第八話「無差別報復」








逸れたるビーイング
またギャグ編かい?本日二回目なんだけど・・・。 まあ、そう言うな。 このシーンでの皇女様の早とちり具合が少し可笑しかったんだよ。 それに、また刹那がやらかしたらしいから、今回も上手く誤魔化そうと思ってな。 ・・・・・・・・・。 ・・・・またなのか。いい加減撃ち殺したい。 まあそれは、今に始まったことではないから置いておくとして 最近ギャグ編に頼りすぎじゃないのか? う・・・痛いところを。 甘えは己の堕落を呼ぶぞ。 ・・・・・・善処します。 って、俺が謝るのもおかしな話だけどな!!
「余計なこと、したかしら?」 「いや・・・。」 「こんな場所で、同郷の人と出会うとは思わなかったわ。 あなた、アザディスタンの出身でしょ?」 「違う・・・クルジスだ。」 高速道路を抜け、町外れへと移動した二人。 マリナが刹那を助けたのは、彼が自分と同じ国の者だと思ったからでした。 何故アザディスタンの出身だと思ったのか。普通は肌の色やら身なりやらで判断しますが、 少なくとも僕の目には、二人の共通点が一つも見当たりません。 そして、周知の通りクルジス出身の刹那はバッサリと否定。 「そ、そうなの・・・。私なんて言ったらいいか。」 クルジス。 その言葉を聞いた途端、後ろめたい気持ちでいっぱいになるマリナ様。 それもそのはず。刹那の祖国、クルジスを滅ぼしたのは、 近隣国であるアザディスタンに他ならないのです。 同郷という思い込みで声をかけた相手が、まさかかつての敵国の民だったなんて。 さっそく、自分ひとりで勝手に自爆するマリナ様。 初登場時から何か頼りないオーラを醸し出していましたが、姫様はかなりのドジっ子のようです。 「じ・・・自己紹介、まだしてなかったわね。 私、マリナ・イスマイール。」 「カマル・マジリフ。」 コミュニケーションの基本は自己紹介から。 気まずい空気になりそうなのを何とか変えようと、お互いの名を名乗る両者。 刹那のほうは、前回沙慈と出会った時「お前それ、偽名は偽名でもコードネームだろうがっ!!」 とロックオンに注意されたので、今度はちゃんとした偽名を考えていました。 「この国には、観光で来たの?」 よし、まずまずの好感触! そう感じたマリナ様は、お得意の外交スマイルで刹那に話題を振ります。 いささか振り方が強引ではありますが、まあ質問内容的には無難なので良いでしょう。 しかし、相手が敵国の子供だとなると話は別。当然相手はこちらに恨みを持っている、 最低でも、あまり良い印象を持っていないのは確実。 この女も、平和ボケした連中の一人か・・・。 目の前の相手をつまらない人間だと判断した刹那は、これ以上話すことは無いとばかりに踵を返します。 「ま、待って!もう少しだけ、お話させて。お願いだから・・・。」 またやってしまった! 外交の際に一番重要なのは、相手を尊重すること。 シーリンにあれほど口酸っぱく言われていたにも関わらず、つい相手を不快な気持ちにさせてしまうマリナ様。 自分の迂闊さを呪いたくなりますが、それを抑えて刹那を引きとめようとします。 一方、傷つけられた側の刹那は、「お願いだから・・・・・・。」という、美少女ゲーぐらいでしか掛けられることのない 哀願の言葉を聞き、生まれて初めて出会う『下手に出てくれる女性』に、失いかけた興味を取り戻します。 CBの女性クルーはみんなして彼を子ども扱いしていました。年下のフェルトからも、時々見下した視線を感じるほどです。 「カマル君も知っていると思うけど、 アザディスタンは改革派と保守派に分かれ、国内は乱れているわ。」 何とか引き止めることに成功したマリナ様は、今度は自分がここを訪れた理由を話します。 自分は、アザディスタンの代表として来ている。我が国の窮地を救うには、太陽光発電が不可欠。 しかし、我が国の経済が傾いた理由もまた、太陽光発電。 自身のやりきれない思いを語るマリナ様。今回の演説テーマは『昔は良かったなぁ』です。 「両者の対立を止めないと、彼らがやってくるわ。」 「・・・ソレスタルビーイング。」 「狂信者の集団よ。武力で戦争を止めるだなんて・・・。確かに戦争はいけないことよ。 でも、一方的に武力介入を受けた人たちは、現実に命を落としているわ。経済が傾いた国もある。 彼らは自分を、神だとでも思っているのかしら?」 よかった、とりあえずはちゃんと聞いてくれてる。 心の距離が少し縮まったと判断したマリナ様は、このまま追い込みをかけんとばかりに、話題をCBの話へと変えます。 人と人とが仲良くなるには、楽しみ・意見などを共有できる事柄を見つけるのが一番簡単です。 それを、ある特定の対象の批判、という形で見つけるのは少しアレですが、今一番ホットな話題といえばCB。 それに世界のほぼ100%は彼らに否定的な意見を持っているので、どんな相手でも共感を得られるはず。 しかし、視聴者の皆さんは既にお察しの通り、彼女はこの時、一番火力の高い地雷を踏んでしまったのです・・・。 「戦争が起これば、人は死ぬ。」 「介入の仕方が、一方的過ぎるって言ってるの。 話し合いもせず、平和的解決も模索しないで、暴力という圧力で人を縛っている。 それは・・・おかしなことよ。」 思うがままにCBへのアンチ感情をぶちまけるマリナ様に、そのCBである刹那は少しイラつきを感じます。 そして、さりげなくCBの擁護ともとれる発言で相手を牽制します。 予想とは違う反応に、少し驚くマリナ様ですが、意見の違う人との対話など慣れたもの。 むしろ、意見の違うもの同士が言葉を交えてこそ、真に分かるものがあるというもの。 そういうつもりなら、臨むところよ。と、かえって饒舌になるマリナ様。 今回の外交巡りの、どの対談よりも滑らかに動く口に、喋っている自分でも驚きます。 何かを批判する時に限って舌が回る。どうやら相当ストレスが溜まっていたようです。 「話している間に、人は死ぬ。クルジスを滅ぼしたのは、アザディスタンだ!」 「でも!二つの国は最後まで平和的解決を・・・」 「その間に・・・人は死んだ!!」 そんなマリナ様のストレスなど、とうに通り越して不機嫌メーターが上がっている刹那。 相手を黙らせるには、相手の都合の悪い所を突けば良い。 今度は、刹那が反アザディスタン感情を爆発させる番です。 「カマル君・・・・まさか!戦いが終わったのは、六年も前よ。 あなたはまだ若くて・・・戦っていたの!?」 「今でも戦っている・・・!」 つい相手の土俵で相撲を取ってしまうマリナ様。 熱くなっているうちに、持ち前の負けん気を発揮してしまったことを激しく後悔します。 せっかく歩み寄れると思ったのに、一体どこでこじれてしまったのかしら・・・。 その原因が、自らの早計な発言にあるとは露にも思いわない姫様。 発言に悪意が無いのが唯一の救い。いや、自覚が無いからこそ返ってたちが悪いのかもしれません。 「あ、あなた・・・まさか保守派の!?私を殺しに!!」 「アンタを殺しても、何も変わらない。世界は変わらない・・・。」 「カマル君・・・。」 「今でも戦っている」という言葉に、保守派が差し向けた暗殺者なのかという想像を働かせるマリナ様。 クルジスの民にとって自分は怨敵そのもの。彼女を殺そうという理由にはなります。 人の気持ちにはいささか鈍感ですが、批判だとか暗殺だとか、後ろ向きな話題に対しては過敏に反応します。 とんだ勘違いで、また一人で勝手にパニクってしまったかに思えたマリナ様。 ですが、このパニクりが、ある真実を知る切欠となるのです。 「違う・・・。」 「え?」 「俺のコードネームは、刹那・F・セイエイ。 ソレスタルビーイングのガンダムマイスターだ。」 熱くなっていたのは刹那も同様で、彼も知らぬ間に相手の土俵に上がっていました。 そして、ついに絶対に晒してはいけない秘密を暴露してしまいます。 前回のロックオンの指導がまったく生きていない刹那。やはりあの時撃っておくべきでした。 それとも、この暴挙は彼なりの計算だとでも言うのでしょうか。 いくら口で言っても、相手には本当かどうかわからない。ただ「その可能性がある」ということだけを 植えつけておけば、相手は迂闊に動けなくなります。 前日に読んだデスノート第三巻が、こんなところで役に立つとは思わなかった刹那。 中の人はライトですが、こればかりは名探偵Lに感謝しきりです。 ・・・とまあ、ここまで長々と書いてきましたが、実際はその場の勢いで口を滑らせたに過ぎないと思われます。 「ソレスタル・・・ビーイング・・・・・!?」 一方、ただ思いのままに振るった熱弁が、まさかの誘導尋問になるとは思っても見なかったマリナ様。 しかもその正体が、先ほどまで自分が悪態をつきまくったCBだなんて。 暗殺者じゃないことは分かったけど、やっぱり殺されるんじゃないだろうか。 この日から夢の中で、このあどけない少年の面を被った悪魔に魘される夜が続いたマリナ様なのでした・・・。
・・・どうだ?視点を変えてみるとちょっとおかしい皇女様だろ? あ、ああああ・・・・・・。 ん?どうした電波? ・・・視点を変えても、愚行のムカつき具合は変わらないな。 というわけで、今すぐに死ね!!!! 望むところだ。そのスカしたメガネ、カチ割ってやる。 ちょおま、落ち着いてアレルヤ!刹那! ロックオンも早く止めて!! ・・・・・・んなこといってもだな、前回の教育がまったく活かされていないんだもんよ。 俺もうヤんなっちゃったよ。サジも投げたくなるわそりゃ。 そ、そんな無責任な・・・。 あ?責任って、俺に何の責任があるってんだよ!!親じゃねーんだぞ! もしくはアレだ、放任主義だ。好きにやればいいさ。 ものは言いようだね・・・・・・。
「各エージェントからの報告です。 ラ・イデンダの主だった活動拠点は、既に引き払われているようです。」 留美の下へ、次々と各地のエージェントからの報告が入る。 今回のテロ事件の首謀者「ラ・イデンダ」という組織についての捜索を続けるが、 入ってくる情報は、こちらの行動が一足遅いということを意味する情報のみ。 テロ組織は用意周到且つ迅速に拠点を変え、CBを欺きつつテロ活動を続けていく。 たとえCBとはいえ、迂闊に大々的な諜報活動の出来ない今では、彼らの先を行くことは容易ではなかった。 組織間のいたちごっこは、しばらく続くかに思われた。 しかし、突如、確保されたテロメンバーの情報が、ネットワークに流出し始めた。 発信元は、世界各国の諜報機関。 テロ被害各国も、次々に起こるテロ行為を解決したいのは同じ。 しかし、理由がどうあれ他国への軍事介入は簡単に出来ることではない。 だが彼らなら…CBなら必ず動く。自分たちの代わりに、テロリストを一掃させようという魂胆である。 「世界が動けと言っているんだわ、私たちに。」 世界の思惑を知ってなお、留美は不敵に微笑む。 長らく沈黙を守ってきた4人の戦天使たちへ、活動開始の合図がかかる。 「容赦しねえ・・・お前らに慈悲なんかくれてやるか!」 各地へ潜むテロリスト達へ、同時攻撃を仕掛けるガンダムマイスター達。 ようやく見つけた、悪意の根源たるもの達への洗礼を浴びせるロックオン。 やがて、テロリストの保有するヘリオン部隊が迎撃に現れる。 「今日の俺は・・・容赦ねえぞ・・・・!」 瞬く間の稲光の下に、敵部隊がその命を止める。 一国のMS大隊をも凌駕するガンダムの前に、その戦力はあまりにも微力であった。 海上を移動する敵艦を捉えるエクシア。 GN粒子のチャフを振り撒き、敵にその存在を察知させること無く艦上に陣取る。 そのまま一気に、ブリッジ部を一刀両断した。 エクシアが離脱しようとしたその時、足元から伸びる鉄爪がエクシアの脚を捕らえる。 「モビル・アーマー?旧式とはいえこんなものまで・・・。」 水中用に開発された人革連製の機動支援兵器(MA)。 後のティエレンにも通ずるパワーを持つ二本のアームが、深海へと引きずり込む。 敵MAから発射される魚雷のシャワーを掻い潜り、零距離に間合いを詰める。 四本のビーム刃で装甲を貫かれた闘魚は、そのまま海の底へと堕ちてゆく。 夕焼けに染まった空路を進むエアトレイン。 次の外交の相手国へと向かうマリナの脳裏に浮かぶのは、先刻であった少年の言葉。 「俺のコードネームは、刹那・F・セイエイ。 ソレスタルビーイングのガンダムマイスターだ。」 世界が憎む存在、そして自分が憎む存在、ソレスタルビーイング。 その組織の一員だと名乗る、若き少年の姿。 「まさか、ね・・・。」 そんなはずは無い。そう自分に言い聞かせるマリナの前に現れる機影が一つ。 太陽光を乱反射させ、眩く光る白いボディを持つ巨人、ガンダムが航空機の直上に位置を構える。 一人の女と、一人の少年。交わりあう視線。 その先に続く、二人の未来の形は―――。
第八話も終了だ!最後に何か言い足りないことはあるか? はい。 はい、それじゃあティエリア君! やはり俺は、刹那・F・セイエイを一発殴らないと気が済まない。 あれほど言ったのに、今度は本名をばらしやがって・・・!! って、またケンカする気かよ!!いい加減落ち着いてよ! ロックオンも止めようよ!! あ?いいんじゃねーの?もういっそのこと、とことんまで やりあった方がスカッとすんだろ、お互いに。 拳で伝わる友情もある、ってな。 そんな熱い魂を持った二人だとは思えないんだけど・・・。 っていうかまたたとえが古いよ。10年前のマンガかよ。 古いって言うな!! それより見ろ、刹那だってすっかりやる気だ。 ・・・シュ!シュシュシュ!! シュシュシュじゃないよ!!何ファイティングポーズとってるんだ! 中途半端なボクサーの真似とかやめてくれよ!! どいていろ、電波。 あの性悪メガネに、所詮は小暮レベルだということを教えてやるんだ。 ・・・フン、メガネがダサいと思われていた古い歴史はもう終わったのだ。 メガネに笑うやつはメガネに泣く、ということを教えてやろう。 ・・・・・・なんなんだよ、その勝負は。 ・・・で、この流れのオチは? ・・・・・・・お前の中で適当に付けておけや。
前半へ戻る 第九話へ
メニューへ戻る
トップへ戻る
感想等あればお願いします。
C 創通・サンライズ・毎日放送