華3枚組53曲入りプログレ集だ。Peter Bardens関連で2曲、The Answerと彼がプロデュースしたMarsupilamiのPrelude to the Arenaを収録している。


■ Children of the Sun (2000年)/VA
Transatlantic Recordの中でもUnderground系を集めたCD2枚ものコンピ盤に、アルバムPeter BardensのDown So Longを収録している。やはりDeviantsのジャケが目立っている。