様々な団体・市民からの申し入れ |
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謹啓、私たちは、大阪府立東寝屋川高等学校卒業生とその保護者です。 このたびの東寝屋川高校の栄えある最後の卒業式において、貴殿はこともあろうに先生方に対し、「国旗に向かって起立して国歌を斉唱すること」との「命令」を発令されたと聞き及びます。 貴校の教育方針にはこうあります。 「憲法の方針に則り、教育基本法に示されている通り、人格の形成をめざし、国家・社会の形成者として心身ともに健康な国民を育成する」 にもかかわらず、貴殿は、憲法19条を蹂躙し、祝福すべき第30期生卒業式を「命令」という、民主主義教育を否定するかのごとき挙動でもって汚されました。 国旗・国歌について、近現代の日本の歴史のなかで、さまざまな考えが存在することは教育者として充分ご承知なさっているはずです。「立て」「歌え」という命令が思想良心の自由を侵害するものであることも承知なさっているはずです。 貴殿が発せられた「命令」に私たちは強く抗議します。 貴殿の発せられた「命令」は、第30期卒業生とその保護者のみならず東寝屋川高校の歴史と伝統を愛するすべての卒業生とその保護者の心を傷つけるものです。 憲法と子どもの人権条約に則り、卒業式における「国歌斉唱」を一方的に「命令」によって執り行われようとした貴殿に対し私たちは怒りを禁じ得ることができません。 2010年3月23日 東寝屋川高校の「人権」を守る会 2010年3月29日 大阪府立東寝屋川高校 大阪教育合同労働組合 抗議申し入れ書 府立東寝屋川高校における2009年度卒業式にかかわって、貴職が「国旗斉唱」時に起立・斉唱するよう求める職務命令を出したこと、さらに「国歌斉唱」時の不起立を理由とする「顛末書」提出を強要したことについて、厳重に抗議するとともに、以下の通り申し入れるので、誠実に対応されたい。 3月9日に行われた東寝屋川高校の卒業式を前にして、貴職は前日の8日、3年担任団に所属する教員9名に対し、「国歌斉唱に際しては、式場内の指定された席で国旗に向かって起立して国歌を斉唱すること」とする職務命令書を手渡した。教員に対する職務命令が、思想・良心の自由を侵害するものであるだけでなく、職務命令の発出が卒業式当日ではなく、その前日であることは、組合と大阪府教育委員会との間で確認されてきた「ぎりぎりまで粘り強く説得する」という姿勢からの逸脱であることは明らかであり、説得の努力を蜂起したものである。 また、卒業式後に「不起立」を理由として、担任団のうち4名に対して「顛末書」の提出を強要し、その内容として「個人の信念」を問う例示を示したことは、「思想、信条及び信仰に関する個人情報の収集」を禁じた大阪高裁判決(2007年11月30日)にも反しており、到底容認できるものではない。 記 (1)東寝屋川教職員に対する3月8日付職務命令を撤回すること。 (2)「不起立」を理由にした処分を行わないよう、大阪府教育委員会へ上申すること。 (3)「顛末書」の例示において、個人の思想・信条を問う内容が含まれていたことについて、当該教員に謝罪し、顛末書を廃棄すること。 2010年3月29日 大阪府教育委員会 大阪教育合同労働組合 抗議申し入れ書 府立東寝屋川高校における2009年度卒業式にかかわって、「国旗斉唱」時に起立・斉唱するよう求める職務命令が出されたこと、さらに「国歌斉唱」時の不起立を理由とする「顛末書」提出、事情聴取が強要されたことについて、厳重に抗議するとともに、以下の通り申し入れるので、誠実に対応されたい。 3月9日に行われた東寝屋川高校の卒業式を前にして、同校長廻暢一校長は前日の8日、3年担任団に所属する教員9名に対し、「国歌斉唱に際しては、式場内の指定された席で国旗に向かって起立して国歌を斉唱すること」とする職務命令書を手渡した。教員に対する職務命令が、思想・良心の自由を侵害するものであるだけでなく、職務命令の発出が卒業式当日ではなく、その前日であることは、組合と貴委員会との間で確認されてきた「ぎりぎりまで粘り強く説得する」という姿勢からの逸脱であることは明らかである。 また、卒業式後に「不起立」を理由として、担任団のうち4名に対して「顛末書」の提出が強要され、その内容として「個人の信念」を問う例示が示されたことは、「思想、信条及び信仰に関する個人情報の収集」を禁じた大阪高裁判決(2007年11月30日)にも反しており、到底容認できるものではない。 記 (1)東寝屋川教職員に対する3月8日付職務命令を撤回すること。 (2)「不起立」を理由にした処分は行わないこと。 (3)2010年度入学式において、府立学校教職員に対して「職務命令」による起立・斉唱の強制を行わないこと。 (4)「起立状況調査」、「顛末書」等による不起立の理由収集など、思想調査を行なわないこと。 抗議・要請書 大阪府立東寝屋川高校 抗議・要請書 2010年3月23日 大阪府立東寝屋川高校 校長 長廻 暢一 様 なかまユニオン大阪府学校教職員支部 国歌斉唱や国旗への敬礼は市民社会の構成員一人一人の国家観にかかわり、日本国憲法第19条では基本的人権の「思想・良心の自由」として保障されています。業務を理由にした「職務命令」で人権を抑圧することは憲法違反です。また後日に、起立しなかった教職員に顛末書の提出を求めた時に、"今後はこのようなことはくり返しません"という内容の反省文の見本を示して記述を誘導し強要したことは、二重の人権侵害です。 大阪府教育委員会は今新たに、「職場に於けるパワー・ハラスメントの防止及び対応に関する指針----パワー・ハラスメントのない快適な職場環境づくりに向けて」を検討作成中で、各教職員組合にも原案を提示して協議を続けているところです。その府教委案は、「職場におけるパワー・ハラスメントは、職務上の権限や指導的な立場を背景にした不適切な言動により、教職員の個人としての尊厳を不当に傷つけ、その能力の有効な発揮を妨げる」ことだと規定しています。又、「校長等管理監督者を含むすべての教職員は、自らの人権感覚をみがくとともにお互いの人格を尊重し、良好な職場環境の維持に努めること。」とし、管理権限を持つ校長等の責任が最も大きいことを強調しています。あなたが今回の職務命令を出し、顛末書に反省の記入を強要したことはいずれも、この府教委案に照らしてもパワー・ハラスメントそのものです。 私たちは学校教育の場で、教職員にも子どもたちにも、そして保護者にも、基本的人権の尊重が最優先の基盤になることを求めます。あなたが今回の職務命令と顛末書の反省文強要を撤回し、謝罪されることを、強く要請します。 なお、日本も加盟するILO・ユネスコの「教員の地位に関する勧告」は第80項で、「教員は市民が一般的に享受する一切の市民的権利を行使する自由を持ち、かつ、公職に就く権利を持たなければならない。」と明記しています。教育公務員だから基本的人権が制約される時もあるという考えは、根本的に間違いです。ILO・ユネスコは、この勧告を世界各国で実施するための「共同専門家委員会(CEART)」を持ち、各国の現状を調査し、各国政府と地方教育委員会への勧告・報告を続けています。(2008年には、教職員評価育成システムの問題点の現地調査で、調査団が訪日しています。) あなたが、残念ですが今回の撤回と謝罪をされない場合は、私たちは今回の東寝屋川高校での校長による人権侵害を、CEARTに訴えるつもりでいることを、申し添えます。 以上 2010年4月5日 なかまユニオン大阪府学校教職員支部 大阪府教育委員会への抗議ならびに質問 昨年度の東寝屋川高校での卒業式における「君が代斉唱」時の不起立を理由とした4名への戒告処分に抗議し、処分撤回を要求する。さらに今年度の入学式において、昨年度の卒業式で不起立教職員2名以上との報告があった学校の校長に対して、職務命令を出すことも可能との指示をしたとのことについて、以下の点について回答されることを要請する。 @上記の学校長に対して、新一年担任団が「君が代斉唱」時に起つのか起たないのかに ついて考えを聞くようにという指示を出したのか、どうか。 Aさらに起立すると意思表示しなかった教員については職務命令を出すようにという指 示をしたのかどうか。 B以上のような指示以外にも(または以上のような指示を出さなかった場合にも)、そ れ以外の何らかの指示を出したのか。またそうした指示は校長への職務命令か。 C個人に対して、起立・不起立、ならびにその理由を聞くということは、憲法の定める 「思想・良心の自由」を侵すことになることは、平成19年第56号「非削除決定取消等請求控訴事件」の高裁確定判決(2002年の入学式において、君が代斉唱時に 起立しなかった 以上について、4月6日までに回答されることを要請する。 東寝屋川高校戒告処分に続き、4月入学式で、府教委は15校を対象に、君が代起立強制の「職務命令」を乱発しようとしている。 「職務命令」を出させず、「処分」を許さない闘いを! 2007年枚方不起立調査裁判の大阪高裁勝利判決の成果を広げよう! なかまユニオン教職員支部(06-6242-8130) 今春府教委は、卒業式で起立しなかった教職員が復数名いたとの報告がある学校の校長に対して、新1年教員が入学式の君が代演奏時に立つか立たないかの考えを聞け、立たない時は職務命令を出すことも可能、と指示した模様です。今春の東寝屋川高校の卒業式の際に、校長に君が代起立の「職務命令」を出すことをあおり、不起立の4名の教員に対して「戒告処分」を強行した暴挙の矢先です。 起立・不起立は思想信条の問題。行政がそれを調査・記録することは違法行為、と断定した2007年11月大阪高裁判決(確定) この裁判は、2002年の枚方市の小中学校の入学式で起立しなかった教職員に対して、市教委が校長に不起立の理由を聞き、その記録を市教委に集め保持していたことに対して、当該の2名の教員が、不起立調査の抹消と、行政による思想・信条の侵害の賠償請求として提訴したものです。 @大きな争点の一つは、起立・不起立が憲法の定める「思想・信条の自由」にあたるかどうかでした。以下判決文では、枚方市教委は不起立の「教職員の氏名及びその理由等の調査を行い,その結果を文書に作成した。争点は」「本件情報が控訴人らの思想, 信条及び信仰に関する情報といえるか」である。「本件情報は思想, 信条に関する個人情報に該当する。」「市教委は, 国歌斉唱時に起立しなかった教職員氏名, その理由を調査している。不起立の理由を調査することは, その対象者の思想, 信条に関する個人的情報の収集につながる」と明確に断定しました。 Aさらに、個人名を調査したことに対しても、「教職員が国歌斉唱時に起立していたか否かの点についての実施状況を調査する必要があると考えたのであれば, 各校長に対し, 国歌斉唱時に起立しなかった教職員数の報告を求めれば足り, それ以上に本件情報まで収集する必要はなかったというべきである。」と、個人名調査は不必要な違法行為としています。 Bまた、枚方市では職務命令は出されなかったのですが、そのことに触れて「校長が教員に対し, 入学式の「君が代」斉唱時に起立するようにと指示したことをもって, 特定の思想を持つことを強制した」とは言えないとし、その理由として、当時枚方では校長の職務命令が発せられたと「認めるに足りる証拠はない」からとしています。これは、職務命令が出されればそれは強制にあたるという趣旨です。 この判決で大阪高裁は、枚方市教委が違法行為をしたと断定し、2名に各10万円の賠償を命じました。(不起立調査は、裁判係争中に枚方市教委が破棄) 君が代強制・処分攻撃を跳ね返しましょう!
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