3.0


キハ40系気動車は、ローカル線用として使用されていたキハ17系や準急型から格下げのキハ55系などの置き換え用として、1977年に登場した。これらの系列の置き換え用としてはキハ45系やキハ66・67系が使用されていたが、前者はエンジンが旧型のDMH17型であること、後者は製造費用が高額であることが災いし、少数ロットが生産されるにとどまった。そこで、コストを抑えた新設計の気動車を全国に投入する事になった。

車体は、キハ66・67系のものをベースとしている。キハ66・67系は大出力エンジンの搭載や冷房設置、転換クロスシートの採用などにより製造コストが高つき、15編成で製造中止となった。キハ40系列の高運転台仕様や、キハ47型の両開き2扉などはキハ66・67のものをそのまま受け継いでいる。

キハ40系が全国にくまなく配置されたのは、その便利さがあってのことだが、大きな欠点もあった。キハ40型では新型エンジンのDMF15HSAが搭載されたが、このエンジンの出力は220psで従来のDMH17型(180馬力)よりは高いものの、2機関搭載車の360馬力に比べると非力であった。また空転などのトラブルも多発したので、JR化後早々に機関換装を行われたものも多かった。

JR化後も各地の非電化路線で使用されていたが、1990年代後半になるとローカル線にも新型気動車が投入されるようになった。普通列車用に転用されていたキハ58系の老朽化が進み、キハ40系がその置き換え用とされる例も目立つようになった。現在のところ、JR各社にまだ相当数のキハ40系列が在籍している。

JR東日本と西日本では少数ながら、余剰による廃車が行われた。JR東日本ではキハ30系など、より古い気動車の全廃後、キハ40系の廃車が始まることが予想される。余剰車がJTに改造される例も目立ったものの、HB-E300系がJT用として新製されるようになったので、キハ40系のJT化はひと段落着いたものと思われる。JR西日本に所属する車両は車内や窓枠などに大規模なリニューアルを受けている。キハ58系同様、JR各社の中でも最後まで使用され続けることが予想される。またJR東日本と同じく、着地型JTに改造された車両がある。

JR東海と四国では後継の形式によって置き換えが進む予定である。四国ではキハ40系列に対する更新工事が行われていない。そのため、ワンマン化できないキハ47から順に1500形への置き換えが始まっている。東海では武豊線の電化によりキハ25系とキハ75系を高山線と太多線に転属させるため、キハ40系列は急速に数を減らすことになる。

JR北海道と九州では当面置き換えの計画はない。JR九州では着地型JTへの改造も活発に行われ、形式としては初の特急運用にも着いている。キハ185系同様に、四国で余剰となった車両の購入も行われた。

九州を除く各社にリバイバルカラーである首都圏色が在籍する。JR西日本では塗装簡略化のため、JTを除くすべてのキハ40系列が首都圏色に塗り替えられる予定。また、東海と東日本には、キハ20系のような国鉄標準色に塗装された車両も存在する。


北陸では1982年、3両のキハ40と5両のキハ48が敦賀に配置された。これは電源切り替え区間を通過する普通列車用として使用された。キハ40は1987年から88年にかけて富山に転属し、現在も氷見線・城端線で活躍を続ける。キハ48は1989年に転出し、現在2両が山口に在籍、3両が後に岡山に配属され急行つやま用として活躍したが、急行つやまの廃止に伴って2010年に廃車された。

現在、北陸では氷見線・城端線でキハ40系が見られる。また高山線の東海区間、おわら風の盆開催時の猪谷以北でも見ることができる。80年代末に敦賀から転属してきた3両のほか、2000年前後に豊岡や亀山、姫路などから何両かキハ40・47が転属した。2004年の加古川線電化によってキハ40・47が余剰となり、高岡にも多くが転属した。中には塗装変更が追いつかず、加古川色のまま運用に入った車両もあり話題となった。これによりキハ58・28は廃車となり、原型車は日本の鉄路から姿を消した。

2004年から「ハットリくん列車」の運行が開始され、2011年にはラッピングが新調された。




キハ40-2000 キハ47(トイレつき-0、トイレなし-1000)
旧ハットリくん列車 青 旧ハットリくん列車 赤
旧ハットリくん列車 黄 瀬戸内マリンビュー
JR西日本 更新色 キハ48 急行つやま
鳥取色 JR東海色
国鉄標準色(左) 首都圏色
JR四国色 JR九州色
特急はやとの風 キハ140 いさぶろう・しんぺい
日南線色 新潟色
新新潟色 男鹿線色
盛岡色 東北地域本社色
烏山線色 JR北海道色
加古川色 ※消滅 小浜色 ※消滅。当方に著作権がなく禁転載
ほくりく光速鉄道