富山市内軌道線は大学前〜富山駅前〜南富山駅前と丸の内〜荒町をД状に結ばれている路線で、通称を富山市内電車、略して市電と呼ばれている。本線、支線、安野屋線、呉羽線と富山都心線の4路線をひっくるめて形成されている。
安野屋〜大学前間以外と丸の内〜西町の環状線は単線・一方通行だが、いずれも複線化される予定。
昔は不二越駅前などに行く路線もあったものの廃止となり、路線が短縮している。また、南富山駅で笹津線、新富山駅からは射水線と直通し、笹津駅や新高岡駅(現:高岡駅前。新幹線駅とは別)までの直通運転も行っていたが、それぞれ600Vの鉄道線は廃止となった。
在籍車両は7000形と8000形だが、以前は3530形デ3533号が融雪剤散布車として在籍していた。
2009年の環状線開通時に9000形「セントラム」が登場、2010年には7000形置き換え用にアルナ車輌製の新型車両T100形「サントラム」が導入された。


T100形
2010年に登場した超低床車両で、「サントラム」の愛称がある。地鉄では初めてとなるアルナ車両製の電車で、豊橋鉄道T1000形「ほっとラム」と同じリトルダンサーUaタイプが採用されている。
この車両より付番方式が変更された。9000形の予備として、環状線に入線することがある。


大学前←→南富山駅前
T101A-T101C-T101B
T102A-T102C-T102B

8000形
1993年から活躍している車両で、旧来の7000形よりも車体長が50cm長くなっている。その当時から路面電車はアルナ工機が99%のシェアを持っていたが、富山地鉄では伝統的に日本車輌に発注する事になった。VVVFインバータ制御を採用し、5両が登場した。現在のところ、名鉄モ800とともに日本車輌製最後の軌道線車両となっている。

8001-8005
7000形
1957年から活躍している車両で、合わせて22両が製造された。しかし路線縮小や8000形登場により前期車10両が廃車となっている。
安物と言われた都電8000形をモデルに設計されたが、こちらは長生きしている。前後を絞らない無駄のない設計のため、かなり角ばった箱型車体となっている。
屋根上に電照広告が載っているのが特徴となっている。

7018号については塗装が変更されず、旧塗装のままである。新塗装化されていないので、リバイバル塗装ではない。

7012-7023
9000形
環状線用として登場した新潟トランシス製の超低床電車で、富山ライトレールの0600形とは兄弟車。白・銀・黒の3色が導入され、「セントラム」の愛称が付いている。形式名とモーター馬力が異なる。

大学前←→南富山駅前
9001A-9001B(白)
9002A-9002B(銀)
9003A-9003B(黒)
3530形
7000形登場以前に主力だった車両で、小型の2軸単車となっている。旅客車としての現役当時は7000形と同じくおでこの部分に方向板があり、ヘッドライトが白熱球の一球さんスタイルだった。
また正面窓や側面窓は2段式で、晩年のような金属・Hゴム支持ではなかった。救助網を装備しているのが独特となっている。


7000形登場後、3530形は廃車されたものの、3533号と3534号は残された。理由は除雪用に使うためだった。しかし万葉線の5022号と違いスノープラウを使って除雪するのではなく、融雪剤の塩化カルシウム散布とフランジ踏み固めが主な仕事だった。3534号は1999年で廃車となり放置されていたが、2007年4月に解体された。一方の3533号も2000年に機関車への種別変更され、2008年8月に廃車・解体となった。

ほくりく光速鉄道