薄暗い雲空に飛び交う銃弾。巻き上がる黒煙。
そして、死を運ぶ赤い光。
AEU・イタリア北東部。三人の死神が、この地に降り立った。
戦争根絶のために動き出したガンダムスローネ。
彼らの介入行動は、『戦争を止める』ことだけに留まるものではなかった。
戦争を起こす人、MS、施設。一つ残らず贄に捧げ、何もかもを消滅させる、徹底的な破壊行動。
彼らを見たものは、皆こう言った。
あれは悪魔だ。
世界に血の報いをと叫ぶ、悪魔の所業だ、と。
さあ、今回も始まったぜあの三機の介入が。
前回に引き続き、ひでぇことすんなぁオイ!!
それはいいんだけど・・・・いや良くないか。
何だか今回、僕たちの出番遅くない?
そうか?
うん・・・何となくだけど。
何だかもう15分ぐらいは経ってしまっているような気がするんだよね。
何となくだけど。
まあ・・・・気にするなよ。
このスローネ達が俺らの計画を引っ掻き回すように、
世の中色々と不測の事態が起こるもんなの。
きっと今回に限っては、俺たちが出てきて余計な茶々を入れるのが嫌だったんだろ?
誰の気持ちだ、それは。
だから気にするなよ、細かい事は。
そんなことより、今日も気合入れていくぜ!
人気の上でも、俺らがあの三人に取って代わられる事の無いようにな!!
う・・・・・・うん。
そういえば、刹那は?
あ?
刹那・F・セイエイめ・・・。以前から問題行動の多いヤツだと
思っていたが、今度は遅刻か。俺たちを待たせるなど万死に値する。
いや、この前トリニティとの会議をばっくれた君が言うかな・・・・?
って、ねえ、こんなところに置き手紙が!!
置き手紙だぁ?んだよ、あの野郎今日は最初から来る気無しかよ。
・・・にしても、最近こういうの多いな。
なんか作為的なものを感じるんだけど?
一体何の作為だ。というか、誰のだ。
まあいいじゃねぇか、気にするな。
とにかく読んでみるから、二人も聞いとけ。
・・・って、字汚いな〜アイツ。もっと勉強しろよ、刹那ァ!
はいけい
これを読んでいるという事は、既にそこに俺はいないだろう。
今から、俺がこの手紙を書くに至った経緯を話すので、
お前らは慌てずに俺の話を聞いて欲しい。
トリニティの武力介入はこれで七度目。
「世界の悪意が聞こえる。」
そのロックオンの言葉どおり、奴らの介入は、世界中を敵に回すに等しい行為だった。
戦争どころか、人類そのものを根絶せんばかりの破壊の数々。
俺たちとは明らかにやり方が異なる。これがガンダムのやることなのか?
余談だが、ロックオンのこの言葉はアレルヤの受け売りらしい。マジか。
だとしたら相当キモイな、アイツ・・・。
大きなお世話だよ!神がどうとか言ってる人に言われたくないし!!
って言うか拝啓くらい漢字で書こうよ!!歳いくつだよ!!
っるせぇな。手紙相手にキレんなよお前。
しかもなんか突っ込みどころおかしいし。
まあこの場合キモイのは事実だから仕方あるまい。
それについては超同意。
そ、そんな・・・・。
俺たちが地上で待機中に、あの新型のデータ解析が完了したようだ。
基本的なシステムや装甲技術は、全て俺たちの機体と同様の造りになっているらしい。
つまりは、あれも間違いなくガンダムということ。
だが、完全に同じかと言うとそうではないらしい。
炉心部にTDブランケットが使用されておらず、稼働時間には限りがある。
つまりは擬似太陽炉。突き詰めるとガンダムの偽者ということだ。
約三百年前には、食品の偽装ブームが起こったと聞くが、今度はMSの偽装か。
AEUのイナクトもユニオンフラッグの真似だと噂されているし・・・どうなっているんだ?
特にこのスローネは悪質だ。ガンダムを偽装するなど、まさに神をも恐れぬ蛮行だ。
そんなことを思っていると、続けざまに信じられない情報が舞い込んできた。
スローネのうち一機が、一般市民へ意味も無く攻撃を加えたという。
戦争根絶のためのガンダムが、いたずらに人命を奪う。
その行動の意味が俺にはわからなかった。いや、わかりたくもなかった。
ただこの時から、自分の中である一つの感情が芽生えていた、それだけは確かだ。
俺の感情の昂りに呼応するかのように、更なる三つ目の情報が入ってきた。
アメリカに位置するアイリス社の軍事工場。そこがスローネの次のターゲットとなった。
たとえ軍事工場とはいえ、そこで働くのは全て民間人だ。
息を付かず、また付かせず、次々に介入という名の殺戮と破壊を繰り返すスローネ。
行き過ぎている・・・奴らの武力介入は!
ここから奴らの襲撃ポイントまでは離れすぎている。今から急行しても間に合わない。
あの場所から最寄の基地といえば、先刻襲撃されたユニオン軍の基地。
基地は壊滅状態だと聞く。いくら戦力が残っていようと、その力は僅かなものだろう。
だが、俺は心のどこかでこうも考えていた。
「もしガンダムが倒されれば」
俺たちが動けない今、誰でもいい。
もし何者かがあのガンダムを倒すことができたら・・・。
無論、それは無理な話だと言う事もわかっている。
それでも俺は、何故かそれを切望してやまなかった。
自分が唯一信じる『ガンダム』と言う存在が、『神』が『人』に屈する瞬間を。
そして、俺を突き動かす切欠は、ロックオンの口から出た一つの言葉だった。
民間人の死者、800人以上。
感情を制御できなくなった俺は走った。ロックオンの制止も、待機命令も全て無視して。
もはや、この怒りを抑えられるものなど、この世には無い。そう思った。
そして俺は、単独エクシアで出撃する事を決意した。
ここまで読んでくれたお前らなら、俺がどういう理由で席を外したかがわかるはずだ。
ついて来るのかどうかは個人の判断に任せる。ちなみに命令違反だがな。
最後に目標ポイントは・・・・・・まあ、不要だろう。電波干渉の起こっている地点がそれだ。
けいぐ
長っっっっっっ!!
ここまでに至る経緯長っっっっっ!!!
どんだけ時間取らす手紙だよこりゃ!最初と最後の数行で十分だよ!!
ロックオン・・・手紙相手にキレなくても。
っるせぇな!!これがキレずにいられるかってんだ!!
普通置き手紙ってサラっと簡単に書くモンだろうが!!
何で本腰入れて書いてんだよ!何で一から十まで説明してんだよ!
何 で 語 り 口 調 な ん だ よ !!?
ゆとりだから、手紙の書き方なんて知らないのだろう。
というか、これは一大事ではないのか。
そうだよ、悠長に突っ込みいれてる場合じゃないよ!!
早く刹那を止めないと!!
言われなくてもわかってるよ!!
ったく、こんなことなら最後だけ読んでおけば良かったぜ・・・
つーか、ここまで書いたなら行き先もキチンと書けやァァァァァ!!
いや、そんな場合じゃないってば!!
っと、そうだったぜ・・・・。
じゃあ、この怒りは次回、戦場で晴らすとしようか!!
いくぜ、お前らっ!!!

了解っ!!!
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・・・・で、この終わり方どうよ?ちょっとよくね?
なかなか斬新で、嫌いじゃないな。
だろ?
いや、そんな場合じゃないってば!!!
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