鑑 賞 日
作 品 名 |
鑑賞劇場名 |
評 価 |
公式HPへ |
6月30日(月)
『ポリス・ストーリー/
レジェンド』 |
イオンシネマ三川 |
|
|
<評 論>「おお、ジャッキー健在!!」と思わせる一作だった。若かりし頃の激しいアクションまではさす
がに無いものの、相応にカンフーシーン、アクションシーンは見事だったし、年齢を経て、貫録と演技力が身
についているので、映画の核として見事な存在感を放っていた。ナイフや拳銃が多用されているのは現代の犯
罪事情を鑑みればリアルではあるが(スマホもしかり)、もう少し昔ながらのカンフー決着を多用してほしか
ったと思った。打撃技だけでなく関節技や絞め技を多用しているのも、妙に現代にマッチしすぎていて、ジャ
キー映画を観たくて来ている私にとってはやや興ざめの感もあり。その分、ストーリーや細かい心理描写など
はとてもしっかりしていて、映画作品としてはジャッキー映画を観ない人でも十分楽しめる良作に仕上がって
いたと思う。ジャッキー・チェンに敬意を表し、星4.0とする。 |
6月26日(木)
『超高速!参勤交代』 |
鶴岡まちなかキネマ |
|
|
<評 論>観終わって、「まあ、及第点かな。」との感想だった。歴史モノ特有の硬さはなく、かといってユ
ーモアな部分もそこそこで、バランスの良い作品だったかなと思う。ただ、もうちょっと笑いネタが満載なの
かなと思っていたところに、やけに殺陣のシーンが多く(個人的には好きだけど)、コメディタッチを期待し
ていた観客にとっては、「わりとちゃんとしているなあ。う〜ん・・・。」と感じられたのではないかと思う
。まあ、我らが地元の”庄内映画村オープンセット”で撮影した作品なので、ロケーションを活かさないと意味
ないから仕方ないかと納得した(六角さんが出ていたこともあって『十三人の刺客』と一瞬ダブった)。佐々
木蔵之介と西村雅彦、伊原剛志は、跳びぬけて圧巻の存在感。総合的に考慮し、星3.5とする。 |
6月19日(木)
『青天の霹靂』 |
イオンシネマ三川 |
|
|
<評 論>この映画の肝(あるいは救いとも言える)となるのは、大泉洋と劇団ひとりの素晴らしい演技力・
表現力、高い笑いのセンス、であると感じた。雷に打たれて現代から自分が生まれる前の時代にタイムスリッ
プし、若き日の父と母に会い、自分の出生にまつわる真実を知ることとなる。なかなか感情移入しにくい突拍
子もないシチュエーションであるが、2人の絶妙な絡み・コンビネーションで時には笑わせ、時にはジ〜ンと
させてくれる映画に仕立てられていた。大泉の手品の腕前も素晴らしかったし。ただ本職の映画監督ではない
ので、小ネタは満載なのだが、心理描写やセリフなどに深みがなく、ちょっと低レベルだなと感じてしまった
。最後に父に送るセリフ「ありがとう。」も、???と思ってしまった。以上より、星3.5とする。 |
6月16日(月)
『春を背負って』 |
鶴岡まちなかキネマ |
|
|
<評 論>全体を通して、何となく、「古臭い」「昭和っぽい」というイメージが強い映画だった。主人公は
都会でのエリート会社員生活を捨てて、亡き父の山小屋を継ぐことを決意するのだが、決意するまでの葛藤が
ほぼ描かれていないので、あまりにあっさり「もう決めたんだ」なんて言ってしまう。山小屋の経営に関して
も、苦労や悪戦苦闘する描写が少ないので、すぐに順風満帆に成功を収めている印象がある。これらを踏まえ
、ちょっと薄っぺらい映画だなと感じてしまった。反面、松山ケンイチ、蒼井優、豊川悦司の3人を筆頭に、
役者さんの演技は良かったと思う。ラストの、松山と蒼井が両手をつないでグルグル回りながら「アハハハハ
、アハハハハ」と笑いあうシーンは必要だったのか?何の意味?拍子抜けで終わった。星3つ。 |
5月29日(木)
『それでも夜は明ける』 |
鶴岡まちなかキネマ |
|
|
<評 論>さすが、アカデミー賞作品賞受賞作!南北戦争前のアメリカで実際にあった、黒人に対する壮絶な
人種差別(奴隷制度)、虐待などの描写はとても生々しく、悲惨さが伝わってきたし、絶対に許されないこと
であるとの憤りを感じた。黒人でも「自由黒人」と「奴隷黒人」に区別されていて、自由黒人は”自由証明書”
なるものを持参して身分を証明するとは、そんなことは全く知らなかった。主人公でバイオリン奏者であるソ
ロモンを演じたキウェテル・イジョフォーの演技は見事で、騙されて自由黒人から奴隷黒人として一夜にして
転落し困惑するも、事実を受け止め、勤勉に役目を果たし、なおかつプライドを捨てずに、愛する家族に何と
しても再会するんだとの思いで日々を過ごす姿には「すごい。俺だったら諦めて挫折するな。」と思わせる強
さを体現してくれた。主演女優賞を獲ったルピタ・ニョンゴもかなり秀逸、必見!絶対に人間は平等なのだと
世界中が当たり前のように感じよう!アメリカやイタリアあたりの富豪が、たびたび黒人をバカにする発言を
して失脚するが、そんな奴は死刑だろう!!満点に足りない点としては、”理解ある白人の告発により自由の身
となり、家族に再開し、奴隷制度撤廃の先駆者となるが謎の死を遂げ・・・”のようなくだりがアメリカ映画の
定番すぎて、「またか」と思ってしまったので減点。星4つとする。 |
5月15日(木)
『アメリカン・ハッスル』 |
鶴岡まちなかキネマ |
|
|
<評 論>これぞアメリカ映画というストーリー展開とエンディング。あまり冴えない主人公。しかしなぜか
モテモテな魅力があり、美女が競う。美人で若くて破天荒な妻(子持ち)に翻弄される裏で、運命的な女性と
出会い、ビジネスでもかけがえのないパートナーとなる愛人。主人公は天才的な詐欺師。FBI捜査官に現行
犯逮捕されるが、その才能を見出され、お咎めなしの代償に汚職政治家を捕まえるためのおとり捜査への協力
を強要される。詐欺師、愛人、FBI捜査官に加え、詐欺師の妻や汚職の市長、その妻、マフィアの伝説的な
ボス、etcも巻き込んだ展開はいったいどうなるのかといったストーリーにはハラハラドキドキさせられた
。複雑に絡み合う人間関係や騙しあいが分かりにくく、すぐに理解しがたい点が多かったが、ラストでは一応
それぞれが最悪の結末を迎えることなく、未来への希望が期待できる結末だったので安心できた。星3.5。 |
5月9日(金)
『テルマエ・ロマエU』 |
鶴岡まちなかキネマ |
|
|
<評 論>第1作は観ていないので、1作目からの伏線や阿部寛と上戸彩との関係などは分からずに観たのだ
が、分からなくてもそれなりに入り込めたし、笑わせネタ満載で何度も楽しませてくれた。ラーメンやギョー
ザ、ビールを食したら、古代ローマ人は絶対感動するだろうなあと本当に思う。人間だったら絶対美味と思う
よなあ、本当。個人的に特にはまったのは、タイムスリップするときに必ずオペラを歌う外国人が登場する小
ネタ。「来た来た」と何回も笑わせられた。涙を流すと元の世界に戻れるという条件もいい。力士たちも源泉
を掘り当てて涙して帰って行ったし、ルシウスと真実が 抱きしめあった時も真実が思わず泣いてしまい胸の中
で消えてしまう。楽しさ、切なさ、バカバカしさ、など本当に楽しませてもらった。星4つとする。 |
5月5日(月)
『映画クレヨンしんちゃん ガチ
ンコ! 逆襲のロボとーちゃん』 |
イオンシネマ三川 |
|
|
<評 論>レビューの評価の高さから、ただ者ではないなと思い、ぜひ親子全員で鑑賞しに行くぞと意気込ん
で観たのだが・・・。親子4人で大号泣!!前半はいつものしんちゃんらしい小ネタで大いに笑わせてくれる
し、父ちゃんがロボに改造されていろいろな便利機能を発揮するというシチュエーションもガキンチョから大
人まで幅広く笑える内容。中盤から後半にかけ、本物の生身の父ちゃんと体はロボットだが頭脳は本物の父ち
ゃんであるロボとーちゃんと2人のとーちゃんが現れる。どちらもみさえやしんのすけたちを愛しているのだ
が、ロボとーちゃんは本当の父親・夫ではない。だけど頭脳は純粋なとーちゃん。最後に腕相撲で勝負する2
人の父親のシーンや、大嫌いなピーマンを必死で完食するしんちゃんのシーンなど、感動要素が山積みの大大
傑作だと感じた。もう一回観たいし、DVDは永久保存版としてきっと買うだろう。星5つ。 |
4月6日(日)
『アナと雪の女王』 |
イオンシネマ三川 |
|
|
<評 論>評判通りの素晴らしい作品だった。氷の魔法の力が強くなりすぎて城を出て行ってしまう女王エル
サと、国に夏を取り戻したい、そして仲が良かった姉との暮らしを取り戻したいと願う妹アナ。お互いがお互
いを愛する気持ちは十分に分かっているのだが、生まれつき魔法の力を持ってしまった運命や両親が死んで姉
妹2人が国を治めなければならなくなった境遇が障害となり、小さい頃の仲良しの関係を取り戻せない。裏切
り者に国を乗っ取られ命を奪われそうになった時、奇跡が起こる!ストーリーはグイグイ引き込まれるものだ
し、ディズニーらしいきれいな景色、表情豊かな描写はかなり秀逸。そして、吹き替えの松たか子、神田沙也
加が実に、実に素晴らしい。特に松の「Let It Go」の歌声は聴いているだけで涙が溢れてくるほど
だった。ほぼ文句なしだが、ミュージカル調がかなり強く、ややしつこ過ぎる場面も見られたので飽きてしま
った部分もあったことから、星4.5とする。 |
4月2日(水)
『白ゆき姫殺人事件』 |
鶴岡まちなかキネマ |
|
|
<評 論>さすが、中村義洋監督!これまでも伊坂幸太郎の傑作を見事に映画化してきたが、今回も湊かなえ
のクセのある原作を、忠実かつ映画用に面白く進化させて素晴らしい映画作品に仕上げていた。同じシチュエ
ーションでも、それぞれの証言・主観にしたがって再現すると全然違った言動を行っており、いかに各々が自
分が好きなように自分勝手に解釈しているかがよく分かった。追い詰められ、犯人に疑われ、両親からも信じ
てもらえなかった主人公が、最後の最後で小学校時代の親友から救われた場面では涙があふれたし、どんな逆
境下にあっても信じてくれる人はいるのだと安堵させられた。完璧評価でもよかったが、個人的に、原作を先
に読んでしまっており、真犯人を知っていたのでサプライズに欠けた。私的要因だが、星4つとする。 |