第五話







第五話『限界離脱領域』
さあ、今日もガンダム00の時間です。 今回の進行は僕たち。僕は沙慈・クロスロードです。よろしく。 その姉、絹江・クロスロードよ。 グラハム・エーカー中尉、27歳のおとめ座だ。 ビリー・カタギリです。よろしく。 落合監督も応援しているガンダム00も、早いもので今回で第五話目だ。 今回は中日優勝記念ということで、今まで以上に気合を入れていくので、 そのつもりでいるように! ほう、何かいつもと違うことでもあるのかい? いいや、全然?ただノリで言ってみただけだ。 ついでに言うと、私は中日ファンでも何でもない。 そ、そうなんだ・・・。 ははは、相変わらず意味の無い発言が多いな君は。 優勝記念はウソだけど、今日は沙慈とルイスの 宇宙旅行記スペシャルでお送りするわ。 ええっ、な、何だよそれ!! 仕方ないじゃない、アンタとルイスのシーンが多いんだから。 戦闘シーンもないし、今回はぶっちゃけギャグに走るしかないのよ。 それではいってみましょおーーー!! そ、そんな〜〜〜〜!!
ちょこっと寄り道 まるまるブレイクタイム!! 軌道エレベータのリニアトレイン発着ロビー。 沙慈はこの日、研修旅行のためにここを訪れていました。 姉の絹江も、その見送りに同行しています。 「姉さん・・・わざわざ見送りにこなくても・・・。」 「こっちの支社に用があったついで。いいこと、沙慈?しっかり勉強してくるのよ? いくら奨学金でいける研修旅行でも、旅費はあたしが出してるんだから。」 あれこれと沙慈に言い聞かせるその姿は、姉というよりも母親に近いものがあります。 これまで、弟と二人で暮らしてきた絹江にとって、この世でたった一人の家族(多分)である沙慈は息子のように可愛い存在。 でなければ、わざわざ弟の研修旅行の見送りになんて来ません。つーか普通は母親でも来ません。 その後も、ティッシュとハンカチはもった?何かあったらすぐ連絡するのよ?おみやげはちゃんと買ってきてよね。 などと、母親モード全開です。 「ごめんね、負担かけて。ルイスがどうしても個室がいいっていうから。」 「はあ、お金持ちのお嬢様って・・・。」 このままでは姉の世話焼きがいつ終わるかも分からないので、とっさに話題を変える沙慈。 どうやら、クロスロード家の家計を圧迫する理由の一つには、例のワガママ彼女が関係しているようです。 っていうか、ルイスのワガママが何故この一家の財布に結びつくんでしょうか。留学費用の中に研修旅行分は含まれていないのか。 仮に含まれていないにしても、ルイスの親が払うものじゃないのか。 沙慈もとんだ疫病神を捕まえたものだ、と絹江は心の中で呟きます。 「私がどうかしましたか?」 そこへ、疫病神登場。 「安心してくださいお姉様♪沙慈クンのことは、私がしーっかり面倒みますから!」 「そ、そうね、ルイスがいてくれたら安心・・・かな・・・。」 人の苦労など露にも知らぬような満面の笑みで話すルイス 面倒見るも何も、個室だ何だとワガママを抜かすような奴にその資格があるんかい! 絹江はまたも心の中で突っ込みを入れますが、大人なので口に出す代わりに、引きつった笑みで答えます。 姉公認の間柄かと思われていた沙慈とルイスですが、どうやら絹江はルイスが苦手なご様子。 「沙慈、旅行気分になって羽目をはずし過ぎないようにね。 ルイスに変なことしちゃだめよ?」 沙慈の方へ向きなおり、早速釘をさしておく絹江。 本来は公認のカップルをからかい、文面とは逆の意味でかける言葉ですが、絹江は文面ままの意味で使っています。 もしあの子が沙慈のお嫁さんにでもなったら、今後一生あの子のワガママに振り回されて金を湯水の如く消費するに決まっている。 沙慈ってば、昔は「お姉ちゃんと結婚する」とか言ってたのに。一体どこで育て方を間違ったのかしら・・・。 「あはは、大丈夫ですよお姉様!沙慈クンにそんな甲斐性ありませんから〜♪」 沙慈のヘタレさを馬鹿にする発言をかますルイス。本人とその家族を前にして、なんたる暴挙でしょう。 しかしこれは、沙慈の男としてのプライドを刺激し、沙慈の口から決定的な言葉を引き出す、あわよくば旅行先で・・・なことを 実行してしまおうというルイスの作戦。絹江の心を読み取っていたからこその発言でした。 しかし、ルイスの言葉を文面ままに受け取った沙慈は、ルイスに期待されていないと思いマジ凹み。 そのまま二の句が出てこずに、無言を返事としました。 「ぶっちゃけ、この子はアンタに合わないと思うんだけど?」 人の弟を好き勝手に侮辱するこの小娘は何なんだ。そしてそれに対して何も言わないお前も何なんだ! たまらず、嫁の愚痴を漏らす姑のように沙慈に不満を投げかける絹江。 あたしはアンタのために言ってやってんのよ?悪いことは言わないから、早く別の子に乗りかえなさい。 あんなスタイルだけで頭の弱い女よりも、しとやかで大人っぽくて勉強が出来て常識あって、家事も仕事もキッチリこなすような 女性を探しなさい。世界情勢を把握していて、広い視点で物事を見れるジャーナリストみたいな人だとなお良し。 「聞こえてますよ、お姉様?」 野次馬能力に特化したルイスの耳。その集音性は、一話に出てきたMSイナクトに勝るとも劣りません。 当然、絹江の小言も逃さず聞き取り、目が全く笑っていない表情で微笑みかけます。 この嫁姑の骨肉の争いは、これから先もしばらく続きそうです・・・。
ははは、いつの世も、嫁姑の戦いというものは恐ろしいものだな。 モテる男と言うのは苦労するな、沙慈くん。 は、はあ・・・。 まったく、そんな情けない返事をしている場合じゃないのよ? アンタの意志は尊重してあげたいけど、アンタは本当にあの子のことを好きなの? ね、姉さんには関係ないじゃないか・・・。 関係なくありません。もしかしたら未来のお嫁さんになるのかもしれないのよ? もしその気持ちが無いのなら、ずるずる引っ張る前にスッパリ関係を切りなさい。 その方が、彼女のためにもなるのよ? まあまあ、お姉さん。この歳の子供にそこまで決断を急がせるのはナンセンスです。 若い頃はちょっと火傷をしておいたほうが、将来的にもいいと思いますがね。 色んな異性と親交を深めるのも、また勉強ですよ。 いやあ、いいこと言ってるかもしれないけど、同性愛者のキミが言っても 全く心に響くものがないねぇ。 え゛!?・・・そうなんですか? 軍人には、そういう人が多いとも聞くけど・・・。 おいおい、何を言いだすんだカタギリ。 私がガンダムを追い掛け回すのは、ガンダムに興味があるからであって、 そのパイロットにはちっとも興味は無いのだぞ。 見ろ、お前の発言で、私を見る二人の目が少し冷ややかではないか。 沙慈くん、誤解しないでくれたまえ。私にそんな趣味は無い。 は、はい、そうですか・・・。 む、その目はまだ信じてないな? ようし、そこまで言うのなら私にも考えがあるぞ。 沙慈くん、今ここで裸になりたまえ。 私が男の裸などに欲情しないことを証明して見せよう。 なあに、恥ずかしがることは無い。君の国の「セントウ」などでは みんな裸で同じ湯に浸かるのだろう?それと同じだと考えたらいい。 さあ、何をしている。早くしたまえ・・・。 や、やめてくださいよ・・・。 姉さん!見てないで助けてよっ!! ん〜?そうねぇ・・・今ここで、ルイスとの付き合いをやめると宣言したら、 助けてあげないでもないわ。 そ、そんなぁ〜〜〜! 僕がそっちの世界に足を踏み入れても良いっていうの!? 沙慈・・・世の中には色々な愛の形があるのよ? 真実を求めるジャーナリストとして、むやみにそれを否定するなんて出来ないわ。 い、意味わかんないよ〜〜〜〜!!!
沙慈とルイスを乗せたトレインが発車しました。 二人の周辺に乗客がいないのを見ると、先ほどの会話で出てきた個室と言うのは、どうやらこれのことだったようです。 ルイスは二人っきりの空間を作って、一体何をするつもりなのか。 筆者は宇宙に出たことが無いので分かりませんが、重力下でするのとはまた違った気持ちよさがあって新鮮かもしれませんね。 テレビをつけ、軌道エレベータのガイダンスビデオを視聴し始める沙慈。 研修旅行というものは、大抵は最初の二文字は無視して楽しむものですが、 沙慈はちゃんと勉学の努力を怠らない生真面目な子でした。 集団旅行の際には「白ける」と非難を浴びる行動ですが、 今はルイスしかいないので、彼女さえ大人しくしてくれればゆっくりと視聴が続けられます。 ですが、初めての宇宙旅行で黙って座っているルイスではありません。 早速、買ってきたプリングルズを宙に浮かべてたり、ジュースを指でくるくる回したりと、無重力を満喫中。 小学生時代の遠足とか、おやつ代500円を余裕でオーバーする子でした。 高校生にもなってこの落ち着きの無さは、またも彼女の頭の具合を心配にさせますが、この無邪気さが魅力でもあるのです。 ところが、無邪気よりも落ち着きのほうに期待した沙慈は、 目の前で繰り広げられる珍行動のせいでビデオに全く集中できません。 「もう、見てるのに・・・。」 「い〜から。遊びにいくいく〜!」 結局、ルイスに強引に外へと駆り出される沙慈。 個室にした意味が全くありませんでした。 しかしこれは、彼女の性格からこうなるであろうと予測し切れなかった、 そして二人っきりの旅行なのにも関わらず、ルイスに全く構ってあげようとしない彼が悪い。
な、何やってるのよこの子は。 わざわざ高い金払って個室にしてあげたのに、これじゃ全く無意味じゃない。 アンタの小遣いから差し引かせてもらおうかしら、沙慈? そ、そんな!ちょっと待ってよ!! ただでさえ今月はルイスに奢らされる頻度が多くてピンチだってのに・・・。 って、いつも奢ってんのかい!! 金持ちが一般庶民に奢らせるってどうなんだ・・・! まあまあ、お姉さん。そう熱くならずに。 ルイス嬢の本質を見抜けなかったあなた達姉弟も悪いですよ。 というか、そういう破天荒さも全て受け入れるくらいの器量がなければ、 未来の夫と姑として、今後やっていけませんよ。 それはそうかもしれないけど・・・・・・。 ガチホモの人に言われたくないというか・・・。 カタギリさん、でしたっけ?良くあなたは今日まで無事ですね。 ああ、それはこの髪型のおかげかな。 彼、ポニーテール萌えじゃないみたいなんだ。 ああ、その奇怪な髪型はそのためですか。 え・・・そんなに変かな? 僕はこれはこれで気に入っているんだけどな・・・。 おかしいですよ。 変ですね。 全く持って理解不能だな。 そ、そうなんだ・・・やっぱり変か・・・・。
「よ〜やくついた。・・・どったの?」 「疲れたの!キミが時間いっぱい連れまわすから・・・。」 「だらしないなぁ〜。」 「ルイスがタフなんだよ・・・。。」 ルイスに言われるままに連れまわされ、エレベータ内を地上から最上階まで往復しても お釣りがくるほどに車内を動き回った沙慈。こういうとき女性のほうが強いものですが、 彼の場合それに加えて、短いスカートにも関わらず無防備に飛び回る彼女に気が気じゃなかったのもあります。 見ず知らずの男に、ルイスのを見られてたまるか。まだ僕だってちゃんと見たこと無いのに。 その後、研修監督者のボルスさんと合流し、さっそく外へ出て実際の宇宙を体験します。 前日の予習がバッチリな沙慈。ボルスさんの質問にも、きっちりとした模範的な回答をします。 「ねえ沙慈!!見てみて〜!!」 ところが、問題児ルイスはボルスさんの話を聞こうともせずに個人行動。 あまりに身勝手な彼女を、沙慈は注意しようとします。 まったく、何をやっているのかしらないけど、そんなに遠くに行ったら危ないじゃないか。 何かの拍子で、漂っているデブリに当たりでもしたらどうするんだ。 そんなエマ・シーンみたいな死に方、僕は見たくないからね。 そう言おうとした沙慈の目に映ったのは、自分の真下に位置する地球。 普段は住んでいるから実感ありませんが、こうして外から見る広大な青き星は、見るものを感動させます。 「綺麗ね・・・。」 「・・・うん。」 ルイスを連れ戻そうとした沙慈ですが、目の前に広がる美しい光景に、いつしか心を奪われていました。 「二人とも、気をつけて。高度一万キロとはいえ、微重力はあるんだ。 足を踏み外したら、地球へまっ逆さまだぞ。」 ボルスさんは二人に注意を呼びかけますが、彼はわかっていません。 このような状況でその発言はフラグです。足を踏み外せと、落ちろと言っているのと同義なのです。 更にそこへきて、普段から緊張感に欠けるルイスです。もう、次に起こる事態は決まっています。 「あはは、すいませ〜ん・・・ってうぉわっ!!」 視聴者の期待を裏切らないことで定評のあるルイス。 ボルスさんの立てたフラグを忠実にこなし、そのまま下へまっ逆さま。 エマ・シーンどころか、クラウンみたいな死に方を再現しそうになります。 「ルイス危ない!!・・・・って、うわわわ!」 咄嗟にルイスの手を掴みますが、こんなところでもヘタレさを露呈する沙慈。 引き上げるどころか一緒に落ちてしまいます。クラウンの次はカクリコンの番のようです。 「さ、沙慈のバカ!!ちゃんと助けてよ〜〜!!」 彼氏のあまりの頼りなさに軽く絶望するルイス。 このまま、クラウンとカクリコンは大気圏の高熱に焼きつくされてしまうのか? 二人が地球の引力に引き込まれる寸でのところで、ボルスさんが命綱を手繰り寄せて事なきを得ます。 (ふう、先が思いやられる・・・。) 研修開始からわずかでこのようなアクシデントに見舞われるとは思っても見なかったボルスさん。 この研修の終了後、宇宙服メーカーに人間用バリュートの開発の依頼が殺到したとかしないとか。
全くあんた達は・・・研修先で何をやっているのよ。 よく今まで、何事もなく生きてこれたわね。 ま、まあね・・・。 たまに駅のホームから落ちそうになったりするけど、大丈夫だよ。 って、どこが大丈夫だああああ!! もういい、あんた達の行動は見ているだけで心臓に悪いわ! そ、そう?じゃあやっと、元のレビューに戻るんだね。 良かったよ・・・。 はあ?何言ってるのよ。次回以降こんなことがあるようなら、 私はいつでも横槍入れに現れるわよ!! そ、そんな〜〜〜〜〜!! ふっ、仲のいい家族というのはいいものだな。 後半からは、シリアスシーンメインで進めるのでそのつもりでいるように。 ところで沙慈くん、お姉さんの仕打ちが怖いのなら、今日は私の所に泊まっていかないか? 飾り気の無い軍の宿舎だが、色々ともてなしはするつもりだよ。色々とね・・・。 い、いえ、結構です!! (誰か僕に平穏な時間をください・・・・・・)
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