スクールバスの運用による子どもの安全性の確保

 現在ある学校を取り巻く問題はいろいろあるが,整理してみると緊急性から考えて次の1点をあげたい。
 「子どもの安全をどう守るか。」

1 子どもの安全をどう守るか
 これは登下校時の安全と,授業時の侵入者の防御であろう。今までに起きている悲惨な事件はこの2つの場面で起きている。これを解消するために,スクールバスの運用と警備員の常駐を提案したい。
 スクールバスは市町村の行政バスを活用するのが最も現実的であろう。足りなければ業者に頼んでもよい。

 これを行うには当然お金がかかる。そのお金をいかに生み出すか。筆者はこれを「学校合併」によって可能だと考えている。学校合併によって通学距離が長くなる子どもがでてくるので必要な処置である。
 小中学校はスクールバスを有料で運用し,そうでない子どもは自転車通学,親による送迎にすればよい。警備員は各学校で警備会社に依頼をする。現在すべての学校で警備会社と契約をしているので,学校合併により学校数が減ればその費用はある程度は生みだせるのではないだろうか。

 現在,少子化が進み各学年の学級数は小学校で,1〜3,中学校で2〜4というのが平均である。
 このような小さな学校を合併し,現在の2倍程度の大きさの学校にするのである。かつてはどこの学校もそのぐらいの学級数を抱えていた。現在は空き教室が目立ち閑散としている。筆者は少なくとも各学年2学級以上が適正で3以上あればさらによいと考えている。逆に各学年2学級未満の学校は,子どもの安全のため合併を考えるべきである。
 もちろん地理的に無理なところもあり,すべての学校ができるとは思わないが現在の学校数の3分の2程度には減らせるのではないか。教師はそのまま新しい学校で働けばよいし,現在多忙を極めている管理職,特に教頭などは2人制にすればかなり余裕を持って働けるのではないだろうか。また,団塊の世代の方々が定年を迎え,若い管理職が必要となるが,学校数が減れば,その問題も最小限度でくい止めることができる。
 
 これによる地方財政へのプラス要因はかなり大きい。それは次の理由による。
 1つの学校でかかる経費は,生徒数とあまり関連がない。1学年が1学級の学校にも図書室があり,PCルームがあり,プールがあり,保健室があり,廊下には昼間でも電気がついていて,給食のトラックは毎日回っているのである。これらの経費は1学年が5〜6学級ある学校でもさほどかわらない。つまり,経費を頭割りすれば1学年の学級数が少ない学校の方が子ども一人にかかる教育費は高くついているのである。いったいこれらにいくらかかっているかご存じであろうか。驚いたことに電気代,水道代だけで一月約70万円はかかっているのである。これは学校規模とはあまり関係ない。つまり,学校数が少ない方が市町村の負担が減るということである。

 学級数が増えれば教師の数も増え,一人当たりの出張や校務分掌もへる。また,学級編成をする際に,生徒を分散することができる。小学校で1学年1学級の学級では人間関係が固定したまま6年間を過ごすことになる。また,そのような地域では中学校へ進学しても1学年2〜3学級であろう。つまり,9年間人間関係が(例えば強者と弱者が)固定したまま過ごす可能性もある。

 様々な問題があることは承知で,子どもの登下校の安全,授業時の安全,人間関係の拡大を優先させて,小さな学校の合併を推進し,スクールバスの運行と警備員の常駐を提案する。

2 集団登校の復帰
 スクールバスが無理でも集団登校を復活させることはできるだろう。現在,東京都では集団登校を実施していない地区が多いと聞く。理由は,班長になった子への責任の重さだというのだからあきれたものだ。登下校時は学校の管理下である。したがって,登下校を学校の方針にしたがって行っていれば,事故が起きた際は学校の設置者である地域の公共団体,すなわち区や都が責任を負う。班長はおろか教職員にも責任は及ばない。ぜひ,集団登校を復活してもらいたいものだ。
 
 いかがであろうか。学校を合併することの大変さは十分承知している。しかし,行政側の都合よりもまず子どもの安全を守るための学校をつくるための努力をすべきである。同時にほとんど進んでいない学校の自由選択制がスクールバスの運用により,現実に一歩近づくことにもなるのである。


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