ほっと資料館

HOT図書館

 HOTや呼吸不全、呼吸器疾患に関する本を紹介します。ここに掲載されていない本でお勧めの本があったら紹介してください。患者さん向け、医療スタッフ向けを問わずいろいろ勉強していきたいと思います。

HOT図書館リンク集

 とりあえず蔵書6冊のちょっと貧相な図書館としてスタート、少しずつ蔵書を増やして2003年9月現在で8冊になりましたが、直接はHOTに関係ないような本もあります。そろそろ整理して書庫も分類したいと思いますが、とりあえずは羅列です。感想やお勧めの本の紹介 などメールを頂ければもっと充実させていけると思いますのでよろしくお願いします。       

 

 

1994年
文光堂
(B5版 226ページ)

税別4000円

チーム医療による在宅酸素療法の実際
著者 聖路加国際病院院長 日野原重明 監修
内容 第1章.在宅酸素療法の効果と適応 第2章.病態の把握と酸素吸入量の決定 第3章.いろいろな酸素供給器具とその使い方 第4章.患者と家族への教育 第5章.スタッフの役割と福祉制度の活用 第6章.在宅酸素療法における訪問看護の役割と実際 第7章.保険診療における実際
コメント  今ではもはや古い本になってしまいましたが、この本は当時、手探りで在宅酸素療法を始めていた臨床の呼吸器科医、コメディカルのバイブル的存在だったと思います。HOTの意義と適応から始まって、実際の使用方法、患者・家族への指導内容なども具体的で素晴らしい内容でした。訪問看護を始めチーム医療としてどう取り組んでいくか、社会資源の活用まで網羅されていて当時としては画期的、HOT医療はチームとして社会資源も活用してやっていくのだということをスタンダードな姿勢として定着させた本かもしれません。社会制度などは内容的にちょっと変化してしまったところもありますが、今読み返してみても急性増悪のサインなどしっかりした内容です。
対象 医療スタッフ対象の本です。(当初は先進的なバイブル的な存在だったと思います。内容は古い部分もあるけど今でも読み応え十分、イラストは多くて読みやすいです)

 

1997年
医学書院
(A5版 320ページ)

税別4300円

在宅酸素療法マニュアル 新しいチーム医療をめざして
著者 東京都老人医療センター呼吸器科部長 木田厚瑞
内容 1.包括的リハビリテーションにおける在宅酸素療法 2.倫理的問題 3.医療チームの設計 4.在宅酸素療法の導入基準 5.在宅酸素療法実施の手順 6.在宅酸素療法で用いられる機器と取り扱い上の注意点 7.酸素の投与方法と器具 8.パルス・オキシメーターの利用 9.在宅酸素療法開始に伴う問題と解決方法 10.日常生活の指導 11.日常生活における機器取り扱いの指導 12.外来受診の際のチェックポイント 13.家庭における肺理学療法および運動療法 14.吸入療法 15.在宅酸素療法患者の急性増悪への対応 16.在宅医療の継続 17.在宅酸素療法における副作用、事故とその対処法 18.在宅酸素療法における医学的効果とQOL 19.在宅酸素療法における診療報酬 20.在宅酸素療法患者の予後 21.酸素業者のチェック、在宅医療の問題点 22.在宅酸素療法における将来の課題
コメント  慢性呼吸不全患者さんへの患者さんも含めた広範な医療スタッフによる包括的リハビリテーションを実践する木田先生の初期の著作です。医学的問題から社会的問題まで全てを網羅した素晴らしい本だと思います。医者だけでなく医療スタッフがチームで神社さんをサポートするということ、患者さん自身が病気を理解して自己管理できるようにサポートすることが大切であると言う思想の元に、具体的かつ実践的な内容でマニュアルとして分かりやすく書かれていますが、制度的な変化があるので内容的にはちょっと古い部分もあり改定が望まれます。
対象 医療スタッフ対象の本です。(HOTに関わる医療スタッフとして手元において一読しておきたい本だと思います)
 

1997年
公害健康被害補償予防協会
(B5版 191ページ)

税別2500円

包括的呼吸リハビリテーション チーム医療のためのマニュアル
著者 東京都老人医療センター呼吸器科部長 木田厚瑞
内容 T章.高齢者の慢性閉塞性肺疾患をどう考えるか U章.包括的呼吸リハビリテーションとは V章.包括的呼吸リハビリテーションにおける患者機能評価 W章.包括的呼吸リハビリテーションの実際 X章.包括的呼吸リハビリテーションにおける患者指導マニュアル
参考資料:1.運動療法の実施 2.家庭での呼吸訓練 3.良い姿勢の解剖学 4.呼吸器系 5.肺の構造と病気 6.社会福祉制度の利用 7.参考文献
コメント  「在宅酸素療法マニュアル」と同じ木田先生の著作ですが、前者が医師向けとすれば、これはコメディカルむけの本だと思います。実際に使われている、マニュアル類やパンフレット、その他患者さんの日誌や医療スタッフむけの記録用紙などがそのまま掲載されており、コピーしてそのまま使えるようになっています。読むより使う本という印象をうけます。HOT関連の職種の方は一読の価値有りです。
対象 医療スタッフ対象の本です。(医師よりもパラメディカル向けかもしれませんが、医師も含めHOT関連の職種の方は一読の価値有りです。)
 

2002年
メディカルビュー社
(B5版 187ページ)

 税別1800円

息切れを克服しよう 患者さんのための包括的リハビリテーション
著者 東京都老人医療センター呼吸器科部長 木田厚瑞
内容 1.息切れとは 2.肺の仕組みと働き 3.COPDとはどんな病気か 4.薬について知りましょう 5.在宅酸素療法 6.吸入療法 7.うまい呼吸と,うまいせき 8.楽な体の動かし方 9.上手な痰の出し方 10.明るい外に出るために(運動療法) 11.体と気分をリラックスさせる 12.上手な食べ方 13.タバコ、大気汚染、感染などについて 14.ゆうつな気分を治す 15.楽しいたびに出ましょう 16.急いで受診しなければならないとき 17.自分の病気を知る・記録する 18.呼吸リハビリテーションとは 19.明るい未来を期待しましょう
コメント  包括的呼吸リハビリテーションを提唱し、実践してこられた木田先生の、医師向け、パラメディカル向けの前著に続い満を持して書かれた?患者さん向けの本です。包括的リハビリテーションの基本となる患者さん自身による自己管理ができるようにといううことを目的に書かれているようです。非常に良い本で他に代わるような本が無いのでお勧めですが、対象がCOPDなので他の疾患の人には当てはまらない部分があるので注意を要すること、これを読んで息切れが無くなってしまうことは無いと思うので、「・・息切れなんて怖くない」というキャッチフレーズはお誇大広告のような気がしないことも無いのですが・・・・値段も手ごろなので医療スタッフも一読を勧めます。
対象 患者さん対象の本です(医療スタッフにも一読をお勧めします。「楽な体の動かし方」などは、なるほどなので明日から使えますよ)
 

2001年
医薬ジャーナル社
(A4版 38ページ)

税別950円

やさしいCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の自己管理 
著者 埼玉県立大学保健医療福祉学部教授 北村諭
内容 COPDと診断されたあなたへ @.COPDとは A.COPDの危険因子 B.COPDが起こるメカニズム C.COPDにより肺はどのように変化するのか D.COPD患者はどのくらいいるのか E、COPDの自覚症状 F.どのようにして診断されるのか? G.治療(禁煙・薬物療法・酸素療法・栄養管理・リハビリテーション・外科療法・主治医と二人三脚) H.どのようなときに入院が必要か? I.悪化防止と予防
コメント  病態生理から治療・予防までを患者さん向けに38ページに簡潔にまとめられた本です。ただしあくまで対象はCOPDなので他の疾患の人にはあまり参考にならないでしょう。禁煙について6ページを割かれていて自己管理というか予防、あるいはまだ早期のCOPD患者さんに対する啓蒙の本といった印象を受けました。値段も安いので外来に数冊おいて実費で患者さんに勧めてもいいかと思いますが、この不景気、医療費自己負担増政策の世の中ですからちょっと足踏みしてしまいます。
対象 患者さん対象の本です(廉価でCOPDとはじめて診断された人にお勧めの本だと思います。他疾患の患者さんにはあまりお勧めできません。)
 

2003年
K&Rプリントユートピア協会
(B5版 198ページ)

自費出版

楽しきかな つれづれの人生
著者 松岡磐夫(編集:松岡健一 発行:山上三千生)
内容
(抜粋)
自己紹介、HOT患者になって、緊急入院と酸素毎分16リットルの患者、退院して、酸素毎分16リットルのHOT僚友に寄せて、手を握られて、哲学堂公園、我が家のオートキャンプの生い立ちの記、娘へ、咽喉をつまらせて、回想東京大空襲、青春と熟年の谷川岳、黒澤映画の俳優になり損ねた話? 都会と老人、回想横浜大空襲と学徒動員、朝日連峰で尺二寸の岩魚を釣る、闇夜の一灯と牧場民宿、釣り宿と船頭直伝料理で、嬉し泣きの「雪山惨歌」、ひらめの魚拓、人工呼吸器と睡眠時無呼吸症候群、三途の川からのユーターン(膿胸)、その一言が言えなくて・・・
コメント  HOT患者バンフさんが書いた、長い闘病生活のエピソードや、山、釣り、ドライブなど多彩な趣味に関することなどバイタリティーあふれる人生をそのままに、徒然なるままに記された本で、ホームページ「楽しきかな人生」の内容がそのまま本になった感じです。ホームページの内容はさらに充実しているので第2巻の発刊もあるかも・・・残念ながら本屋さんでは販売されていないので、入手希望の人はバンフさんのホームページから入って直接バンフさんに依頼してください。元気が出ますよ。
対象 患者さん自身が書いた本です(患者さん対象の範疇ですが、もちろん医療スタッフが読んでも患者さんのことが良く分かって参考になります。こんなにバイタリティーがある患者さんもあるんだとこちらが元気付けられるかもしれません)
 

1995年
角川書店
(A5版 398ページ)

1600円

 

癒す心、治す力 SPONTANEOUS HEALING
著者 アンドルー・ワイル (上野圭一 訳)
内容 1章 熱帯雨林からのプロローグ 2章 わが家の裏庭で 3章 素人の治癒体験談 4章 医学のペシミズム 5章 治癒系 6章 こころが治癒に果たす役割 7章 治癒の道 8章 治癒系を阻害する八大要因 9章 治癒が起こりやすい食生活 10章 有害物質から身を守る 11章 治癒力を高めるくすり 12章 活動と休息 13章 こころと霊性のはたらき 14章 二か月で治癒力を高める 15章 治癒法の選びかた 16章 代替療法の選びかた 17章 賢い患者の七大戦路 18章 この病気にはこの方法を―ヒュギエイア派治療の秘訣 19章 特殊ケースとしての「がん」
コメント  正直に言うとこの本を皆さんに勧めて良いものかどうか迷ってしまうのですが、この本を100%信じてよいのかどうかということがまず疑問なのですが、自分的にはいろいろなところで納得させられるところがあって少なからず衝撃を受けました。少なくとも、人間は本来、ガンをも退治する自然治癒力を持っているということも、それがバランスを失った時になる病気があることも事実です。それと環境、食生活、精神状態が深く関わっていることも納得できるのですが・・・医療を先入観無く、免疫力を高めるという観点からもう一度考えてみようという気になりました。できれば読まれた方は読後感想など寄せていただくとうれしいです。
対象 患者さん対象の本です(患者さん対象ですが、字も多く内容もちょっと難解な部分があるかも。この本を読んで単に今受けている医療に不信を抱いたり、民間療法に走ったりするのではなく、免疫力を高めることの意味とか重要性に気がついて欲しいと思います。そういう意味では医療従事者も読んでみるべき本だと思います。)
 

2000年
大日本図書
(131ページ)

1333円

 

もも子・ぼくの妹
著者 星あかり・作 石倉欣二・絵
内容 1.お兄ちゃん、ずるい! 2.もも子の学校 3.不幸せくらべ 4.かえるの合唱 5.春なのに 6.もも子へ 7.なんだか、別人のような 8.走れ、ゴールに向かって! 9.もも子のうた
コメント  もも子は力の双子の妹で、知的障害があって心臓にも障害があってHOTもしている小学生の女の子です。もも子の純粋で明るくけな気な姿と、力や2人をとりまくクラスメート、親たちのかかわりが描かれています。2003年映画化された「もも子、かえるの歌がきこえるよ」の原作です。詳しくは映画のホームページを見てもらったほうが良く分かります。僕は、図書館で本を借りて家に帰るまで歩きながら読み始めた段階ですでにうるうる・・・読書嫌いの中3の娘も一気に読んでいました(小学生向けの本だから当たり前といえば当たり前・・・)、映画も見たいのだけど残念ながら愛知県では上映されないんです。
 
対象 実は小学校中学年向けの本です(でも、大人が読んでも十分感動します。障害のある人も無い人も、HOTの人もそうでない人も皆に読んでもらいたい本です。カッコ悪いので買うまたは借りる時には子供のためを装わなくてはいけないかも。ぼくは平気でしたが・・・)

 本の感想とか、ここに載ってない本の紹介など大歓迎です。以下のアドレスにメールを下さるか、掲示板で書き込みなどお願いします。

ご意見や情報などあれば、QZY05350@nifty.ne.jpまでメールして下さい。

 


 TOPに戻る