「秘封倶楽部」





それは境界暴きを主な活動とする不良オカルトサークル。





メンバーは二人。





星を見れば時間が解り、月を見れば居場所が解る
「宇佐見蓮子」





この世に存在するあらゆる境界を視る事が出来る
「マエリベリー・ハーン」





かねてから幻想郷へと憧れていた二人は
ついに幻想郷への入り口を見つけたようだ。











…でもそれは…、





夢や憧れを叶える瞬間ではなく、











ある悲劇の人形劇の幕開けだったのかもしれない…。











…かつて、



同じように
幻想郷への入り口を見つけ、
そして幻想郷へと目指した者達が居た…。





…それは誰の記憶にも記録にも残らない
ただの数値の変化でしかない事件だった…。










蓮子とメリーが目指した場所。





「幻想郷」




そこには妖怪など人外の者が普通に存在し、
人間達が文明の発展と共に失ったであろう
心の豊かさを重視する文化があった。



…そしてそこには当然人間も少数ながら居た。










幻想郷では弾幕合戦が盛んなようで
今日も弾幕戦に勤しむ二人が居た。







ことあるごとに異変や事件に首を突っ込む
好奇心旺盛な魔法使い
霧雨魔理沙








異変や事件があれば颯爽と解決する
幻想郷における楽園の素敵な巫女
博麗霊夢





幻想郷では今までいろんな異変や事件があった、
しかしその度に霊夢が動き、
ついでに魔理沙も付いて行って、

…そして常にそれらを解決していた。





何も無い日は二人して弾幕戦をして
しばしばヒマを潰していたようだ。



ちなみに勝率は霊夢の方がいいらしい、頑張れ魔理沙。










…何もない素敵な日常。





それらが当たり前のように続くと思っていた。





…だけど、











…誰にも望まれないハズの「ソレ」は…、









突如として幻想郷に牙を向けた。










例えどんな異変や事件が起きたとしても、





常に解決してきた二人、





…だが、。







今回の異変は今までとは違う。







明確な殺意と、







見えない動機と、







心無いモノの
無慈悲な事件だった。






…魔理沙が目を覚ます。





何が起こったのか全く憶えてない魔理沙。





目を覚ました先の世界は、







…もう魔理沙の知っている幻想郷の日常では無かった…。







突きつけられる現実。



結果として霊夢は重傷を負い、
魔理沙は知らぬ間にソレに
加担していた事になっていた。







押し寄せる罪の意識。







すれ違う心。





…その全てに、





魔理沙は打ちのめされる。





…霊夢の傷が、





塞がらない。





このままでは霊夢は
普通に暮らす事すらも出来ないと告げられた…。










絶望に沈む魔理沙に、



幻想郷を管理する大妖怪、
八雲紫は言う。



今回の事件は外の世界より訪れたモノの仕業だ、と。





自分のしでかした事、霊夢の傷を治すために
魔理沙は幻想郷の外へ向かう事を決意する。



一方で、



霊夢は不気味過ぎる犯人、
未知である外の世界に危険を感じ
魔理沙を止めようとする。







一体どうする事が正解で、







何を思えば後悔せずに済んだのか、







…それは誰にもわからなかった…。





…ただ一つ、





願うしかなかった。





外の世界へと行くと決めた魔理沙が
無事に戻ってくる事だけを…。







LostPhantasm Prologue

オフセ本 B5 76P
700円で頒布予定。
(書店委託は1000円)




…長い長いお話の始まりのお話です。
これだけで完結しないどころか
しばらく続く本当に長いお話になります。



もしかしたら途中で失踪とかもあるかもしれません、
ですが個人的には描き切りたい上に
世に送り出してみたいお話でもあります。



なので気が向いたらぜひ読んで頂きたく思います。



もはや完全に自己満足の領域かもしれませんが
自分のわがままにお付き合い頂けるなら
どうぞよろしくお願いしたく思います。



…では次のお話でお会い出来れば…。




















外の世界を目指す魔理沙。





そして魔理沙は外の世界へと辿り着く。











…だけど、





そこで待ち受けて居たのは、



過酷な現実と、



未知なる出逢いと、



予想外の終焉だった…。





…そう、魔理沙は外の世界に出た時点で
もう「魔理沙」は終わっていたのだった。





…だが、



それを終わらせない「何か」がそこには確かに、「居た」。