創作で使えるループシーケンサーソフト
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筆者は創作の授業を行うときできるだけ子どもにとって敷居の高い五線譜を使わない方法で行ってきた。それは音そのものに注目し,その音の組み合わせで一つのまとまった音楽を作ることが音への感性を豊かにし,感覚として音楽を捉えられると考えたからだ。ピアノなどを習っている子どもはいいが,ほとんどはそのような経験はない。その子達に五線譜をつかった和声的な楽曲を作ることを押し付けるのは,音楽嫌いをつくってしまうようなものだ。 筆者の行った実践では,例えばボディーパーカッションの取り組み。これは身体を叩きながらいくつかのパートに別れ,アンサンブルを行うもので楽器も使わないし,楽器を扱う技術もいらない。また,言葉の組み合わせによる創作。同じような言葉のを並べ,言葉のリズムに注目し,その微妙なずれを楽しむものである。また,短い音をくり返しパターン化し,それをいくつか作り時間軸に応じてずれていくというミニマルミュージックのような授業も行ってきた。 とにかく創作では五線を使わずに行いたい。ただでさえ,モチベーションが下がる作曲と言う行為の記録がまた難しい五線譜では子どもの感覚を引き出しそれを形にし,充実感がえられるのか疑問である。 そこで考えられるのが,コンピュータを使った創作だが,大部分の学校に入っているソフトは基本が五線譜になっている。そこに音符を貼り付けていく形式のソフトだ。一般に打ち込みソフトとか,MIDIシンセサイザーソフトとか呼ばれている。値段はかなり高価である。安いものもあるが平均すると4,5万円だろうか。このソフトは間違えて貼り付けてもソフトが直してくれるし,すぐに音として聴く事ができるから,自分のイメージと違う音楽であれば直すこともできる子もいるだろう。机を前にして五線紙に書きこみながらリコーダーなどで作るよりはるかに簡単である。 しかし,やはりそこには音への感性を高めることが充分にできるのかと言う疑問がわく。それに,ソフトの使い方と音符が読めるかどうかの個人差が大きく出てしまう。その理由はベースが五線譜だからだ。 一方,ループシンセサイザーソフトというものが約10年前に発売された。何種類かあるが,一般的には「Acid アシッド」というソフトが有名である。これはポップス界を中心に革命的な変化をもたらした。これはもともと音の素材がソフトに含まれていて,それを組み合わせ,音楽を作っていくものである。先ほどMIDIシンセサイザーと大きく違うのは,五線譜は一切使わないのと,音源が生音だという事だ。操作は至って簡単で,自分の好きな音源を選び, それをパズルのようにシートに貼り付けていく。どの音源をどのように選ぶかで曲の出来が決まる。操作が簡単で, 曲らしく短時間で製作する事ができる。音源はもともと入っているものでもいいし,CDなどから録ってもいい。なんなら自分で録音した音源も使える。これで値段はMIDIシンセサイザーの4分の1程度の値段である。 筆者が疑問に思うのはどうして値段も安く,短い時間で音楽科の目標を達成しやすいループシンセサイザーなぜあまり使われていないのか,使った実践が発表されないのかということである。恐らく,想像の域をでないが,情報不足,研修不足などがあるのではないかと考える。 しかし,10年前よりもはるかに進歩したループシンセサイザーソフトを使わない手はない。1万数千円で入手できる。まずは音楽科教師自身が自分のパソコンで使って見て欲しい。「これは授業で使える」とかならず思うはずだ。 |
![]() ループシンセサイザーの編集画面 |