さて後半戦だが・・・って、何だかこのくだりも久々な気がするな。
なんつーか、今回俺たちあまり会話しないほうがいい感じじゃないか?
空気的にそうよねぇ。
今更私たちが、っていうのも何だか違和感だし。
死人に口なしってやつッスね!
うん、違うぞ。
こーいうお馬鹿な男もいるし・・・
え、なに?俺のことッスかそれ?
他に誰がいんだよ・・・。
そういえば、フェルトがロックオン宛の手紙を書いてたわよ。
ああ、アレな。気持ちは嬉しいんだが・・・何故に日本語で書いたんだろうか?
俺そんなにバイリンガルな人間じゃないんだが・・・
せっかく書いてくれたのにそれッスか。
送りがいの無い人ね・・・。
決戦の火蓋は切って落とされた。
左右から襲い来るジンクス部隊。それから艦を守るキュリオスとナドレ。
ジンクスの一機に突き立てられる鋭利な刃。
背中から炉心部にめり込み、メキメキと音を上げながら
ジンクスの機体が縦に割られる。
「ハハハハァッ!!」
隕石とともに消滅する敵の姿を笑う狂気。
ハレルヤが猛り、目の前の獲物に飛びかかる。
「悪いな、アレルヤ。俺はまだ・・・死にたくないんでねぇ!!」
「射程内に入った、攻撃を開始する!!」
その頃、ジンクス部隊を突破した刹那とラッセ。
目標は、隕石郡の向こう側からこちらを狙うアンノウンMA。
これを撃破しない限り、こちらの勝利は掴めない。
ミサイル、続いてビームキャノンによる集中砲火を浴びせる。
しかし、高濃度で積層された強固なGNフィールドは、無情にも全ての攻撃を受け流す。
そして、再び放たれる豪熱の光線。
漂う隕石をもなぎ払い、真一文字に伸びる閃光が迫る。

一発、また一発と発射されるビームがマイスター達を襲う。
腕や脚を巻き込まれ、優位に運んでいた戦況がことごとく覆る。
プトレマイオスの被害は特に甚大であった。
右側面のコンテナが消し飛び、他の主要機関にも深刻な傷を負う。
彼らの必死の抗戦を嘲笑うかのように、滅びは刻一刻と迫っていた。
MAの砲撃で、反撃の機会を失ったティエリア。
機体のバランスが崩れ、修正に急く。その間にも敵の追撃は続く。
四肢を次々に打ち抜かれ、もはや姿勢制御すら満足に行えないほどに痛めつけられる。
「まだだ、まだ死ねるか・・・
計画のためにも、そして・・・・」
「ロックオンのためにもっ!!」
暗闇の中、交錯する光の束。
ジンクスの放ったものがナドレの喉下に刺さる。
そしてナドレの放った二本は、相対する二体のジンクスに向かって
愚直なまでの直線を描き飛ぶ。それぞれ一つずつ、ジンクスの腹部に風穴を空け、
そこから広がった強烈な熱に溶かされ敵機は消えた。
辛くも敵を退けたものの、完全に戦闘力を失ったナドレ。
深い傷は内部の機器類にも支障をきたし、操縦系はおろか、
生命維持装置すらも作動せず、エラーの五文字が返ってくるのみである。
「ここで終わりではない・・・まだ、計画は継・・続、している・・・。」
「せめて太陽炉を・・・・」
機体の中枢を守る外装が取り払われ、中の物体―GNドライブがパージされる。
ヴェーダの計画、ティエリア自身の意思、そして彼への誓い・・・
そのすべてを、この小さな楕円球に託す。
いつの日か、これを受け継ぐ者が現れることを信じて。
「これでやっと逝ける、あなたの下へ・・・・」
「ロックオン・・・・・」
なんだか、最近のティエリアは
ロックオンロックオンとうるさかったわよね。
そうそう、俺たまたま聞いちゃったんスけど、
寝言でまでロックオンのことを呼ぶほどですよ。
いくらなんでも責任感じすぎじゃないですか?
あれはもう責任とかの域を超えてるわね。
きっとロックオンにたいして只ならぬ感情を秘めて・・・
ああ、いけない。私にはそんな趣味は無いのに、女のカンがビンビン冴え渡るわ。
それは流石に困るなぁ。いくら大海の如き広い懐の俺でも、
男の愛を受け止める器量はないぜ?
女顔なだけに、余計なオプションついてるのがとても惜しいですよねぇ。
じゃあ例えば、今まで男だったティエリアがある日女になったら、
見る目が変わったりするの?
う〜ん・・・・・・
うううう〜〜〜〜ん・・・・・
悩むなよ、おい。
ガンダムによる防衛線を抜けたジンクスが迫る。
2機のガンダムの戦力が殺がれた今、次なる破壊目標はこのプトレマイオスであった。
「フェルト!デュナメスの太陽炉に不具合があるわ!
接続状況に問題があるみたい。」
「そんなデータは・・・」
「急いで!このままじゃやられる!!」
少し語気を強めてクリスティナが叫ぶ。
それに後押しされるようにして、フェルトはブリッジを後にした。
その言葉に隠された真意を知らぬままに。
「今の、ウソでしょ?」
「・・わかる?」
「そりゃあ。」
このまま負けるかもしれない。
その前に、若い命を逃がすことをしたクリスティナ。
しかし、自分たちもまだ、命を諦めたわけではない。
接近する、朱のビーコンが一つ。
「生き延びますよ!!」
「分かってる、フェルトにもう叱られたくないもの!」
強襲コンテナに移動したイアンとスメラギが必死に応戦するが、
手練れたパイロットの動きを捉えるには至らない。
MSは大きく迂回し、コンテナからの射程圏外に姿を隠す。
「死角へ回り込む気ね!!」
「させるか!コンテナをトレミーから切り離す!」
コンテナが自立するよりも早くジンクスが迫る。
そしてついに、プトレマイオスの艦首の前に立たれた。
四つ目が、中にいる二人を睨みつけるように光る。
「クリス!!」
ゆっくりと、殺意が向けられる。
爆ぜる閃光。背中越しに、灼熱の塊が近づくのがわかる。
「クリス!リヒティッ!!」
赤い光が差し込み、ブリッジを激しく荒らす。
二人の仲間を巻き込み、煙を吹く艦に向かいスメラギは叫んだ。
奇跡的にも、二人は生きていた。
横切るビームに身体を焼かれる、その苦痛に耐えながらクリスティナを庇ったリヒテンダール。
引き裂かれたノーマルスーツ。
その中から覗くモノに、クリスティナは目を見開く。
腕の形を成しているが、明らかに人間のそれとは違うもの。
暗い鉄の色、硬く冷たい感触。
「だいじょぶ、ッスよぉ。親と一緒に巻き込まれて、
身体の半分がこんなカンジ。生きているのか、死んで・・いるのか・・・・」
「リヒティ・・・・」
重い過去を明るさで隠し、そんあ素振りを一切見せることの無かったリヒテンダール。
誰も知らない、彼の秘密を知り驚愕するクリスティナ。
「バカね、私。」
「すぐ近くに、こんないい男、いるじゃない・・・・。」
「ホント、ッスよ・・・・」
「見る目無いね、私。」
「ホン・・・・ト・・・」
彼にとって、世界の変革よりも大事なこと。
最も想う女性の心を変えた。想いが伝わった。
薄れゆく意識の中、それだけを喜びに思い、穏やかな笑顔のまま瞼を閉じた。
「リヒティ応答して!!クリスッ!」
二人の安否を確かめるべく呼びかけるスメラギ。
「スメラギ・・・さん・・・・?」
ノイズ雑じりでも聞き違える事のない仲間の声。
わずかにだが、安堵する三人。
「フェルト・・・・いる?」
「います!」
「もうちょっと・・・・オシャレに、気を・・・遣って、ね。
ロックオンの分まで、生きて・・・・」
「お願い、世界を変えて・・・!」
「・・・お願い・・・」
高熱にさらされた艦内。限界を知らせるように走るスパーク。
宇宙を泳ぐ鉄の魚は、二人の男女を乗せたまま、命の灯を消してゆく。
そして一瞬の光。
輝きに照らされる男と女は、やがて光の一部となって、宇宙に消えた。
・・とまあ、これが俺とクリスの最期だったってわけですね。
いや知ってるよ。わざわざ言うな。
感動ブチ壊しね。
あの時は、本当にアンタのこと好きになってたのに。
え、じゃあ今は?
・・・・・さぁて、ね。
え、ちょっと!そんなの気になるじゃないスか!
まあ何だ。とにかく二人ともご苦労だったな。
これからはゆっくりと、心身ともに休めるがいいさ。
いや・・・まだ俺の戦いは終わってないッスよ!
え?何が?
っていうか、何でそのビデオ持ってきてるのよ。
これからは、残された刹那たちの戦いをこのテープに刻むッス!
最後まで見届けるッス!俺はいつまでもCBッス!!
ふーん・・・で、本当の目的は?
こっちの可愛い女の子をいっぱい撮るッス!焼き付けるッス!!
俺はいつまでも男でありたい・・・・って、違う!!
クリス、違うからね!誤解だからねっ!?
はいクリス、今の心境は?
とりあえず、色々とブチ壊しね。
男の性なんス!お願い嫌わないで!!
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