廃墟と化したアザディスタンの街。
戦いの傷跡が痛々しく刻まれたこの場所に、エクシア――刹那・F・セイエイは佇んでいた。
自らの操る、剣や盾を地面に突き立てる。この地で無慈悲に奪われた命、その墓標のように。
死んでいった者は、その多くが若い青少年であった。
次々に消えてゆく若い命に、かつての戦争の光景を重ね合わせる。
あの時現れたガンダムは、その圧倒的な力を以って多くの命を救っていた。
しかし、今の自分はどうだ?、
激情に身を任せ、ただ敵を倒すだけの戦いに、一体どれほどの意味があろうか?
失望、嫌悪。非力な自分への負の感情がこみ上げてくる。
「俺は・・・・ガンダムになれない・・・・!」
第十三話『聖者の帰還』
新年あけましておめでとう!!
今年もこの俺、ロックオン・ストラトスをよろしくお願いします!
刹那だ。
ティエリア・アーデ。
アレルヤ・ハプディズムです。
さっそくだがロックオン。お年玉くれ。
んがっ!・・・お前なぁ、今の時代、
そこまでストレートにねだる子供もそういないぞ?
これだからゆとりは・・・俺にもください。
あ、僕も僕も。
お前らもさりげなく要求してくんな!
だいたい二人は、二十歳と年齢不詳だろうが!!
そんな奴にはあげられません!
今の時代、二十歳が必ずしも大人とは限らないよ。
成人だとしても、大人としての自覚のない若者も多いからね。
・・・その中にお前も入ってるんだぞ?いいのか?
つべこべ言わずさっさとよこせ。
んだよ、ったく・・・・じゃあ今年だけだぞ?
待ってろ今持ってくるから・・・
お年「玉」とかいってハロなんて持ってくるなよ。
そんな玉はいらん。
ぐっ・・・・・見透かされてる!?
はやくよこせー。
よこせー。
よこせー。
こいつら・・・こういうときだけ幼児化しやがって!
なんて性質の悪い奴らなんだ・・・。
よこせー。
アンタに至っては俺よりも年上だろうが!!
つーかどっから紛れ込んできた!!?
だって、何か楽しそうなことしてるなー、っと思って。
そうそう、あんたたち。今日は新年会のお誘いに来たのよ。
各々が秘蔵の一品を持ち寄り、組織の管理運営に身を削るこの私に
日頃の感謝を送る、とても素晴らしいイベントよ!
いかねーよそんなの!
一人でちびちび飲んでろ!!
なによぅ、いけず・・・・。
じゃあいいわよ、ここで飲んでるからはやく進めて。
帰れよ!!!!
アザディスタン王国で、宗教的指導者・マスード・ラフマディの誘拐に端を発する内紛が勃発。
その内紛が、軍事クーデターにまで発展した段階で、ついに、CBガンダムによる武力介入までもが始まってしまう。
「アザディスタン第一皇女、マリナ・イスマイールです。」
いまだ混乱が続くアザディスタンで、マリナの演説が放送される。
国民同士で傷つけあうことは、決してあってはならない。
必死に平和を呼びかけるが、一度崩れてしまった平穏は、もはや言葉でだけ止まるものではなかった。
そのころ、都市部から離れた山岳に身を潜めるCB。
王留美の所有する小型ジェットにて、今後の作戦展開についての簡易ミーティングが行われていた。
「第三勢力?」
「ああ・・・アザディスタン側の要請を受けているユニオン。
そして、武力介入を行った俺たちのほかに、内戦を誘発している勢力がいる。」
先刻の、謎のミサイル攻撃。ユニオンでもアザディスタン軍のものでもないそれは、
この事件に裏で暗躍する、ある別の一派の仕業。さらにそれが、要人拉致にも関わっているとしたら・・・。
「MSを運用する組織・・・一体何のために?」
「わからんよ・・・。だから、刹那に調べに行かせた。」
この国に混乱を招く者たちがいる。
その一切が不明である勢力こそ、今回の戦いで最も警戒すべき対象。
刹那は単独、そのミサイル攻撃の発信源へと足を運んだ。
彼はそこで、思わぬ人物との接触を果たすこととなる。

「ユニオン・・・!?奴らもここの捜索を・・・?」
刹那が調査している地点から、そう遠くない所にいるユニオン軍。
彼らもまた、受信アンテナを爆撃した正体不明の敵を突き詰めるべく、
現場に調査隊を派遣していた。
「立ち聞きは良くないな。出てきたまえ!」
岩陰に身を潜める刹那だが、相手はプロの軍人。
すぐにこちらの気配を察知し、姿を現すよう呼びかけた。
「あ、あの・・・僕、この辺りで戦闘があったって聞いて・・・」
下手な素振りを見せれば怪しまれる。
一般市民であることを演じ、その場を凌ごうと考える。
ただの無関係な子供と判断したカタギリによって、その場から立ち去るよう告げられる刹那。
しかし、グラハムだけは刹那に疑いの目をむけ、踵を返す刹那を再び呼び止める。
「少年、君はこの国の内紛をどう思う?」
「ぼ、僕は・・・」
「客観的には考えられんか?なら、君はどちらを支持する?」
なるべく関わりを持たぬよう、それとなく言葉を濁しつつ様子を伺う刹那だが、
グラハムから投げかけられる言葉が、不思議とそれを阻む。
一市民に対してとは思えない視線と言葉。
「支持は・・・しません。どちらにも正義はあると思うから・・・。
でも、この戦いで人はたくさん死んでいきます。」
「同感だな。」
「軍人のあなたが言うんですか?」
自分の正体が暴かれていない確信はあるが、
グラハムの姿勢はまるでこちらの素性を探るかのようであった。
「この国に来た私たちはお邪魔かな?」
「だって、軍人がたくさん来たら被害が増えるし・・・。」
少しずつ、目の前の少年の真意を引き出そうとするグラハム。
それに乗せられつつあると、自覚し、わずかながら焦りと敵対心を炙り出される刹那。
名も知らぬ両者の間に、次第に緊迫した空気が広まってゆく。
「君だって戦っている。後ろに隠しているものは、何かな?」
「!!」
かすかな殺気を逃さず感じ取り、刹那が携えていた銃の存在を見抜くグラハム。
―――君は一体何者だ?―――
刹那には、その鋭い目が、口に出さずともそう問いかけているように感じた。
「カタギリ、一昨日ここから受信アンテナを攻撃した機体は、
AEUの最新鋭機『イナクト』だったな?」
「いきなり何を…」
「しかもその機体は、モラリアのPMCから奪われたものらしい。」
唐突に、先の戦闘についての情報を口にするグラハム。
民間人を前にしての突飛な行動に戸惑うカタギリをよそに、さらに言葉を続ける。
まるでそれは、少年の正体に感づき、有益な情報をリークし、それを餌に、誘き出さんとするように。
PMCのイナクト。
この言葉から連想される人物が、刹那の中にはいた。
自分を含む多くの少年たちに戦闘術を叩き込み、戦士へと育て上げた男。
その男の名は、アリー・アル・サーシェス。
「奴が…この内紛に関わっている…?」
んなわけで、刹那とハム兄ちゃんの心理戦・・・ってほどでもない
やり取りだが、俺としちゃあ刹那の演技力について一つ言いたいな。
・・・・・・下手だったか?
いんや、逆に妙に上手くて気持ち悪かった、ってのが感想だな。
何だよあの表情。何だよあの目。
ティエリアなんて、シーンの最中ずっと笑いっぱなしだったよね。
く、くくく・・・・ぶぶっ・・・・・・
ちょ、やめ・・・・・・だ、死ぬ・・・・・!!
キモす、ぎ・・ぷぷ・・・・・キモ過ぎて死ぬ・・・・!!
・・・そのまま息の根を止めてやろうか?
まあまあ・・・でも、普段とイメージの違うキャラってのは意外と面白いもんだな。
ギャップ萌えってやつ?
萌えてないだろうがよ。
じゃあ、僕らも普段とは違うキャラになれば、
また違った魅力を出せるかもしれないね。
お前は既に別人格が形成されているから必要ないだろうよ。
ヤンデレで決定だな。
もしくはただのキチガイ?
そ、そんな・・・・・・。
どうだろう、ティエリアなんかは、女を演じてみれば
案外板に付くんじゃないか?
はぁ!?
どことなく性別不詳っぽいしな。
ねえ、何かひとつやってみてよ。
誰が・・・
そうだなぁ、普段を考えるとやっぱりツンデレかな?
メガネをかけているし、ツンデレ委員長って感じ?
馬鹿か?言うに事欠いて、今の時代飽和状態にあるツンデレって。
ありきたりなチョイスしてんじゃねーよ、どアホ。
やっぱ時代は綾波系だろ!!
それだって今や出尽くしたジャンルじゃないか!
っていうか、それはロックオンの趣味でしょ!?
だったら僕だって、「お兄ちゃん」って言われたいよ!
うわっ、お前妹萌えかよ!!きんもーっ!!
何だよ!そっちだって無口系ロリっ子萌えのくせにぃ!!
あんだとコラァ!!!
俺は、年上の天然ドジっ子キャラの方が・・・。

刹那は黙ってろ(黙ってて)!!!!
聞けよおい!
イモウト!!
綾波!!
天然ドジっ子!!
セクシー系のお姉ちゃん!!
増えてんじゃねーかっ!!
こいつら・・・何を勝手に盛り上がって・・・
俺はやらないからな!!
・・・・・・・・・・。
・・・・・・さて、この収集はどうつけたものか。
何か一つやってあげればいいんじゃないの〜?
まだいたんですか・・・。
|