Introduction

Ｑ.ところでＨＯＴって何のことですか？(1999.4)

　Home(在宅) Oxygen(酸素) Therapy(療法)の頭文字をとって、ＨＯＴとよんでいます。日本語では「在宅酸素療法」です。

　酸素吸入というと、瀕死の状態になったときに救命のために行うものとか、病院の病室でベッドの上で安静にしながら行うものというのが一般的なイメージだと思います。実際に十数年前まではそれが当たり前だったのです。

　ＨＯＴとは、肺や心臓に病気があって酸素吸入が必要な患者さんが、病院のベッド上の生活から解放されて、酸素吸入をしながら自分の家で生活し、ときには家事や散歩・買い物あるいは仕事までこなして、家族の一員、社会の一員としての役割をはたしながら充実した生活を送るための療法です。まだまだ、酸素吸入をしている人を街で見かけることはそう多くはありあませんが、日本ではＨＯＴを受けている患者さんは約5万人、毎年約5000人の患者さんが新たに加わっています。

　今ではあまり珍しくなくなってきた車椅子で街を歩く人たちのように、もっといえば視力の弱い者（私もそうですが）が眼鏡をかけるような自然な感覚で酸素を吸入できるような社会になること、限られた寿命の中で呼吸不全の患者さん達がそれぞれどのようにより充実した時間を過ごせるのかということが、患者さん自身にとって、そして家族の方にとって、我々医療従事者にとっての一番大切なことであり、また一番難しいところだと思っています。

　そんなこんなの中でＨＯＴ患者さんや家族の方、医療関係者やその他関心のある方々に役立つページとしてこのホームページを作りました。まだまだ作ったばかりですが、少しずつでも内容を充実していきたいと思っていますので、皆さんのメールをお待ちしています。

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