ぼんべーからの手紙 第1部 


NO.1
  
 
いくのさん おげんきですか。
 
ぼんべーだよ。
 
てんごくで たのしく あそんで
いるよ。
 
いくのさんも たのしく 
あそんでいますか。
 
また おてがみを かくから 
たのしみに していてね。
 
 
NO.2
 
 
 
てんごくに いくまでに みっか 
かかったんだよ。
 
まず はじめに ついたのは 
かるーくなる おんせんなんだ。
 
かるーくなる おんせんに はいったらね
からだが かるーくなって
ふわふわと ういちゃうんだよ。
 
それでね ふわふわと うきながら
てんごくに ついちゃうんだ。
 
そしてね、おそらのうえにあがっても
みずのなかにはいっても、
いきがくるしく なくなったんだよ。
 
 
NO.3
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
つぎのひに げんきでる しょくどうで 
またたびすてーきを たべたら
すっかり げんきに なったんだ。
 
そして きえーる すーぷを のんだら 
ふしぎなことに いきてるひとからは
ぼんべーのからだが みえなくなったんだよ。
でも いくのさんに おてがみをかくときは
ぼんべーのからだを かいてあげるから よくみてね。
 
 
NO.4
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そして またつぎのひにね なんでも 
わかーる ほてるへ とまったんだ。
 
ここにとまったらね にんげんの ことばも
とりのことばも いぬのことばも 
くさや きの ことばも
ぜんぶ わかるように なったんだよ。
 
これからね かぜのように 
 おそらを とびながら
せかいじゅうを まわってくるからね。 
 
そして おもしろいことが あったら 
いくのさんに おてがみをだすよ。 
 
 
NO.5
 
 
 
 
 
 
まず、かべの おじいちゃんのおうちに いったんだ。
 
おじいちゃんは げんきで  おはなに みずをやっていたよ。
 
そのとき きぼうがおか だんちの しゃめんの くさかりを
 
していた おじさんが
くりのきさんを 
きりはじめたんだよ。
 
くりのきさんは おおきなこえで 「きらないで」と いったけど おじさんには きこえないんだ。 
 
いくのさんの おかあさんが こどものころ くりのみを とっていた くりのきさんは
とうとう きられて たおれちゃったよ。 
かわいそうだったなぁ。
 
いくのさんの おかあさんに 
くりのきさんが きられたことを 
はなしてあげてね。
 
 
NO.6
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
そのばんは おじいちゃんの  となりに
ねたんだけど おじいちゃんは ぜんぜん
きがつかなったよ。 
 
でも しかたがないんだ。 
きえーる すーぷを のんだんだからね。
にんげんには みえないし きがつかないんだよ。
 
いくのさんの そばにいっても
いくのさんにも ぼんべーって わからないよ。
つぎのひ はやく おつきさんに
いったんだ。 
 
 
 
2006・9・4 掲載 
NO.7
 【いくのより@】
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ぼんべいへ
 
いくのです。 おてがみ ありがとう。
てんごくに いくことができて よかったね。
てんごくは おそらのうえだから
さんぽしたら きもちいいと おもうな。
いくのちゃんは げんきで あそんでいます。
また おてがみ ちょうだいね。
 
さようなら。
 
 
 
NO.8
 【ぼんべーより いくのへ @】
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ぼんべーだよ。
 
いくのさん おてがみ ありがとう。
 
えが とても じょうずに なったね。
 
ぐらすを もっているのが ぼんべーなの?
わいんを のんでる ところかなぁ?
 
となりの かわいいねこさんは だれ?
 
それから したで ねているのは だれかなぁ?
 
ぼんべーは いま はーもにかを ならっているんだ。
 
いくのさんの えのように じょうずになるかなぁ。
 
また、おてがみを だすからね。
 
ぼんべーより
 
 
 
 
NO.9
 【いくのよりA】
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ぼんべー げんきですか?
いくのちゃんも げんきです。
ぱぱたちも げんきです。
ほいくえんの みんなも いつも げんきに
あそんでいます。
ぼんべーも げんきでね。
いくのより
 
 
 
NO.10
 【ぼんべーより いくのへ A】
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いくのさん、ぼんべーだよ。おてがみありがとう。
ぼんべーをかわいくかいてくれたね。うれしかったよ。
 
ぱぱもままも ほいくえんのおともだちも
みんなげんきで よかったね。
 
ぼんべーもげんきだよ。いまぴあのをひいて
うたのれんしゅうを しているんだ。
 
ぼんべーのうたを つくったからね。
 
いくのさん さっきょくしてね。
 
 
【ぼんべーのうた】
♪〜 からすのように そらをとび 
   かめのように うみにもぐり 
   じゆうじざいにとびまわる たのしいな 〜
   ぼんべーぼんべー くろねこ ぼんべー  〜
 
♪〜 とりもさかなも くさもきも 
   いぬもうさぎも ありんこも 
   みんなみんなともだちだ たのしいな 〜
   ぼんべーぼんべー くろねこ ぼんべー 〜
 
♪〜 つきにもほしにも ゆけるんだ 
   りゅうぐうじょうにも ゆけるんだ 
   おもったところにとんでゆく たのしいな 〜 
   ぼんべーぼんべー くろねこ ぼんべー 〜
 
♪〜 いつもげんきに はねおきて
   ふわふわふわと うかんだり 
   ぶくぶくぶくともぐるんだ たのしいな 〜
   ぼんべーぼんべー くろねこ ぼんべー 〜
 
 
 
2006・9・10 掲載 
NO.11
 
 
 
 
 
 
 
 
 
おつきさんにいったら うさぎさんの 
ほいくえんがあったよ。 えんちょうせんせいは
かぐやひめさん なんだよ。 
 
うさぎの こどもたちは
かぐやひめ えんちょうせんせいの あいずで  
げんきよく ぺったんこ ぺったんこと おもちをついて
まるめて おつきみだんごを つくっていたよ。 
 
 
いくのさんも おつきさんを よくみたら
うさぎのこどもが もちをついているのが みえるよ。
 
 
ぼんべーは あとで おつきみだんごを 
ごちそうになっちゃった。 
とても おいしかったよ。  
 
 
NO.12
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ほんとうは およぐのは 
にがてなんだ。
こわかったんだよ。
 
でも かるーくなる おんせんに はいったおかで
みずにもぐっても いきが 
くるしく なくなったから
 
こんどは うみに もぐることに したよ。
 
うみのなかって どんなところなんだろう。
 
はじめてだから たのしみだな。
 
どんどん もぐっていって また おてがみを だすからね。
 
 
2006・9・20 掲載 
NO.13
うみのなかは
きれいだったよ。
こんぶのもりや
わかめのはやしを 
とおりぬけて
さんごのやまをこえて
いったんだ。
 
たくさんの おさかなが
およいで いたなぁ。
 
 
かにさんもいたし たいもいたし うなぎも えびも かめさんもいたよ。 かれいも ひらめも あじも ふぐも いたんだ。
くじらも さめも いるかさんも いたんだよ。
 
いくのさんは すいぞくかんに いったことが あるよね。
ちょうど すいぞくかんの ようだったなぁ。
ぼんべーは すいぞくかんを みたことが なかったから 
かんげきしちゃったよ。
 
かにさんと おはなし したんだ。 
かにさんは こんなことを はなしてたよ。
 
むかし かにさんの ひいひいひいひいひいおじいさんが 
さるに あおい かきのみをなげつけられて
しんだんだって。
 
 
2006・9・26 掲載 
NO.14
 
 
 
しばらく いくと りっぱな ごてんが あって
「りゅうぐうじょう」と かいてあったよ。
 
「おとひめさまが でてきて、
「ぼんべーさんよくきたね。」といって
りゅうぐうじょうへあんないしてくれたよ。
 
そしてね ごちそうを たくさんだしてくれたんだ。
 
すっかり ごちそうになって かえろうとすると 
 
おとひめさまが 「おみやげに たまてばこを あげましょう。」って いわれたけど ことわったんだ。 
 
だって たまてばこを あけて しらがの しろねこになるのは いやだもん。
 
ぼんべーは くろねこで いたいんだ。 
 
 
 
2006・10・6 掲載 
NO.15
りゅうぐうじょうをでて しばらくいくと
おおきなかめに のった しらがのおじいさんに であったんだよ。
 
ぼんべーが「こんにちは」と いったら 
 
おじいさんは「こんにちは わしは うらしまたろうじゃ。
しらがになってから また りゅうぐうじょうに きているのじゃ。 
そして おとひめさまの おてつだいをしているところなんじゃ。」と いわれたんだ。 
 
ぼんべーが「どんな おてつだいをしているの」と きいたら
 
うらしまさんは「おとひめさまが このごろうみがよごれてこまっておられるのだよ。そこで にんげんが うみを どのようによごしているのか 
かめにのって ぱとろーるして しらべているのじゃ。」と いわれたよ。
 
 いくのさんは うみをよごさないよね。
 
それから おうちのなかも きれいにかたずけるようにしようね。
 
わかったかな。
 
 
2006・10・17 掲載 
NO.16
うみのうえにかおをだしたら めのまえに おおきなしまが あったんだ。 
 
しまにあがってみたら むじんとうだったよ。
 
だれもいないので あんしんして 
おかのうえの くさはらで ひるねをしちゃった。
 
すずしい かぜがふいていて とてもきもちがいいので ぐーぐーと おおいびきをかいて ねこんでしまったよ。
 
 
2006・10・29 掲載 
NO.17
 
 
 
 
 
 
 
なんだかさわがしいので ぐーぐーと ねたふりをしながら めを うっすらと
あけてみたら
 おにのこどもが たくさんあつまっていたんだ。
 
おにのこどもたちは おにがしまから このむじんとうに きゃんぷにきたらしいんだ。
 
おにのこどもたちは 「あれ、へんなねこがねてるよ。あのくろねこを つかまえて 
ばんごはんのおかずにしよう」といって 
ぼんべーを つかまえにきたんだよ。
 
ぼんべーはね いそいで おそらに 
ふわふわと うかびあがったんだ。
 
 
2006・12・2 掲載 
NO.18
 
 
 
 
おにのこどもたちは かなぼうを ふりまわしながら ぼんべーを つかまえようとしたけれど うまくにげることができたよ。
 
おにのおやは おそらを じゆうにとびまわって たいこをたたいて かみなりをよぶから こわいけれど こどもたちは まだおそらをとべないし かみなりをよぶことも できないんだ。
よかったなぁ。
 
かみなりは いなびかりをだしてこわいよ。
 
かみなりにあたると おへそをとられて 
しんでしまうんだよ。
 
いくのさんも かみなりには きをつけてね。
 
2006・12・20 掲載 
NO.19
 【いくのより ぼんべーへ B】
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ぼんべいですか? いくのちゃんです。 
はやく ともだちの はなし してね。
ぼんべい、びょうきや ねつがでたりして 
あそべなくなったり してると
ともだちに あえなくなるよ。
いくのちゃんより
 
 
 
2007・1・17 掲載 
 【NO.20】
いくのさん ぼんべーだよ。てんごくでの ぼんべーの ともだちを しょうかいするからね。
 
 
 
いぬの 「とと」と、ねこの「とらこ」と、ねこの「きき」と、うさぎの「ぴょんきち」
いじょうが ともだちなんだ。
 
 
 
「とと」は よくほえるし ちからもつよいんだ。でも、こわくないよ。ともだちには やさしいんだ。 そしてね、まらそんがはやくて、においをかぎわけるのが とくいなんだよ。
 
 
「とらこ」はね、おしゃべりで、おせっかいなんだ。でも、ちょっとまぬけなところがあるよ。
 
 
 
「きき」は 、おとなしくて、あたまがいいんだ。でも、うんどうは にがてなんだよ。
 
 
 
「ぴょんきち」は、ちょっといじわるだけど、あしがはやくて、とびはねるのも いちばんなんだ。
 
 
 
でも、まらそんは「とと」のほうがはやいんだよ。
 
 
 
 
2007・2・19 掲載 
 【NO.21】
 【 いくのより ぼんべーへ C 】
ぼんべーへ。いくのです。
 
このえは ぼんべーと ぴょんきちが あそんでいるところを かきました。
 
なにをあそんでいるかというと パーティごっこを してるところ。
                   いくのより
 
 
 
2007・2・19 掲載
 【NO.22】
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
みんなで おおほらやまに えんそくにいったんだ。
 
おべんとうはね、ぼんべーは まぐろのねこかんと
おやつに とりのればーのはいった かりかり。
 
ぴょんきちは にんじんときゃべつと ぐりんぴーすをもってきていたよ。
 
ととは どっぐふーどと じゃーきー。
 
とらこと ききも さばや あじのねこかんと にぼしなんか もってきていたなぁ。
 
おおほらやまの まんなかあたりまで のぼってきたらひるになったので おべんとうにすることにしたんだ。
 
おべんとうをたべたあと すもうをとることになって ぼんべーと ととが すもうをとっていると
 
 とつぜんぽかっと じめんがわれて みんな そのあなのなかに おちていったんだよ。
 
 
2007・4・24 掲載 
 【NO.23】
 【 いくのより ぼんべーへ D 】
 
 
 
ボンベーへ
 
 いくのです。なんで 
 さいきん てがみを
かかないんですか?
おしえてください。
 
いくのより
 
 
 
 
2007・4・26 掲載 
 【NO.24】
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いくのさん ぼんべーだよ。
いくのさんの おてがみの おかげで みんな たすかったよ。ありがとう。
 
おおほらやまで あなに おちただろう。そのあと どうなったとおもう?
 
 
 じつはね あのあなは もののけたちがすむ 「あんぐららんど」に つづいていたんだよ。 
 
 あなの とちゅうでね あんぐららんどの おうさまの あんこくだいまおうが あみをひろげて まっていたんだ。
 
  それでね みんな そのあみに かかって つかまってしまったんだ。 
 
 そして まほうで いわのなかに とじこめられてね あきになったら もののけに かえられてしまう ところだったんだよ。
 
まおうはね 「このまほうは にんげんが おまえたちのだれかに てがみをださないかぎり とけないんだぞ。わはは…」と わらっていたんだ。こわかったよ。
 
でもね いくのさんが ぼんべーにてがみをかいてくれただろう。
そのとたんに まほうが やぶれていわが われたんだ。
ありがとう。 みんな おおよろこび したんだ。
 
 でも、これからどうしたら てんごくにかえれるかなぁー。ちょっと しんぱいだけど みんなでちからをあわせて がんばるよ。 
 
それでは また おてがみをだすからね。かぜなど ひかないように げんきで いてね。