第二十一話










「ここは・・・・・・・・・」 「ソラン。」 「誰だ・・・俺を呼ぶのは。」 「ここよ、ソラン。」 「マリナ・イスマイール・・・?」 「早いものね。このアニメも、残すところあと4週となったわ。」 「?・・・まあ、そうだな。」 「それなのに、私とソランの間には中途半端なフラグしか立たず、 未だに宙ぶらりんのまま・・・。」 「その前に、お前は何故俺の本名をしっている?」 「大人の事情よ。」 「大人の事情か・・・・。」 「最近になってからは、私なんてろくに出番すら回ってこないのよ。」 「それはスタッフに文句を言ってくれ。」 「でね?私思ったんだけど。」 「話聞けよ・・・・」 「これはやはり、主役とヒロインの組み合わせに問題があると思うのよ。」 「はぁ。」 「一般的に見て、16歳の男と24歳の女はどう見ても不自然なのよ。 カップリング萌えにはパンチが今ひとつだし、私は年増のショタコン扱いされるし。」 「それは考えすぎじゃないのか?」 「でね?私考えたんだけど。」 「話聞けよ・・・・」 「私、あなたのヒロインやめることにしたの。 若返ることが出来ないなら、いっそ相手の年齢を上げてあげればいいんだわ。」 「・・・・え?」 「もっと私と歳が近い大人の男性が主人公になれば・・・」 「・・・・・・・・な、何故マシンガンを見る。」 「夕焼けが綺麗ね、ソラン。」 「やめろ。立ち上がるな。」 「私、ソランの中の、この空よりも真っ赤なもの、見てみたいな。」 「俺に近寄るな。話せばわかる。」 「そうよ、離して。その銃を離して、私にちょうだい。」 「会話をしろォォォォォォォォ!!!」 い い の よ   ソ ラ ン も う た た か わ な く て い い の
やめろおおおおおおおおおおおお!!! !? !!? 何だ!? はあ、はあ・・・・・・はっ!? ゆ・・・め・・・・・・? ああビックリした。 一体どうしたっていうのさ? 寝ていたと思えばいきなり叫び出したり・・・。 どこまで不安定なんだ、君は。 ・・・・・・悪い夢でも見た? 24歳の機関銃がヒロインで俺を狙って・・・・ 何を言っているのかさっぱりわからん。 日本語で話せ。 錆び付いたマシンガンで今を撃ち抜こう・・・・ 誰が歌えと言った。 まあ、もういいじゃない。夢だったんだから。 それよりも、今週はどうしようか? そうだ、そういえば何故この場にフェルトがいる? ロックオンはどうした? ロックオンは重症だから、絶対安静。 私は彼の代理できた。ね、ハロ? ロックオンケガシタ!ケガシタ! ハロハスグニゲタ!ロックオン、ニゲレナカッタ!! 飼い主の危機なのに真っ先に逃げたのか・・・。 それで・・・・今日はスメラギさんからこんなものを貰ってきた。 何だ? 今後の活動予定プランと今回の作戦の反省。 みんなの意見も聞きたいからって・・・。 そうか。 ならまずはそれを見させてもらうか。 了解。 (それにしても・・・。) ・・・・・・・・・。 ・・・・・・・。 ・・・・・・・・。 (この場に誰一人としてツッコミがいない件 こんな中でやっていけるのか?) ・・・・・・・・・。 ・・・・・・・。 ・・・・・・・・。 (ぼ、僕がしっかりしないと・・・。)
第二十一話『滅びの道』 みんな、いつもお仕事ご苦労様。 度重なる辛い戦いで、心身共にだいぶ限界が来ていると思うけど、 こんな時こそ気をしっかり持って頑張って欲しい。 誰が敵で、誰が味方かもわからない今、自分を見失うと、 すぐに深い闇に引きずり込まれてしまうわ。 自分を信じて、隣にいる戦友(なかま)を信じて! 地に足しっかりつけて、振り返らずに前だけ見て進むのよ!! それだけが、私たちにとって一番の平和への近道だと信じてるから・・・。 はぁ・・・・良い事言ってんなぁ〜、今日のワ・タ・シ♪
最後の一言さえなければな。 また飲んでるんじゃなかろうか、この人は。 ま、まあこのくらいはユーモアってことで・・・。
・・・・ん?何よ、もうお酒が残ってないじゃない!! 困ったわ〜どうしようかしら。買いに行くのもおっくうだし・・・。 ねえ、クリス!ちょっとクリス〜〜〜!! お酒買いにひとっ走り行ってきてくれない!? お金は後で払うからぁ〜〜〜〜〜!! うるさ〜〜い!いま仕事中です〜〜〜〜〜!! んもう、つれない子ねぇ・・・・・・。
・・・・・・・・・。 スメラギさん・・・・。 ユ、ユーモアってことで・・・・。
地上でのトリニティとのひと騒動が終わって、 刹那たち三人は、無事に宇宙へ戻ってくる事が出来たわ。 「命令違反を犯した罰を。」 そこへ早速、ティエリアから生真面目な発言が飛び出す。 いくらトリニティのやり方が眼に余るからといっても、無断発進は重罪。 自分もその一人で、罰を受けるのは当然だと主張する。 でもね、ティエリア・・・・・・ 「そんなのいつしたっけ?」 私ね、もう今日の記録に書いちゃったの。 『一切の戦闘は発生しなかった』って。 「しかし!」 「・・・そういうことだ。」 そうそう、ロックオンの言うとおり。 私たちの優秀なマイスターが、今更命令違反なんて起こすわけ無いじゃない。 ヴェーダが当てにならない今、総指揮官の私がNOと言えばNOになる。それでいいの。 それよりも気掛かりなのは、 先のトリニティの人革連基地への介入で目撃された 新型のMSの存在。 「この機体は・・・・!」 「やはり擬似太陽炉搭載型・・・。」 ガンダムと同じ力を持つMS。それが世界の手に渡ってしまった。 これからは、ガンダム同士の戦いになるわ。 そして、もう一つの懸念事項。 ヴェーダ。 トリニティの存在が明るみになった頃から、システムが不安定になりだした。 もしハックされていたとなると、これから先、ヴェーダを頼りにはできない。 さらに不利に立たされることになるわ。 これは早急に手を打たないといけない。 私は、ある一つの秘策を編み出した・・・。 「ゴメンね、無理させちゃって。」 「あ、助かります。」 この課題をクリアするのに不可欠なのは、ここにいる二人の凄腕ハッカー。 クリスとフェルトに任された仕事は大きいわ。 だから私も、こうやって雑用みたいなことだってしてあげないと。 って、雑用だなんて言いかたは失礼かもね・・・。 なんて思っていると、突然クリスが含んでいた飲み物にむせ始めた。 「ぶはっ!・・・・これお酒じゃないですかっ!?」 あらら、うっかり私の分を渡しちゃったわ。 あまりお酒に強くないクリスにとっては地味に嫌な仕打ちかもね。 でもこれは、案外楽しいイタズラね。 また忘れたころにやってみようかしら・・・。 「フフ、フフフフ・・・・・。」 ふとフェルトを見ると、こらえきれずにクスクスと笑っていた。 珍しいわ、あのフェルトが声を出して笑うなんて。 「最近、やわらかくなってきたわね、フェルト。」 「そ、そう、ですか・・・?」 ぬ、ぬぁんと!笑顔の次は恥じらい顔まで!! この鉄の少女と呼ばれたフェルトが、一日のうちでこんなに多彩な表情を見せるなんて! 飲み物一つで、二人の女の子の色んな顔を堪能できるだなんて! ああ、こんなおいしい出来事があっていいのかしら・・・。 「いい傾向、いい傾向!!」 クリスの言うとおり、状況が悪い方向に流れているにも関わらず、 艦内の雰囲気は不思議と良くなっていった。 マイスター達だけじゃない。私たち全員が、それぞれ変わってきている。 プトレマイオスは、人種や種族に関わらず、様々な人たちが集まっている。 言わば世界の縮図のようなもの。 私たちは次第に理解しあい、互いに手を取り合い、真なる絆を育んでゆく。 いずれ、世界も同じようになれる日を夢見て。 そして、このイタズラに味をしめた私は、 これを月に一度は実行する事を心に決めたのだった。
だから最後の一言が余計だと。 スメラギさん・・・・。 まあ、気持ちはわからなくないけどね。 これもユーモアだと思って許してあげてよ、フェルト。 やられる側はたまったもんじゃないがな。
私がちょっとお花を摘みに行って戻ってくると、 二人は突っ伏したまま眠りに入っていた。 「ご苦労様・・・二人ともありがとうね。」 もう、二人だってマイスターに負けない強さを持っている。 クリスティナ・シエラにフェルト・グレイス。 あなたたちも立派な戦士よ・・・。 せめてもの心遣いとして、毛布でも持ってこよう。 ブリッジを出るついでに何気なく周囲の索敵状況をチェックすると、 ディスプレイ上に点滅する19の黒点。 この距離にまで接近されないと分からないとなると、敵は恐らく・・・ すぐさまクリスとフェルトを起こし、私は艦内放送で戦闘準備を呼びかける。 「総員、第一種戦闘準備!! ガンダム4機はコンテナから緊急発進!!」
第二十話(後)へ 後半へ続く
メニューへ戻る
トップへ戻る
感想等あればお願いします。
C 創通・サンライズ・毎日放送