第二十一話「滅びの道」









敵は件の新型、19機。 既にこちらを捕捉し、包囲するように展開している。 不意を付いたつもりでしょうけど、この危機的状況において 何の対策も立てていないとでも思って? 「各機、フォーネーションS-34!油断すんなよ!!」 もはやこれまでと違い、戦力は明らかに向こうが上。 今こそ重要なのはガンダムの連携。 私はもちろん、ロックオンの指揮能力がものを言うわ。頼むわよ、リーダー!!
・・・後半です。 いきなり質問でアレだが、 フォーメーションS-34とは何だっただろうか。 知らないで了解とか言ってたのか・・・。 だから、S-34ってのは・・・・・・・・・あれ? な、何だっけ? 馬鹿かお前たちは。 これは後で、少し罰が必要だな。 じゃあお前は、何かわかっているのか? 俺の事はいい。 それよりもさっさと先へ進もう。 こんな露骨に話を逸らす人、初めて見たよ・・・。
敵は、目まぐるしく陣形を変化させながらガンダムを取り囲む。 数が多い分、多彩なフォーメーションを組み戦えるのは強みね。 対してこちらのガンダムは、敵の連携攻撃の前に、 フォーメーションを組むことすらままならない。 ヴェーダの優れた戦局予想と、ガンダムの圧倒的性能に頼ってきた、 そのツケが今になって回ってきたとでも言うの? 私たちの滅びのシナリオは、計画に入っていたと言うの? 冗談じゃないわ・・・・・・! そんな信じたくない現実を突きつけるかのように、 突如ガンダムのコントロールが停止する。 「ヴェーダからのバックアップが!?」 「ウソだろ!?」 「やはり、僕らは・・・・」 ヴェーダからのバックアップが途絶したガンダムは、もはや戦うことは出来ない。 真空の闇を漂い続ける4人の戦士たち。 「僕は・・・・・ヴェーダに見捨てられたのか・・・・?」 いいえ、まだ終わらない!! たとえヴェーダがガンダムを見捨てても、私たちは見捨てない。 希望を・・・捨てたりはしない!! 「動いてくれ、ガンダァァァァムッ!!!」 エクシアの胸に宿る魂の息吹。戦士の輝き。 次第にガンダムの身体は自由を取り戻し、反撃へと転じる。 ヴェーダのバックアップを離れた私たちにとって、一番の不安要素。 それはガンダムの機能不全。 それを見越した私は、予めクリスとフェルトに、 ヴェーダに代わる予備システムの構築を準備させた。 もう、システムの言いなりで戦いなんてしていない。 進む道は自分で決める。 自分たちの手で戦い、そして生きる! あ、システムの切り替えが遅れたのは、 決して焦らして場を盛り上げようなんて魂胆ではないからね。 くれぐれも誤解の無いように。
その最後の一言さえなければ、誤解もしなかっただろうにな。 もしそのおかげで撃墜されたらどうするつもりだったんだ。 そ、それは・・・・・・・・信じてたから。 あなた達マイスターのことを。 こっちは信じてたどころか、思い切り裏切られた気分なのだがな。 そんな聞こえの良いセリフを吐いたって誤魔化されるものか。 (こう言えば大丈夫だって言ってたのに。 スメラギさん・・・・・のバカ・・・・・。) 荒れてるね、ティエリア・・・・。 まあ無理も無いか。 何だ?君たちはそんなに俺の事が嫌いか? どうなんだ、言ってみろ!!
戦う意志を取り戻したガンダムは、次第にその勢いを増していき、 多数の敵機にも引けをとらない立ち回りを見せ始めていた。 唯一とり残された・・・・ヴァーチェを除いては。 「ヴァーチェのシステム変更にエラーが!・・・どうして!?」 他の3機はシステムとのリンクは正常に行われている。なのにどうしてヴァーチェだけが? ヴェーダと最も深く結びつく『ナドレ』の一面を持つヴァーチェに、今のシステムでは足りないと言うの!? 急ぎ、クリスにシステムの調整をさせる。 ヴァーチェが未だに復帰出来ていないことに気付いた敵機は、既に目前まで迫っている。 「お願い、間に合って!!」 敵MSがビームサーベルを突き立てる瞬間、ロックオンのデュナメスが 両者の間に割って入った。 サーベルをフルシールドで受け止めるも、GNドライブから生み出される高エネルギーに耐え切れない。 無情にもビームの進入は止まらない。そしてその凶刃は、機体の中心を・・・。 心の臓を抉られたデュナメスは、煙を巻き上げながら突き飛ばされる。 再度振り下ろされる紅き刃。 その刹那、通過する一本の高熱源体。 ティエリアへの脅威を退け、窮地を救うその物体は・・・ GNアームズ。 ガンダムのサポートユニットとして 開発されたマシンの第1号が、ようやく駆けつけた。 「残量粒子は少ないが、いけよォーッ!!」 高火力のビーム砲を駆使し、敵の陣形を乱してゆく。 状況を察知したラッセが緊急で戦闘に介入してくれたようね。 彼がいなかったら今頃・・・・ パイロットでもないのに、良くやってくれたわ、ラッセ。 その後、予定外のファクターに、 敵部隊が撤退行動に入った事で、この宙域での戦闘は終了した・・。
これもわざとなのか? わざと場を盛り上げるために遅れてきたのか!? もっと早くに来ていればデュナメスは・・・! ・・・・お前は・・・・・。 いくら何でもそれは言いすぎだよ・・・・。 ・・・・・・・・・・ひどい。 ・・・・・・・そ、そうか。悪かった。 それもこれも、全て僕の弱気が原因なんだろうな・・・。 い、いや、いきなり殊勝な態度を取られても、 それはそれで対応に困ると言うか・・・。 ゲンキダセ!!ゲンキダセ!! だが!! システムエラーの件に関しては断固として抗議させていただく!! 仲間外れは良くない! 一人だけ鉄の棺おけの中で震える気持ちがわかるか!? あーもう!絡みづらいから、キャラをころころと変えるな!! 君は二重人格者か!? お前が言うな。 あ・・・・あはは、そうでした。 スマンです、どうも・・・・・・・。
何とか敵部隊の猛攻を退けた私たち。 でもその代償として受けた、デュナメスとロックオンの傷は深い。 いくら新兵器を投入したところで、一度ずれた歯車は正しく動かなかった。 滅びの道を歩みだしたCB。ガンダムの時代の終わり。 それを予見するかのように、宇宙の静寂がやけに胸を締め付ける。
さて、流石にロックオンの身体の具合が心配になってきたね。 見舞いに行くべきではないか? ・・・・意外な事を言うな。 お前にも少しは、良心の呵責というものがあったか。 失礼な。俺だってそこまで人間が腐っちゃいない。 ・・・・・心配ない。 既に二人、身の回りの世話に向かっている。 そうか、それなら心配ないな。 じゃあここらで解散としよう。 ・・・切り替えの早さはもっとすごいな・・・・。 ・・・・・・・・・・・で? なんでよりにもよって、見舞いに来たのがお前らなんだよ? あ、その言い方はひどいッス。 まったくだ。 俺なんか、慣れない戦闘なんかして疲れてるのに こうして世話しに来てやってんだぞ? んなこと知るかよ。 つーかテメー、何でビデオ撮ってんだよ! 見せモンじゃねーぞゴルァ!!・・・・・・ったたたたた! あーあー・・・ケガしてるのに叫んだりするから。 そろそろ包帯取り替えましょうね〜〜。 うっせぇ!!野郎の看護なんざいるか!触るな触るな!! いいからフェルトを呼んで来ォい! フェルトは今、手が離せない状況でな。 チクショーーーーーーー!! せめてハロでもいいから俺を癒してくれェーーーーーーッ!!! 機械よりも優先順位下ッスか!? 世知辛い世の中だな・・・。
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