天使のような彼女
道行く彼女を見た。
この世のものとは思えない美しい彼女。
きっと心もやさしく美しいに違いない。
僕は告白することを決めて、彼女を待ち伏せした。
彼女はいつも、この教会に立ち寄るのが日課だった。シスターという感じはしないのでボランティアでもしているのだろうか?
「はじめまして! もしよければ僕の話を聞いてください!」
彼女は天使のような顔で微笑んだ。
「好きです。つきあってください!」
「ねぇ、これでもいいの?」
いきなり彼女の背に白い翼が広がった。
僕はうなずいた。天使でもかまわない。好きだから。美しく穢れがないのだから、世間の女性よりずっといい。
「そう。わかったわ。じゃ、私は今から、堕天使ね。人間の女性と同じく――」
「……えっ。そ、そうなの?」
了