日本音楽の段階的な教育課程が必要
2種類の授業方針
日本音楽の実践では,大きく分けて2種類の授業方針がある。ひとつはその音楽を
そのまま再現する授業であり,もうひとつは日本音楽の要素を取り出し,それを使っ
た音楽づくりをするという授業である。
音楽をそのまま再現する授業では,いきなり本格的な音楽の再現をすることになる。
生徒によっては,困惑しその音楽に困難な印象を抱くかもしれない。また,授業時間
には制限があるため,少ない時数での実施により,生徒によっては演奏自体が満足す
るに至らないこともあるだろう。その結果,充実した演奏経験を印象づけられない可
能性がある。
日本音楽の要素を使って音楽づくりをする授業では要素の選び方により,やさしい
課題を準備することが可能である。生徒はリズムパターンをつくったり,その音楽の
雰囲気を生かした旋律を創作する形で授業は進展するだろう。楽しい音楽活動を通し
て音楽のよさを感じ取る,という目標は達成されるだろう。
しかし,音楽づくりの授業の意義を,「イメージをさらに膨らませたり,表現に工
夫を加えたりする」1と考えると,数名の生徒は驚くべき成果を上げるかもしれない
が,多数の生徒は「体験する」というレベルを越えることなく終わる可能性がある。
日本音楽の基礎・基本を養う段階的な学習が必要
このような問題は生徒に日本音楽の基礎的,基本的な音楽素養を育成することなく
学習を実施することから生じる。学年ごとに,日本音楽の素養を育成するよう段階的
な教育課程を計画することで,発展的な学習が可能になるだろう。
これを実現するためには日本音楽の基礎,基本とする音楽的要素を整理し,様々な
段階の教材を開発したり,効果的な指導法を確立させていかなければならない。この
ことを課題として,さらに研究を推進していきたい。
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