スパークと火花が踊る。目の前には熱で溶けたモニター。
幾多にも重なるエクシアの攻撃の前にアレハンドロは敗れた。
己の野望、一族の悲願、その全てが虚しく音を立てて崩れていくのを感じながら。
ふいに、側面モニターに表示される通信に意識を呼び戻される。
「アレハンドロ・コーナー。あなたはいい道化でしたよ。」
「何・・・?」
リボンズはさらに言葉を続ける。
「これはイオリア・シュヘンベルグの計画ではなく、僕の計画になっていたのさ。
統一された世界の行く末は、僕に任せてもらうよ。」
「貴様!コーナー一族の、悲願を・・・・」
「そういう物言いだから、器量が小さいのさ。」
「リボンズゥゥゥゥー!!」
一族の長年の夢を利用された憤りを、画面上で嘲笑う顔にぶつける。
同時に、アルヴァトーレの機体は死に、無念と共に散った。
残存MS、エクシアを除いて全てロスト。これで、終わったのか・・・・・・・
荒くなる呼吸を整えつつ、戦闘宙域を後にする刹那。
だがその時、レーダーに更なる敵反応を示す光が近づく。
「フラッグ・・・擬似太陽炉を!?」
目の前に現れたのは黒きフラッグ。
しかし、後ろから噴出しているのは、バーニアの光ではなく、赤い粒子の光。
GNドライブを組み込まれたものであった。
「会いたかったぞ、ガンダム!!」
お互い残った、最後の剣。
度重なる連戦の末に疲弊した刹那は、精神のみでこれを受けて立つ。
「ハワードとダリルの仇・・・撃たせてもらうぞ、このGNフラッグで!!」
「貴様は・・・!」
「なんと!?あの時の少年か!
やはり私と君は、運命の赤い糸で結ばれていたようだ・・・
そうだ、戦う運命にあった!!」
激しく振り続けられるフラッグのビームサーベルに、エクシアの片腕が切り落とされる。
トランザム後の粒子チャージが満足ではない機体状況で、反応が鈍ってしまうのだ。
そしてそれ以上に、フラッグから感じられる異常なまでの執念、気迫が、こちらの動きを殺す。
「ようやく理解した!君の圧倒的な性能に、私は心奪われた・・・」
「この気持ち・・まさしく愛だ!!」
「愛!?」
だが、愛を超越すれば、それは憎しみとなる。
行き過ぎた信仰が内紛を誘発するように。
グラハムのその言葉は、刹那の怒りを呼び起こす。
「それがわかっていながら、何故戦う!?」
「軍人に戦う意味を問うとは、ナンセンスだなっ!!」
「貴様は・・歪んでいる!!」
「そうしたのは君だ!『ガンダム』という存在だ!!」
「だから私は君を倒す!世界などどうでもいい・・・・己の意思で!!」
「貴様だって、世界の一部だろうに!!」
世界と共に歪み、エゴと復讐心に取り憑かれた男。
「ならばそれは!世界の声だァ!!」
「違う!貴様は自分のエゴを押し通しているだけだ!!
貴様のその歪み、この俺が!断ち切る!!」
歪みの世界の中で、最後まで希望を探し足掻く男。

「うああああああああああっ!!!」
「うおおおおおおおおおおっ!!!」
それは、ただの私闘だった。
歪みを正すために破壊する刹那。
かたや、その破壊によって歪んだグラハム。
どちらが正しいのかは、誰にも分からない。
全ては『歪み』が生んだ戦い。
もはや、この戦いに勝利者も敗北者もない。
あるのは、この歪んだ世界の中で生きる男たちの心の叫び。
光が広がる。
復讐の赤い光、希望の青い光。
ぶつかり合う二つは、混ざり合い一つの大きな星のように輝き、消えた。
そして今、宇宙は元の暗闇に戻った。あたりには何者も存在しない。
ただ静寂だけが満ちている。
お嬢様、そろそろ到着いたします。
ええ、わかったわ。
んーーー!長かったぁーーー!
じゃあ紅龍、あなたもいい加減仮面を外しなさい。
いえ、それだけはお許しください。
あなた、向こうのイアンさんに会うの今日が初めてでしょう?
初対面なのに素顔を見せないとか、失礼ではなくて?
失礼でも何でもダメなのです。
別に仮面キャラじゃないのだから外しなさい。
給料抜きのエサ抜きですわよ?
絶対に外しません。
ホ、紅龍・・・・・?
今まで一度だって逆らった事のない紅龍が・・・・
一体何があなたをそうさせるの?
わかりました・・・わけを話しましょう。
長くならない程度にね。
私が入手した情報によると、元ユニオン兵、現地球連邦兵の一人に
仮面を被っている軍人がいるらしいのです。
私の方が先に被り始めたのに、どういう了見なのでしょうか?
そのお方が仮面だと何の不都合がありますの?
大アリです!
後から出てきて、私の仮面キャラの地位を強奪しようという魂胆が見え見えです。
パイロットではない私にはこの仮面しか無いというのに。
だからこうして常時つけることで、予め地位を不動のものにするのです!
あ、そうだ。ちょっと私、用事が入りましたのでこれにて失礼を・・・
待てい。どこへ行く気ですの?
その男めをぶっ飛ばしてまいります。
大丈夫です、第2期への出演不能にさせるだけで殺しません。
なのでご安心を。
何て逆恨みなのそれ!?
ウチの使用人がそんなご乱心だとご安心できないわ。
やめなさい。
わ、私にも出番を求める権利くらいあるはずです・・・・・・
あ、泣いちゃった。
こんな情けない男泣き、今まであったかしら?
さ、行きましょう。バカは放置が一番です。
ラジャー♪
たとえ使用人だろうと、犬と呼ばれようと・・・・・
私は、私は・・・・・・・・・
ホンローン、仮面の下で泣くと蒸れるから、
ちゃんと外して泣くのよ〜?
いってきまーす♪
・・・・・・・・・・・・・・・あ、本当に行ってしまわれた。
「ご足労だったな、お嬢様。」
「状況はいかがですか?」
「一機目はロールアウトした。
今は実戦に向けてのテストに出払っている。」
「他の機体は?」
「予定通り、順次ロールアウトする予定だ。」
「よかったら見せてくださらない?第一世代の機体を。」
「・・・了解だ。」
ハッチの一つが開かれる。
その中で眠るものこそ、第一世代の機体―0ガンダム。
始まりのガンダム。
「太陽炉は既に取り外して、機体に装着してある。
だが、コイツを使ってもマッチしなかった・・・
エクシアの太陽炉でも、上手くいくかどうか。」
0ガンダムの隣で眠る、もう一つのMS。
世界を変える機体。
その名は・・・『ダブルオー』
モ ビ ル ス ー ツ
機動戦士
ガンダム
00
彼らの介入は、まだ終わっていない。
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