急遽、内容を変更したミッションだが、無事完了の報を受ける。
艦内の緊張が解け、スメラギは安堵と煩悶の入り混じった溜息をつく。
「”ヴェーダ”が推奨したミッションを放棄し、人命救助を優先させるなんて。
しかも、デュナメスの高高度砲撃能力まで、世界に晒してしまった・・・。」
「プランの大幅の修正が必要ね。」
この一件で、予定外の作戦行動を展開したCBは手の内を見せすぎてしまった。
ティエリアの指摘に、苦笑を交えつつ答えるスメラギ。
「ミッションを変更し、ロックオン・ストラトスに指示を出したのは、あなただ。」
CBは、いかなる犠牲も覚悟の上で行動している。
我らの目的に関係の無い命の生き死にに、干渉している暇などない。
にも関わらず、個人的な感情で動くアレルヤ、そしてそれを容認するスメラギ。
戦争根絶の理念実現を最優先とするティエリアは、彼女の決断を厳しく批判する。
「適性に欠ける者を、ガンダムに乗せるべきじゃない。」
「あなたは、どうなの・・・・・・?」
戦争根絶という使命を妨げるものは、たとえ味方でも許さない。
冷徹なまでの強い意志を秘めた目の前の少年に、スメラギは小さく呟く。
ティエリアの言うことは正しい。しかし、私たちは人間なのだ。機械ではない。
自らの感情は、そう簡単に殺しきれるものじゃない。
それすらも、彼にとっては適性が欠けている証拠に当てはまるのだろうか・・・?
何が正しくて、間違っているのか。
何が正義で、悪なのか。
スメラギは、小さくなってゆく背中に問いかける―――。
第六話『セブンソード』
今日もガンダム00の時間がやってきました。
進行は私、クリスティナ・シエラです!!
・・・・・・・・・フェルト・グレイス。
モラリアのMSパイロット、アリー・アル・サーシェスだ。
AEUのスペシャルエース、パトリック・コーラサワー様だ!!
長き沈黙を破って遂に復活したぜ!!
最近ぽっと出の小国のエースなんかとは格が違うんで、そこんとこよろしく!!
・・・・・・・・・。
あ?その目は何だよガキんちょ。
言いたいことがあるならはっきり言いな。
・・・・・・・・・。
・・・え、何?どしたのフェルト?
(ボソボソ・・・。)
おい、何をひそひそと話してやがる!
「こんな人知らない」だって。
あぁ!?この俺がダレだか分かってないぃ!?この常識知らずのゆとり教育が!!
AEUのパトリック・コーラサワーだっつってんだろ!!
模擬戦でも負け知らずの、スペシャル様なんだよ!!しらねぇとは言わせねぇぞ!!
って第一話でも言ってるじゃねーか!長いセリフを何度も言わせるなよ!!
ん〜〜・・・・・・わり、全然聞いたことねーわ。
おいおいマジで言ってんの!?ったく、これだから田舎もんは・・・・。
第一話見てねぇのかよ!!そこのお前は知ってんだろ?な!?
え、えっと・・・・・・あはは・・・・・・。
あ、ひょっとしたらスメラギさんなら分かるかも。
レモンサワーとかカルピスサワーとか、たまに飲んでるし。
アルコール飲料じゃねーよ!!
俺が人に会うたび、何回同じツッコミしてると思ってんだよ!!
お前ら、冗談はよせ!本当は知ってるんだろ!?知ってるはずだ!知ってると言え!!
・・・・・・・・・。
か、哀しい目を向けるんじゃねえええええ!!
・・・とまあ、ひとしきりツッコミは終わったみたいだし、
そろそろ本編へ突入しようじゃないの。
勝手に進めんじゃねえええええ!!
「・・・・・・ったくひでぇもんだな、ソレスタルなんたら、ってのはよ。
ここにある石っころが採れなきゃ、この国の経済は破綻・・・その影響を受ける国や企業がどんだけあるか・・・。
戦争を止められりゃ、下々の者はどうなってもいいらしい。」
南アフリカの鉱物資源採掘場。ガンダム襲撃によって受けた打撃は、この採掘場の機能を停止させるほどに深刻なものであった。
アリー・アル・サーシェスが、目の前に広がる惨状を嘆くように独り言ちている所に、上層部からの連絡が入る。
「ふっ・・・ようやく重い腰を上げやがった、AEUのお偉いさん方がよぉ・・・・。」
AEUの、モラリアへの軍隊派遣。
CBの武力介入により、真っ先に辛酸を舐めさせられたAEUが、ついにCBへとその矛先を向けるのだった・・・。
プトレマイオスへと帰艦したアレルヤ。
しかし、遂行するべきミッションを放棄した彼は、その厳罰として営倉入りを言い渡されていた。
「何者なんだ、一体・・・。」
あの日、わが身に起こった不可思議な現象。「もう一人の自分」を呼び覚ました謎の存在。
その存在が、この一週間、アレルヤの思考を支配し続けるのは容易なことであった。
「その様子だと、とても反省をしているとは思えないな。」
ティエリアが姿を見せた。
命令違反を犯したという自責の念を見せない彼に、厳しい叱責を浴びせる。
アレルヤ自身もそれを否定せず、ただ黙って受け止めた。
「アレルヤ・ハプティズム。君はガンダムマイスターに相応しくない。」
「キュリオスから降ろす気かい?」
「そうだ。・・・・・・と言いたい所だが、そういうわけにもいかなくなった。」
その言葉に続くように、スメラギが次のミッションの開始を宣言する。
次の戦場は、モラリア共和国。2284年にヨーロッパ南部に建国した小国にて、
AEUとモラリア軍が集結するという情報をキャッチしたのだ。
かつてない大規模なミッション。成功させるには、全てのガンダムが力を結集させる他に道は無い。
二人のガンダムマイスターは、戦火たちこめる大地へと再び降り立つために走りだす。
さあ、アレルヤの営倉入りも解除されて万々歳!
新たな気持ちで、CBの活動を再開しちゃいましょう!!
・・・・・・・・・おー。
それにしても、当然の罰とはいえやはり独房入りは辛いよなあ。
狭い部屋に独り閉じ込められるなんてよ。
俺だったら、給料なしで良いから外出させてくれ、って泣いて頼みたいくらいだぜ。
・・・・・・いや、それはそれで困りもんか?
そうですよ。特に女の子は肌の手入れとか大変なんですから。
一週間も閉じ込められたら、もう一生外へは出歩けませんよ。
私だったら、毎日お酒に付き合うからメイクだけはさせてくれ、ってスメラギさんに泣きつきますよ。
・・・・・いや、それはそれでお肌に悪い気が・・・。
フェルトも嫌だよね、独房入りなんて。
・・・・・・・・・・・・・私は、人と話さなくていいなら、それでもいい。
ちょっ、どこまで内向的なのアンタは!!
ただでさえ、いつも艦内という狭い空間でしか生活していないのに、
さらに狭い空間を選んじゃだめでしょ!!
・・・・・・・・・・・・パソコンさえあれば。
いやもうそれ、罰でもなんでもないから!
ただの引きこもり生活だから!!
ったく、ごちゃごちゃとうるせーなあ。これだから凡人どもは。
俺なんか、一話目に出て以来今日までこれっぽっちも出番が無かったんだぞ!?
一週間どころか一ヶ月以上の出勤停止だよ!!その間ずーっと病室のベッドだよ!!
大して怪我もしてねぇのに!!行動範囲の狭さでいったら断トツで俺の勝ちだろ!
それがお前、たかが主役級のキャラが謹慎食らったからって騒ぎすぎじゃねーのか!?
それとこれとは話が違いますよ。あなたの場合、それはただのネタじゃないですか。
一発屋の芸人が一時期ブレイクした後、消えていくのと同じですよ。
騒ぎすぎも何も、お前が一番騒いでるんじゃねーか。
そもそも、お前の出番がないことなんて誰も騒ごうとも思わねーよ。
な、何言ってやがる!!テメェ・・・わかってねーだろ!!
・・・・・・・・・・。
何だ、またその目か、ガキんちょ!!
今度は何が言いたいんだよ!
・・・・・・・・・。
・・・え、何?どしたのフェルト?
(ボソボソ・・・。)
おい、また何を耳打ちしてやがる!!
「かわいそうな人だね」だって。
哀れんだ言葉を向けるんじゃねえええええ!!
逸れたるビーイング(仮)
さて、ネタに詰まったとき恒例のギャグパート、なんですけど・・・・。
こ、このタイトルは・・・・・・?
プッ、何だよこのセンスの無いネーミングはよ!!
まさか「逸れる」と「ソレスタル」をかけてんのか!?ダッセェー!ダサすぎるぜ!!
「(仮)」って付いてるところがまた言い訳がましくて逆にみっともねーな!!
こんなん考える奴の気が知れねーよ!!ウハハハハハハハハッ!!!
・・・・・・・・・・・・・。
ま・・・・・・まさか、名付け親はフェルトなの?
あーあ、やっちまったよこの炭酸野郎。
乙女心に傷をつけちまったぁ。
な、何だよ。おかしいもんをおかしいって言って何が悪いんだよ。
・・・・・・・・・・・・・・・帰る。
ま、まま待ってフェルト!!いくら何でも早いから!
大丈夫だって!一度や二度の失敗くらい!!
何か上手いこと言いたくて逆にスベるなんて、フェルトくらいの歳にはありがちな事だよ!!
・・・・・・・・口元が馬鹿にしてる。やっぱり帰る。
わわわ、だから待ってって!馬鹿にしてないから!!
誰だって中学時代は黒歴史を生み出すものなの!!
後で、私の中学の卒業文集見せてあげるから!!
今のフェルトより10倍はイタイから!・・・・・・多分。
明日のミッションは、CBの活動が始まって以来の大規模な作戦。
それ故に、スメラギたちブリッジクルーも、直接地上へ降りての作戦指揮を行う事に決まりました。
ちなみに、地球へ降りたのは女性陣三名のみ。操舵担当の男二人は、狭い艦内へ置き去りのまま。
2307年になってもまだ、レディーファーストを飛躍させた庶民の女性優位な風潮は払拭されていないようです。
せめてもの嫌がらせにと、お土産にエロDVDを頼もうとしたラッセとリヒテンダールですが、
後の仕打ちが怖いので無難に名産品とペナントをオーダーしました。
「スメラギさん、マラリアへの直行便は明日ですから、それまでは自由行動でいいですよね?」
「そうしたい?なら、OK!」
「やった!!」
普段はCBの一員として類まれなプログラム技術を駆使しているクリスですが、
実際には花も恥らう22歳の女の子。久々の外出に、心躍らせるのも無理はありません。
スメラギさんのお許しが出るや否や、さっそく買い物へ行こうと立ち上がります。
「フェルト、買い物いこっ!!」
「ミッションプランの検証がまだ・・・」
「いいから行こ。私らが活躍すればするほど、物価が上がるんだから!
今のうちに欲しいもの買っておかなきゃ!!」
「仕事>プライベート」なフェルトをパートナーに連れて行く、公私の割り切りが上手いクリス。
リアルな話を交えつつ、バーゲンセールという名の戦場へ介入します。
スメラギさんも一緒に行けばいいのでは?と思ってしまいますが、「酒>その他」な彼女は、
空いた時間で早速燃料補給。スメラギさんの燃費の悪さはCB内では有名で、
アルコールによる武力介入を幾度と無く受けてきた彼女の胃腸は既に壊滅寸前だと聞きます。
そんなスメラギさんが訪れたのは、某ホテル内のバー。
AEUとモラリア軍の動向を注視しつつ、目の前に置かれたワイングラスを手にします。
宅飲みで済ますのかと思いきや、高価な燃料を補給するつもりでしょうか。
胃腸どころか、体全体に壊滅的な打撃を受けないか心配ではありますが、
彼女がこの場所を選んだ理由は、どうやら別にあるようです。
「やはり、気になるかい?」
不意に声をかけられ、スメラギが振り向くと、そこにはMSWADの技術顧問、ビリーの姿が。
何故このポニーテールが!?虚を付かれて唖然とする視聴者。お前、こんな場所にその服装はないだろう。
ですが、彼にとって普段着ているこの服こそが勝負服そのもの。
そう言われてしまっては、もはや我々には何も言えません。
いや、でもその髪型はないだろう。よくそんなんで入ってこれたな。
むしろ、よく今までその髪型で過ごしてこれたな。
「君ならどう見る、モラリアの動向を。」
「そういうのやめましょ?久しぶりに会ったんだから・・・。」
てっきり、目の前の美人にビリーが下手なナンパをしにきたのかと思いましたが、
どうやら二人は大学院以来の学友。それもこうして二人きりで会える所を見るに、かなり親しかった仲のようです。
僕は留美一筋なのでさほどショックではありませんが、それでも「よりにもよってポニテかよ!!」という感情は沸き起こります。
それに比べると、全国のスメラギさんファンは画面上で起こる凄惨な光景を前に、一体どのような気持ちなのでしょうか?
魂の叫びをお聞かせください。
「あ〜、堪能した〜〜〜!!」
「・・・・・・・・・・・疲れた。」
スメラギさんファンの精神状態が気がかりなので、ここらで一つ清涼剤を投与します。
無事に戦場から帰還したクリスとフェルト。部屋中には大量の戦利品が散在しています。
見渡す限り洋服、靴、化粧品・・・。これらを女子二人で持ち帰ってきたのかと思うと、フェルトの疲労具合も計り知れます。
今まで、一度の洋服選びで二万以上のお金を使ったことのないフェルト。
次々に紙袋が量産されていく様を目の当たりにして、ニ、三度卒倒しそうになりました。
そして更に驚くべきは、クリスの荷物運搬技術。華奢なフェルトに荷物を持たせるのを遠慮して、
全体の7割ほどを自分の手で持ち運んできた彼女。3割のフェルトがこの有様なのに、実にピンピンしています。
細い身体のどこに力を入れて立っているのか。宇宙空母ドロス並みの積載能力に、改めて尊敬し直します。
「これもいいわね!あっこれもいいかも!いやぁ〜ん可愛い〜〜!!」
「・・・・・・・・・・・ね、寝かせて・・・・・・。」
クリスのバトルフェイズはまだ終了しちゃいません。早速、買ってきた洋服をあわせてみます。
最初の三十分くらいは自分のを吟味していましたが、その後は延々とフェルトのコーディネイトに没頭します。
フェルトを妹のように思ってきたクリスは、持ち前の世話焼きっぷりを発揮、その結果フェルトは
クリスの着せ替え人形と化し、もはやされるがまま。結局、この姉妹のファッションショーは深夜まで続いたとか・・・。
さて、これで終わりかと思っていたスメラギさんファンの皆さん。やはりここは避けては通れない道のようです。
思い出話に花を咲かせるのもほどほどに、二人は現在の身のあり方を語り合います。
スメラギさんは、まさか素性を話すわけにはいかないのでそれとなく濁していましたが、
ビリーの方はというと、自分の所属する対ガンダム調査隊の存在、その部隊の技術主任として、
二人の恩師、エイフマン教授が携わっていること、そして教授が、ガンダムの放出する粒子の正体に気付きつつあること。
等など、核心的な機密は伏せていますが、これでもかというくらい暴露しまくります。
恋は人を盲目にさせると言いますが、流石にこれは喋りすぎです。彼女を民間人だと思っていても喋りすぎです。
酒に酔ってどころか、意中の女性に酔って思わずゲロってしまうとは、彼の軍人としての自覚が問われます。
「こうしてまた会えて、嬉しいよ。」
「・・・うん。」
スメラギさんファンに引導を渡す最後の一撃。
彼女の手に自分の手を重ね、甘くささやきかけるビリー。
過去に何があったのかはしらないが、慣れなれしくスメラギさんの柔肌に触れるな!!
そんな宇宙の嘆きが聞こえるようです。
もしあの小指あたりに、スメラギさんの豊満なお胸がかすりでもしていたら・・・・・・。
そうでなくても、妄想力豊かな男性諸兄にとって最悪の事態を仄めかすこのシーンです。
来週あたり、ユニオンのレギュラー席が一つ空くことになるかもしれません。
うわわわ・・・・・・!ま、まさかスメラギさんにこんな変な、いや・・・
エキセントリックな元カレがいたなんて!!
・・・・・・・・・・言いかえてもあまり変わってない。
元カレだか何だかはしらねぇけどよ。
男の方はベラベラと情報を喋るわなんだって、もうダメだろ、軍人的に。
女の方も、敵の技術仕官と接点があるなんて、お二人さん不安じゃないのか?
この女から、あんたらの尻尾を掴まれることもあるんじゃねーの?
う〜ん、それは問題ですね・・・。お酒の勢いで何かが漏れても困りますし・・・。
今度からは、私たちの目の届かない所での飲酒を禁止にしないと!
っていうか、作戦前夜に飲み歩く神経が信じられません!!
迎え酒とか言うけど、そんなのただの言い訳ですよね!?
作戦前日に洋服漁りまくる奴に言われたかねーよな。
すげぇ量の買い物だったよなぁ、アレは。
一体どんだけ使ったんだよ?
さあ・・・私、使うときは糸目をつけずに使うタイプだから・・・。
そもそもカード払いだったし。フェルト、どんくらい使ったかって、覚えてる?
大体でいいから。
・・・・・・・・スメラギさんに怒られる金額であることは確実。
え゛!!・・・・・・マジで?
どうして止めてくれなかったのよぉ・・・。
・・・・・・・・・止めれば止まってくれたの?
う・・・・・・。
・・・・・・・・・頼んでも寝かせてくれなかった人が?
うう・・・・・・・・・。
お前もうダメだろ、金銭感覚的に。
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