現場で出会った問題



1.前ロール原稿作成上の留意点(その1)

【2004年10月3日手話ミサ派遣の反省から】

日本○○○○の会ひろしま大会の派遣での前ロール原稿の作成について、少し反省するところがありましたので報告します。

X-sendの「送出行」では、前ロール原稿の内容を修正する事が可能です。

そうして、修正した内容はRTD2を経由してスクリーンに、修正された通り映し出されます。ご存知の通りこの場合、元の原稿には変更を及ぼしていません。

ここまでは、知っておられる方は多いと思います。

ところが、コメントマーク「#」を付した行は、送出行で、コメントマークを削除しても、コメントの性質までは変更出来ません。

即ち、送出行で「コメントマーク」を削除しても、矢張りコメント行のままですから、その行を「スクリーンに表示」することは出来ません。

「そんな事は当然よ」といわれる方もおられるかも分かりませんが、私はそれを知っていなかったものですから今回失敗をしました。

今回の派遣の場合、式次第や歌の「名前」聖書の○○章など表示するかどうか分からない部分がかなりあり、これに、私は全部コメントマークを付けました。

ところが、結果的には大部分が、読み上げられ、スクリーンに表示しなければならなくなりました。

私は、コメントマークを外して表示すればいいと思っていましたので、現場でコメントマークを外して表示しようとしましたが、コメントマークを外しても表示する事ができませんでした。

そんなわけで、せっかく前ロール原稿にチャンと作成した文字があるのに表示する事ができず、リアル入力の方に迷惑をお掛けして、全部リアル入力して貰う結果となりました。

【反省】

1.従って、コメントマークは不用意に使用しないように注意したほうが良いと思いました。

例えば、表示されるかどうか「あやふや」な行は前ロール送信者だけが分かる記号、例えば「○」等を行頭につけて置いて、その行を送出する必要が生じた場合は、○を削除して送出するようにすると良いと思いました。

もちろん、○を付けた行は「表示するかどうか”あやふや”な行です」ということは、当日の派遣者には話しておくべきです。

2.これまで、やったことのないことは、必ず事前に試してチェックしておく事が 必要です。

私は、前ロール原稿や字幕原稿は原則として作成した時に一度流して全体をチェックしておりましたが、コメントマークを外して流すという事は、事前に試しておりませんでした。

といいますのも、送出行で文字の削除、あるいは追加・変更して前ロールを流す事はこれまでも何度か現場でやっておりましたので、これと同じようになると頭から思いこんでいたのが、失敗の元です。

【蛇足】

それから、ご存知かも分かりませんが、参考までに申しますと、送出行に送られた 前ロール原稿の途中で話が切れ、そこまでを一旦流した方が良い場合があります。

この場合は、カーソルを送出行の文の話が途切れた個所に持って行き、エンターキーを押すとカーソルから前の文が送出され後ろの部分は送出行に残ります。

送出行の残りの部分は、話に合わせて「f9」キーを押すとカーソルを文末まで持って行かなくても送出されます。

そして次の行が送出行に読み込まれ、カーソルは読み込まれた行の最後に行っているはずです。

以上



2.前ロール原稿作成上の留意点(その2)

【2005年12月4日「ヒューマンフェスタ2005ひろしま」の反省から】

当日は、「人権標語」と「男女共同参画標語」の二つの標語の表彰がありました。

進行シナリオによると、両方の標語の「最優秀賞」の表彰を行った後に、両標語の「優秀賞」の表彰を行うこととなっており、一寸流れがおかしいなと感じていましたが、前ロールはシナリオの通り作成しておりました。

ところが、実際は「人権標語」の表彰を行った後に、「男女共同参画標語」の表彰が行われ、前ロール原稿の順番が大幅に変更になったので、スクロールで移動するのに時間がかかり、表示がかなり遅れる事態となりました。

現場ので対応方法としては、流す過程で、後戻りすべき個所の行番号をメモしておいて、移動の機能を使うべきだったとも思います。(でも、現場ではなかなかこの方法はとっさに使いにくいとおもいます)

【反省】

矢張り、流れがおかしいと感じた所は、ジャンプマーク「★」を活用すべきでした。

「男女共同参画標語」の最優秀賞の始まりの所に「★」をいれ、同じく優秀賞の始まりの所に「★」を入れて作成しておけば、間に「人権標語」の原稿が入っていても、スムーズに移動できたと思います。

【蛇足】

ジャンプマーク「★」を設定した個所を行番号入りの一覧表にして、派遣メンバーに配布しておくことをお勧めします。



 

3.X-sendの設定について

【2006年3月5日「耳の日記念大会」への派遣から】

2006年3月5日「耳の日記念大会」での失敗の報告です。

3月5日の耳の日記念大会の派遣に行きましたが、この時、前ロール送りで失敗がありましたので報告しておきます。

実は大会開始の直前15分ぐらい前でしょうか?司会の原稿が届きました。

メモリースティックに保存されておりましてこれを私のパソコンでは取り出すことができず…  というのが、持ってこられたメモリースティックが基本ソフトが「Me」以上のバージョンのパソコンでないと対応しないという代物で、私のパソコンはWindows98なので取り出せませんでした。

そこで、Sさんのパソコンを使ってようやく取り出して貰い、取り出した原稿をX-sendで私のパソコンに送って貰いました。

しかし、もう時間が迫っており成形は、3分の1ぐらいしか出来ませんでした。仕方がないので、成形出来ていない部分は話に合わせて、X-sendの送出行で区切ってエンターキーを使って送っていこうと思っておりました。

ところが、司会の話が進んでいって、未成形の部分が送出行に送られた時にカーソルは未成形の部分の文章の最末尾に来ておりました。

ですから、文頭までカーソルを持って行かねばなりません。矢印キーでカーソルを移動させるのですが、未成形の部分が多いのでなかなか話されている個所までカーソルがたどり着きません。

マゴマゴしている内に話はドンドン進んでいきます。

仕方がないので、折角原稿が有りながら、リアルで打って頂くハメになりました。

「原稿がありながら送れない」という、前ロール担当としては、最も情けない状態になり、リアル入力担当の皆さんにご迷惑をお掛けしました。

現場では、何故このように文末にカーソルが来る状態になったのか原因が分からず 釈然としないまま帰宅しました。

帰宅後、どうしてなのか確認しようと思って再度、未成形の原稿をX-Sendで開いて、テストしてみましたが同じことです。X-Sendを「閲覧」にしている時は、カーソルは送出行の文頭にあるのに「送出」に切り替えた途端に、カーソルは文末に行っております。

何回やっても同じ結果です。

未成形の長い文章の文末にカーソルが行っているので、話の頭まで、カーソルを持って行くのにとても時間がかかります。これでは、X-Sendで未成形の文章をスムーズに前ロールで送ることはできません。

「これは、問題だ、神野さんにお願いして修正して貰わないといけないかな。」等と思ったりしましたが、以前は未成形の文章が簡単に送ることができていたような気もしました。

何故この度はこんなことになるのだろうと、首を捻っておりましたが、ふと、X-Sendの「設定」を開いてみようと思いました。

そこで、設定を開いてみました。原因はここにありました。設定の一番下のところに「操作」というのが4つありましてその一つに「カーソルは右端に」というのがあり、ここに私はチェックを入れておりました。

普通「F9」キーで前ロールを送っておられると思いますが、私は、エンターキーで送っております。 

「F9」キーは小さく間違って押しやすいし、また、手元が暗いような派遣現場ではキーが分からなくなりそうだし、話の区切り方の都合によっては送出行の一部を話に合わせて区切って送出したり、また、一寸した文字の修正は送出行のなかで修正を行って送出したりしております。

このような場合、カーソルを右端に置いて置きエンターキーで送出する方が都合が良いので、「カーソルは右端に」の設定にしておりました。

だからカーソルが文末に行っておるわけです。

未成形の原稿を持ち込まれた時は「カーソルが必ず文頭に行くように設定を変更すべし」という教訓を忘れないようにしたいと思いました。

このようなケースに限らず、要約筆記のソフトは日頃からどのような設定にしているかを、時々確認しておくことが必要だと痛感しました。