「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める都人事委員会への第二次不服審査申立にあたっての声明

 本日、私たち42名は、卒業式での「君が代」斉唱時の不起立等を理由にした東京都教育委員会の不
当な処分(戒告、減給)を不服として、東京都人事委員会に対し、第二次審査請求の中立を行いました。
これは3月29日の周年行事での処分者9名の審査請求中立、4月5日の卒業式での75名の第一次審
査請求中立に続くものであり、処分者206名中、合計で126名が申立をしたことになります。このような前代未聞の大量処分は憲法・教育基本法に反した人権侵害であり、私たちは、改めて満身の怒りを
込めて抗議し、不当処分の撤回を求めるものです。
 10.23都教委通達と同実施指針の下での卒業式・入学式は到底民主主義国家ではあり得ない異常
なものであったことは今更申すまでもありません。「処分」を振りかざし、教職員に事前に「職務命令
書」を渡し、座席を指定し、各学校に「監視役」の都教委職員数名を派遣し、「君が代」斉唱時の教職
員の「起立・斉唱・伴奏」を「恫喝」によって強要したのです。生徒の卒業を祝う式が、生徒・保護者
・教職員に「日の丸・君が代」を強制する場へと変質させられたのです。もはや学校現場は、「教育の
自由」や憲法19条で保証された「良心の自由」は存在しない「監獄」と化している言っても過言では
ありません。
 不起立者等の都教委の「事情聴取」は、弁護士の立会を拒否して、一方的に「打ち切る」杜撰なもの
で、ひたすら入学式のための「見せしめ」的処分を急ぐ「強圧的」なものでした。更に、再雇用嘱託員
はたった一回の「不起立」で「解雇」又は「任用取り消し」となり生活権を侵害されましたが、その翌
日には都教委から永年勤続の「感謝状」が贈られるといういい加減さです。また、「君が代」斉唱時に
生徒の不起立が多数の学校の教職員には、「指導不十分」として「事情聴取」を行い、新たに「処分」
を強行しようとしています。まさに、生徒・保護者の「内心の自由」に対するあからさまな挑戦であり、
各学校の教育内容に対する露骨な介入です。
 都教委は、連休明けには、4月の入学式の「不起立者」等数十名の「処分」を強行決定しようとして
います。「恫喝」と「処分」はまともな教育とは正反対の「非教育的」な蛮行です。今後5月には残る
卒業式の被処分者と新たに発令されるであろう入学式の被処分者・生徒不起立での被処分者が手を携え第三次不服審査中立を行うことになるでしょう。
 今、石原都政の下、都教委は「君が代」処分をテコに学校現場を丸ごと強権支配の下に置こうとして
います。それは憲法・教育基本法をないがしろにする暴挙であり、現場教職員はもとより、保護者・生
徒・良識ある都民・国民の大きな批判を呼び起こしています。都人事委員会に対する不服審査の申立は、単に私たちの身分・職を守る闘いではなく、憲法・教育基本法を守る国民の壮大な闘いの一環を担うも
のです。私たちは、石原都政・都教委による教育破壊の暴挙を許さず、不当処分撤回まで闘い抜く決意
を改めて表明するものです。
 皆様のご理解とご協力を切にお願いするものです。
2004年4月30日
   「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会


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4.30声明(英語)