教育実習について
教育実習は毎年行われている。ここでは,教育実習の効果とその問題点について考えてみたい。
1 大学での準備
大学では学習指導要領や,過去の教育論などを学ぶことが多く,実践に結びつく活動は少ないようである。以前,ある大学の音楽科教育法の授業を1年間参観した。その授業は3,4年の2年間に渡って行われ,3年では教育論や模擬授業を,4年では実際に教育実習に行く際の注意点などを学んでいた。しかし,そこで驚いたのは,学生が多いというのもあるのだろうが,模擬授業は一人1回,指導案提出も1回のみである。(2年間でである。)指導案は見せてもらったが,まず,形式がかなり古く現代的でない。また,内容はお話にならないほど稚拙な指導案であった。10名ほど見せてもらったが,すべてそうであった。その学生たちは,初めて指導案を書いたのだから仕方がないのであるが,この状態で現場に来られては,現場の先生方にかなりの迷惑がかかるだろうと感じた。
大学では,指導案に基づいた模擬授業を行い,それについて討論する時間を充分にとるべきである。そのためにはクラスの人数は多くても10名程度が望ましい。筆者の行った大学のクラスは60〜70名ほどいた。そんな大人数で充実した授業ができるはずがない。
2 実習校では
ある実習生はまじめな性格な方であった。聞くと,ある程度は指導案を書いたり,模擬授業を行ったりしてから,実習に臨んでいるようである。筆者が先程述べた大学の授業とは大分違うようだった。
しかし,実習生は,どうしても指導教官の授業スタイルを真似ようとしてしまい,単なる模倣で授業が展開されてしまう。生徒にとっては,勝手が分かってよいのだろうけれど,果たして実習生にとってはどうであろうか。自分のスタイルを確立するまでは3週間という期間は短いが,少しでも自分の教授方法について,スタイルを学ぶべきではないか。単なる模倣では,実際教壇に立ったときにやっていけないだろう。筆者の見た実習生で教官の授業の模倣をしているのだろうか,すべて一斉授業で指導計画を立てているものがいた。これでは生徒もあきてしまうだろうし,教師側も話題を提供するのに大変な手間がかかるだろう。
せっかく3週間あるのだから,教官がやって見せない授業を課題として与えることが必要だろうと考えた。そうすると,実習生は初めて自分の問題として授業に取り組み,様々な工夫を考えざるを得ない。今回は,鑑賞の授業を課題として彼に与えた。
3 研究授業では
まず,指導案の検討を十分にするわけだが,その中で,最も重要なのが「題材の目標」である。その目標が学習指導要領の何を実現することなのか,明確に位置づけが必要である。次に大切なのが,指導・評価計画である。目標達成のためにどのような手順,方法で生徒にアプローチし,何を評価するのかがそこに書かれていなければならない。3つ目に大切なのが,本時の目標と流れである。よく,勘違いしがちなのが,評価項目が多すぎる指導案である。1時間の授業で評価できるのは2項目ぐらいだろう。それ以上を例えば,観察によって評価すると書いてある指導案はその時点で失格である。また,一斉授業の形で観察による評価は不可能である。観察による評価は少人数グループの観察か,生徒に何かを記入させたものを評価するという2通りしかない。ましてや,教師が指導しながら評価するなどは,不可能である。
後,休日の部活の参観に本校の実習生は参加した。どうやら部活動での筆者の指導が見たかったとのことである。今までの実習生ではそんなことはあり得なかった。実習後の休日も参観に来て,また,実習生の使った部屋の片づけなどを行っていて感心した。
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