万葉線は前身の加越能鉄道が富山地方鉄道高岡軌道線を1959年に譲受したのがはじまりで、富山新港建設で地鉄射水線が分断されると、西側の越ノ潟〜新湊も譲り受け、現在の高岡駅前(旧:新高岡)〜越ノ潟の路線となりました。このような歴史的経緯から鉄軌道が共存する現代のLRTのような路線となっています。
平成の世の中になると加越能鉄道の利用者は減少し続け、ついに加越能鉄道がバス転換を表明。結果、加越能鉄道は撤退し、代わりに第三セクターの「万葉線株式会社」が路線を存続しました。2004年から運行開始した低床車両「アイトラム」は6編成が導入され、日中の運用がすべて補えるため、7000形は予備車となりました(但し、かなり高い頻度で通常運用にも入る)。



MLRV1000形
2004年から登場した超低床車両。アイトラムと命名され、多くの市民からの人気を得ている。
当初脱線事故が頻発し、原因究明を進めた結果、車輪に問題があることが判明した。これらの車輪は全て交換され、また軌道も全て重軌道に交換された結果、このような事故は起こらなくなった。
第3編成からはライトがHID灯となり、第4編成からはシートモケットが変更になった(青→緑系)。
藤子・F・不二雄氏が高岡出身であることに因み、第4編成がドラえもん電車となっている。
標準色 ドラえもん電車
7000形(7070型)
現在残る唯一の旧型車輌、7070型。側面の不自然な車掌窓は設計変更によってなくなり、7000形の最終形態となった。
運用はアイトラムだけでも賄えるが、割と高い確率で7070型も運用に入る。
ビア電などのイベント列車はロングシートが必要条件になるので、この形式が使用される。
新猫電車(7073) 旧猫電車(7072)
7000形(7070型)猫電車
加越能時代の1994年に7072号(右)がこの塗装となった。公式な愛称は「アニマル電車」だが、正面の猫のインパクトが大きいので、「ネコ電車」と呼ばれることが多い。7072号の老朽化が進み、冷房も設置されていないことから、2009年に7073号(左)が新しいネコ電車として塗り替えられた。こちらは車内にも動物の装飾が施されている。7072号はその後も廃車とならず、予備車としてビール列車などに使用されている。
7000形(7050型)
1961年から高岡軌道線用として活躍している7000形電車。前中扉仕様の富山地鉄7000形をベースに前後扉に設計したため、車体の中間部分に不自然な車掌窓が残った。
番号が7051から始まるのは、射水線経由で直通運転していた富山地鉄の7000形と区別するためだとされている。

アイトラム増備によって車両数に余裕ができたため、最後まで残った7052号が廃車となった。

画像の7052号は現在、千葉県のポッポの丘にて保存。
7000形(7060型)
7060型は射水線内で連結運転をするため、密着連結器を備えた車両…だったが、数年で射水線は廃止となり加越能鉄道線内閉じ込めとなったので連結器はすぐに撤去された。
直通運転は7060型以外の7000形でも行われており、かつ7060型は2両しかなかったので、はたして7060型の連結器が役に立っていたかどうかは不明。
アイトラム増備により廃車となった。
デ5022号(機械扱い)
機械扱いで現存している元富山地鉄5010形・デ5022号。冬季に除雪車として活躍していたが、後継の除雪車の登場により引退。

ほくりく光速鉄道