職員室内LANのすすめ
ー校内LANの前に教師にネットワーク技術をー

 様々な研修や個人の努力があって,教師のコンピュータ活用能力は数年前とはくらべものにならないくらい高まっている。個人でコンピュータを所有している教師もかなりの割合になった。学校にはコンピュータ室があり,職員室には数台のコンピュータとプリンターなどが設置されている。教師は文書を作成したり,表計算ソフトを活用したり,写真や動画を編集したりと様々なソフトを活用できるようになった。

 現在,各教室などをつなぐ校内LANの設置が全国で進められている。校内LANが完成すれば,教室に設置されたコンピュータを使って授業中にネットワークを介して様々なコンテンツをプロジェクターなどで提示できるようになる。

 しかし,問題は教師のネットワーク活用能力である。コンピュータを使って表計算や文書作成ができても,ネットワークには慣れていない教師が現実に多いのである。自宅でインターネットを活用している率はだんだんと上がってきてはいるが,一般企業に勤めている人とくらべると,その必要性をあまり感じていない教師が多いのではないだろうか。未だにフロッピーディスクを使っている人がいるのも学校くらいなものであろう。

 一般企業に勤めているとメールのやりとりなどはごく当たり前のことであるだろう。一方,教師は仕事の上でインターネットを活用することがほとんどない。様々な連絡は,現在でも紙による文書伝達である。学校に残す生徒の卒業生名簿は和紙に墨で記録する。このように前時代的な方法が主流なのが教師の世界である。だいたい,教師の中でFAXが一般的に使用されるようになったのがここ4〜5年のことである。

 そのような現実を踏まえて,教師のネットワーク活用能力を高めるために職員室内LANの設置の必要性を提案する。

 職員室には共有のコンピュータがどこの学校でも数台設置されている。この中の1台をメインコンピュータとしてネットワークを構築するのである。このネットワークは教師が管理,運営するのでできるだけシンプルなものがよいだろう。主な用途は,校務に使う文書とプリンターの共有である。必要な機器はハブが数台とネットワークケーブルである。どちらも安価であり,数千円あれば職員室LANができあがる。消耗品費などの予算を使い回せばできるだろう。

 ネットワークを構築するには,基本的なネットワークの知識を持った教師が一人いれば可能である。IPアドレスの管理などが必要なので,各校の情報教育担当がネットワーク管理を担当し,構築することがよいと思われる。逆にそのような知識がない情報教育担当は,そのようなことを身につけなければいけないのである。

 この文書とプリンターの共有で,仕事はかなり効率的に行われるようになる。特にプリンター共有は,各自がプリンターを用意しなくてよいということになり,教師の自己負担を軽減することになる。また,文書の共有により前年度に行った様々な事業の文書がいつでも閲覧でき,次年度はその文書の必要なところを修正すればよいことになる。

 この職員室内LANは,できればコンピュータ室等とつないでコンピュータ室のサーバとのやりとりや,ルータを介してインターネットに接続できればかなり活用できる。各校に業者が入っていると思うが,このネットワークは教師が独自に行うことができる。業者が入らない分,学校独自でやりたいように作ることができる。また,業者はこのような細かいことまではやらないし,やるとすると別料金が発生することになる。

 この職員室内LANが定着すると,例えば授業時数や欠席数の報告はネットワークで行われることになる。また,学校評価などの集計を必要とするものも各自がネットワークを介して記入を行えば集計が完了していることになる。また,最も大きな影響を与えるのは評価交換や素点交換だろう。この元になるファイルをサーバコンピュータに作成し,LANを介してそれぞれ入力してもらえば評価,素点交換は完成である。今まで紙の素点簿などに記入していた学校は,記入するときに間違えるということが無くなる。

 このようなやりとりで,教師のネットワークに関する知識や感覚が高まり,ネットワーク活用能力が向上すると思われる。是非,校内LANの前に,職員室内LANを進めるべきだ。

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