字幕コマンド設定の際の留意事項と字幕コマンド付けの一例(H14・12・21 福田作成)
【はじめに】
以下に記した内容は、私が今回字幕作成過程において試行錯誤したことなどをまとめたものです。
ソフト作成者の神野健吾氏に目を通していただいておりませんので、間違いや私の思い違いもあろうかと思います。
以上のことをあらかじめご承知のうえで参考にしていただければと思います。
T.属性表示について
1.YATの終了時に設定ファイルに保存し、次回の起動時にそのファイルから読み込んでいる属性は、次の通り。
.fs( ) ※フォントサイズの指定、縦書きか横書きか
.ff( ) ※フォント書体名、縦書きか横書きか
.wz( ) ※字幕表示位置、字幕のサイズ
2.YATを起動したときの、その他の属性は次の通り。
.fv(0) ※文字表示方向。(常にこの設定になっているかどうかは未確認。)
.bc(000000) ※背景色の指定。(常にこの設定になっているかどうかは未確認。)
.il(0) ※行間空き。(ルビを振ると「0」に設定していても「50」になる。正しいか?)
.rb(0) ※ルビの表示レベル。
.hc(0000ff) ※背景の格子模様の設定。(常にこの設定になっているかどうかは未確認。)
.ht(0) ※背景の格子模様の形式
.hs(0) ※背景の格子模様のサイズ
.tp(0) ※透過しない
.tc(ffffff)※テキストの文字色。(常にこの設定なっているかどうかは未確認。)
.ol(0) ※縁取りの幅、ピクセル
.oc(ff0000)※縁取り色。(常にこの設定なっているかどうかは未確認。)
.op(0) ※縁取りの塗りつぶし
.ic(0) ※インラインカラーを使う。
.rc(0) ※ルビコマンドを使う
(注1)YATが立ち上がっている間は、最後に変更した属性をYATを終了するまで、そのまま覚えています。
例えば、YATを起動したまま、
@R-YATや伝猫で他のデータファイルを開いた
A途中まで流して、最初に戻ってやり直す
といったことをすれば、「最後に変更した属性」が残ったままになっていて、予想外の表示になるかもしれません。
そういう意味で、「必要なものは、最初に全部書いておく」のは有効な手段です。
(注2)
@途中でト書きや説明のための文章を表示するのに、一時的に色を変更する
A途中のある場面だけルビを表示するような場合は、
その場面を抜けたらすぐに元の色属性に戻すようにしておいた方がいいでしょう。
これは、「属性を変えたまま別の画面に移動して、予想外の属性で表示される」ことを
なるべく防ぐためです。
Uコマンド設定上の注意点
1.コマンドは必ず半角文字で設定します。
2.ルビをふる場合は、「.rb(1)」「rc(1)」の両方のコマンドが必要。
※行間の空き「.il(文字高さの%)」は、設定しなければ、50%に自動的に設定され。
なお、それ以降の行間を空けないのであれば、それ以降の行頭に「il(0)」の設定が必要。
3.縁取りの場合は、
@「.ic(1)」「.ol(ピクセル数)」「$((テキスト))<色><色>
または、
A「.tc(色)」「.oc(色)」「ol(ピクセル数)」とする。
以降の行には縁取りをしない場合は、@Aともに以降の行頭に「.ol(0)」を 設定する。
なお、Aの場合で、以降の行の文字色を変える場合は、変更する色を「.tc(色)」で設定する必要がある。
4.途中の行の文字色を変える場合
@インラインカラーを使用する場合
「.ic(1)」「$((テキスト))<色>を設定する。
A行単位で文字色を変える方法
文字色を変更するテキストの行頭に「.tc(変更する文字色)」のコマンドを設定する。
※Aの場合、次行の冒頭に「.tc(最初設定した文字色)」のコマンドを付けないと以降のテキ ストは変更した文字色で表示される。
【参考1 「テストデータ」→この「テストデータ」の通り「R-YAT」でテスト用のファイルを作成し、自分のパソコンに「伝猫」と「YAT」を立ち上げどのように表示されるかを試してみて下さい。】
.cm テストデータ (平成14年9月9日 神野氏の回答を利用して福田作成)
.bc(000000)
.tc(ffffff)
.il(50)
.ol(2)
.ic(1)
.rc(1)
.rb(1)
.fv(0)
.fs(0,36)
.wz(8,588,1010,172)
.pa
$(神崎)<ffffff><0000ff> $(君たちのお父さんお母さんが、)<ffffff><0000ff>
$(大漁旗をかかげた船が入るたびに)<ffffff><0000ff>
$(踊ったソーラン節…)<ffffff><0000ff>
.pa
.cm 上は、下のように書いても同じです。
.cm 3行とも「白い文字に青い縁取り」なので、
.cm いちいちインラインカラーコマンドを使うより
.cm 簡単で済みます。
.tc(ffffff)
.oc(0000ff)
神崎 君たちのお父さんお母さんが、
大漁旗をかかげた船が入るたびに
踊ったソーラン節…
.pa
$(美津子)<ffffff><ff0000> $(信之、父ちゃんとお別れよ)<ffffff><0000ff>
.pa
.cm この、「美津子」にルビを振るとしましょうか。
.cm #「美津子」は、白い文字に赤い縁取り。
.cm #台詞は白い文字に青い縁取り。
.pa
.cm このままだと、
.cm「インラインカラーを使っているのでルビは振れない」
.cm のですが、
.pa
.tc(ffffff)
.oc(ff0000)
#(美津子)<みつこ> $(信之、父ちゃんとお別れよ)<ffffff><0000ff>
.pa
.cm 上のようにやればできます。
.cm ・通常の文字を、白い文字に赤い縁取りに設定。
.cm ・「美津子」は通常の文字色なので、ルビを振れる
.cm ・台詞はインラインカラーで、白い文字に青い縁取り
.cm としているわけです。
.pa
.cm .tc()や.oc()は「行単位」で効くので、
.pa
.tc(ffffff)
.oc(0000ff)
#(信之)<のぶゆき> そんなことねえよ!
.oc(ff0000)
#(美津子)<みつこ> $(父ちゃんが言ってたろ!)<ffffff><0000ff>
.pa
.cm というようなこともできます。
.cm #「信之」は、白い文字に青い縁取りでルビ。
.pa
.cm こういう方法を使っても不可能なのは、
.cm 「1行の中で、ルビを振りたい文字の色が違う」
.cm という場合です。
.pa
.cm 例えば、上の例で「父ちゃんが言ってたろ!」
.cm にもルビを振ろうとしても、
.cm ここはインラインカラーを使っているため、
.cm ルビは使えません。
.cm「名前と台詞とで色を変える」という前提がある限り、
.cm どちらかにしかルビは振れません。
.pa
.cm 行が違えば、可能なことは可能です。
.pa
.tc(ffffff)
.oc(ff0000)
#(悦子)<えつこ> $(あんたたち)<ffffff><0000ff>
.oc(0000ff)
どう#(責任)<せきにん>とってくれるのよ!
#(中川)<なかがわ> #(悦)<えつ>ちゃん
.pa
.cm #1行目は、「悦子」だけにルビ。
.cm #1行目の台詞にはルビは無い。
.cm #2行目は、色を変えて台詞にルビ。
.cm #3行目は、名前も台詞も同じ色なので、
.cm 両方にルビを振れる。
.pa
.pa
【参考2 「YATの属性の初期値の例とコマンドの意味」】
.fs(0,36) ※◎横書き、36ドット (注)前回の起動時の設定を読み込む
.fs(1,35) ※◎縦書き、35ドット (注) 同上
.ff(0,MS ゴシック) ※◎横書き、書体名は「MSゴシック」 (注)前回の起動時の設定を読み込む
.ff(1,@MS ゴシック) ※◎縦書き、書体名は「@MSゴシック」 (注) 同上
.fv(0) ※◎文字表示方向を横書きに指定(1:縦書き)
.bc(000000) ※◎背景色の指定(000000→黒)
.wz(8,588,1010,172) ※◎表示ウインドウの位置とサイズ (注)前回の起動時の設定を読み込む
.il(0) ※◎行間空きの指定(0:なし/1〜:文字高さのパーセント)
.rb(0) ※◎ルビの表示(0:なし/1〜:表示レベル)
.hc(0000ff)※背景の格子模様の色(0000ff→青)
.ht(0) ※格子模様の形式(0:表示しない/1〜6:表示形式)
.hs(0) ※格子模様のサイズ(0:表示しない/1〜:表示サイズ)
.tp(0) ※透過背景(0:透過しない/1:透過する)
.tc(ffffff) ※◎テキスト色の指定(ffffff:白)
.ol(0) ※◎縁取りの幅(0:無し/1〜:ピクセル数)
.oc(0000ff)※縁取りの色 (0000ff→青色)
.op(0) ※縁取りの塗りつぶし(0:しない/1:する)
.ic(0) ※インラインカラー(0:使わない/1:使う)
.rc(0) ※◎ルビコマンド(0:使わない/1:使う)
(注)◎は字幕ファイルの冒頭で設定して置いた方がよいと思うコマンドです。
以 上