・・・・・・・くそっ!またアク禁か!!
ヴェーダがハッキング被害を受けて半月・・・。
こうしてチェックを続けてはいるが、犯人の足取りを掴むどころか、
データの閲覧すらろくに出来んとは。
むっ!?今度はレベル6の領域にまで改ざんの被害が!!
このデータも・・・・これも!くそ、どれもこれもアクセス出来ない!!
ちょ、それは俺の秘蔵ファイル!!
いかん、今すぐダミーフォルダの作成を・・・・
ダメだ、間に合わない!!
こら待て、それは何の重要性も無いぞ!!
ただの俺の趣味・・・・・・・いや、おい、マジでやめて・・・!
ぬうううううう!!おのれえええええ!!
やーらーせーはーせーんーぞー!!!
・・・・・・・・何をやってんだ、お前?
うぬううううう!?う、うおあああああっ!!
な、何故、何故きしゃまらがここにいる!?
ここはにゅうしゅちゅ禁止だと・・・・・!!
言えてないよ。落ち着いて。
薄暗い艦内の奥から変な奇声が聞こえていれば、
気になるのも無理ないだろう。
で、あまりにもうるさいし不気味だから黙らせろって
ミススメラギに言われて参上したってわけだ。
そもそも入室禁止ならロックしろ。
で、一体何をしていたんだい?
ふん、どうやらまたヴェーダがハックされたらしい。
だからこうして犯罪を未然に防ごうとしているのだが・・・
どうにも太刀打ちできない、ってわけか。
OK、そういうことなら手を貸すぜ?
ま、待て!これは君たちがどうこうできるような・・・
・・・・なあ、この『数学課題』ってフォルダはなんだ?
やけに容量でかいが。
しまっ・・・・!い、いやそれは、ちょっとした知り合いの子供が
数学を教えて欲しいと言ってきたから、そのための問題集というか・・・!
きみ、僕たち以外に知り合いとかいるの?
それはその・・・・そう!フェルト!フェルト・グレイスだ!
彼女が数学が苦手だと言うからだな・・・!
んだよ、そんな話聞いた事ねぇけどな。
なあフェルト、お前数学苦手なの?
いいえ、学校にいっていないから具体的には不明ですが、
以前行った学力診断では、数学は成績5に相当すると言われました。
それが何か?
ほう、流石だな。
じゃあ他に得意な科目はあるのか?
例えば保健体育とか?
保健体育も常に5をキープし・・・・・・・・・・・あっ!
なるほどねぇ・・・フェルトは保健体育が得意か。
で、具体的にはどんな保健体育が得意?いや、好き?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・バカ。
あらら・・・通信切られちまったよ。
当たり前だよ。セクハラだよ。
話題が逸れちまったな。
で?この『数学課題』って何だよ?
・・・・・・・中身は見ずに削除してくれ・・・・!
ったく中学生かよ、お前・・・。
セキュリティの甘さは成績1だな。
第二十話『変革の刃』
・・・・ふう、ようやく繋がったようだな。
リボンズ、私は君に出会えた事を本当に感謝するよ。
ありがとうございます。
ところで、何故私が今この時、
ヴェーダにハックをかけることにしたか・・・。
そのわけを聞きたいかね?聞きたいだろう?
聞きたくなくても話すがな。
はい。
ふっ・・・手に入れた情報によると、CBのガンダムマイスターの
間で、何やら変わった事をしているという話でな。
私はそれにとても興味がある。
そして、私たちも少しそれを体験してみたいと思ってな。
そうですか。
「その為にわざわざハッキングをする必要があるのか?」
と言いたげな顔だな、リボンズ。
もちろん必要性は無い。
なぁに、これをヴェーダに送信するのも、ほんの遊び心さ。
とにかく、これからは忙しくだろうから、君も楽しんでくれたまえ。
はい。
・・・・ところで、この『数学課題』というフォルダはなんだ?
わけがわからん。リボンズ、削除しておいてくれ。
はい。
・・・・・!!
い、いや待てリボンズ!やっぱ捨てるな!
なんだ、その、私の甥っ子が以前数学の成績が悪いと
言っていたのを思い出したのだ。
このフォルダも、何かの役に立つかもしれん、うん。
リボンズ、そのフォルダは最優先で保存だ!!
申し訳ありません。
なんと、もう削除完了か!!
おお、なんと仕事のはやいことか。
しかし早すぎるのも時には問題だリボンズ・・・。
(中学生かよこいつ・・・・・・・。)
先日開かれた国連議会において、ユニオン・人革・AEUは軍事同盟を締結。
CB壊滅のための軍事行動を行う事を表明した。
世界が一つにまとまる・・・。
これで彼らCBにとっては、ようやく第一段階終了といったところだろう。
しかし、私は常にその先を行き、そしてその先にあるものを、この手に・・・。
そう世界は、全て思惑通りに動いているのだ・・・。
しかし、各陣営ともCBの新たなガンダム・スローネの介入によって
甚大な被害を受けている。
通常ならばこのような状態での同盟など無意味だと考えるのが普通だ。
タクラマカン砂漠での大博打に負けたこともそれを物語っている。
だが、その点を抜かる私ではない。
既に私は、ある一つの駒を動かした。
世界のミリタリーバランスを揺るがしかねない、強大な駒を。
そう、南極にて極秘裏に建造していたMS。
このモビルスーツには、GNドライブを初め、
ガンダムと同じ技術が使われている。
今の世界にある技術力では到底生み出すことの出来ない、闇の世界の代物だ。
計30機、各陣営に10機ずつ渡すことにした。
これが、世界が一つになれるその理由。
これで各軍は、圧倒的性能差に恐れ、自分たちの無力さに悲観することなく、
強気にガンダムに立ち向かうだろう。
そうとも、彼らが・・・ガンダムが神などというのはとんでもない思い上がりだ。
裁くのも人、裁かれるのも人。所詮は人間の所業に過ぎない。
神はそれをただ見続ける、傍観するのみなのだ。
・・・・ふう、まだ慣れないが、
とりあえずはこんなところかな、リボンズ。
そうですね。
いやはや、自分の言葉を形にするというのは案外趣があるものだな。
今回限りのお遊びと思ってたが、
また暇なときにやってみるのもいいかも知れん。
リボンズ、君もそう思うだろう?
そうですね。
おっと、そろそろ出発の時間だから一旦切り上げよう。
今回は宇宙だからな、長旅になるだろう。
リボンズ、チケットはちゃんと手配してあるな?
申し訳ありません。
なんと!一枚しか無いではないか!!
まいったな・・・これでは次の発車時刻までの時間の方が長旅だ。
どうぞ。
ん?私にだけ先に行けと?
なぁに、気にする事は無いよリボンズ。
私はそんな小さなことで怒る人間ではないし、
誰にだって間違いはあるものだから、な。
次のトレインで一緒に行くさ。
旅は人数の多いほうが楽しいと言うだろう?
(ちっ・・・・・・・。)
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