2008年

ニセ札製造ではなくニセ紙製造 (1月)
「日本製紙」「王子製紙」「大王製紙」「三菱製紙」「北越製紙」の製紙業界大手5社がいずれも
再生紙の古紙配合率を偽装していた。
 この大手5社は、再生紙はがきでの偽装がすでに判明している。会見では、コピー用紙など
の再生紙についても、大王が7品目、三菱は11品目、北越紙が5品目で、それぞれ配合率を
偽装していたことを明らかにした。大王については再生紙をうたいながら、古紙を全く含んでい
ない製品もあった。

 官公庁が購入する際、環境に配慮して古紙の割合を定めているグリーン購入法の適用商品
を巡っては、大王が「官報用紙など販売総数の68%が偽装だった」としたほか、三菱も「対象
となる6品目のすべてで基準に満たなかった」などとした。大王が今年度、コピー機メーカーな
どを通じて内閣府や経済産業省など少なくとも7府省に納入した「古紙100%」のコピー用紙
には実際は41%しか古紙が含まれていないなど、グリーン購入制度がないがしろにされてい
た。


15年前のラブ(愛しの)レター (1月)
川崎市の小学生が書いて風船で飛ばした手紙が、150キロ離れた千葉県の犬吠埼沖で底引
き網にかかった。水深1000メートルの海底で水揚げされたサメガレイに付着していたもの。
大学生になった差出人の早大2年の白髭奈津実さん(21)は銚子市漁協を訪れ、発見者の漁
業君野喜好さん(52)から手紙を受け取った。手紙は破損もなく、はっきり読めることに驚い
た。
「一生こんないいことはないかもしれない。連絡していただいた君野さんに本当に感謝していま
す」。 君野さんは「15年も前なのでたまげた。学校の名前も書かれていたので無事返せてよ
かった」と、ほっとした表情を見せた。 

川崎市宮前区の市立宮崎小1年生だった白髭さんが風船で飛ばしたのは93年11月27日。
開校20周年祝いで校庭に集まった全校児童約千人が、手紙を結んだ風船をカウントダウンに
合わせて一斉に放った。「だれかに届くといいな」と白髭さんはそんな思いで小さくなるまで風船
を眺め続けた。「きれいな空だった」と。
飛ばした手紙に返事が届くと、先生が朝礼で紹介した。「千葉県からのが大半で、2年後に届
いたものもあった」と当時の中村清治先生は振り返る。白髭さんも返事が来てほしいと思いつ
つも、いつしか手紙のことは忘れていた。

「長く海にあったものが今ごろ拾われるなんて本当にびっくり。がんばったカレイにありがとうを
言わないと。食べたらかわいそう」と。手紙は額に入れて飾りたいという。


軽トラでも積みきれない札束の山(58億円) (3月)
不動産業や金融業を営んでいた父親から相続した現金など計約59億3000万円を隠し、相
続税約28億6000万円を脱税したとして、大阪地検特捜部は11日、長女で不動産会社社
長・清水初枝(64)、四女で同、石井淑子(よしこ)(55)(いずれも大阪市生野区)の両容疑者
を相続税法違反容疑で逮捕し、大阪国税局と合同で自宅など10か所を捜索した。

逮捕された女性の自宅を調べると、58億円もの現金が段ボール箱に詰められ、物置などに
山積みされていた。一万円札による1億円の重さが約10キロなので580キロの大金である。


宇宙には私達(日本)の家がある。(3月)
国際宇宙ステーション内に建設する日本の実験棟「きぼう」の船内保管室に14日夜(日本時間
15日午前)入室した宇宙飛行士の土井隆雄さん(53)は15日午前(日本時間15日午後)、保管
室内の壁に日本の国旗を張り付けた。
ステーションに取り付けた施設はそれぞれの国が独自の判断で運用できる「領土」になる。日
の丸は宇宙空間に初めて日本領ができたことを表した。

「きぼう」の実験棟(家)が完成すれば、日本人がそこに行って、無重力状態の宇宙でさまざま
な実験ができる。地上での科学や医学に大きく貢献するものと期待されている。


“聖火リレー”は、中国政府の“政火リレー”だった。(4月)
2008年03月24日アテネにて採火式から始った聖火リレーは各国を周って4月26日に日本で行
なわれた。この聖火リレーは平和と融和という五輪のイメージとは、ほど遠い。
リレーが中断することもなく80人のランナーが約18.7キロのコースを走り終え、何とか乗り切る
事ができた北京五輪の聖火リレーは長野市や警察の関係者が胸をなで下ろしているだろう。
そして、長野市から次の会場の韓国・ソウルに引き継がれた。

沿道には中国国旗とチベット旗が林立する。
その中で聖火は、約100人の警察官に厳重にガードされて進んだ。見物客には、ランナーの
姿はほとんど見えず、「市民不在」「聖火護送」といった声も聞かれた。
聖火が通過した各国の都市では、激しい妨害行動が相次いだため、日本では市と警察が「聖
火の安全確保」を最優先させて厳戒態勢を敷いたのも、やむを得ないことだった。
リレーの隊列に飛び込むなどして、6人が逮捕された。ビラなども投げ込まれた。歓迎派と抗
議派の小競り合いもあり、けが人も出たが、全体としては、大事には至らなかった。

五輪を通じて国威を発揚することは、中国政府の悲願であるその五輪と絡め、チベット弾圧
に対する海外からの批判が起こっても、「内政問題だ」として強気の姿勢を崩さなかった。
今回、中国政府は、ようやくチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世側との対話を再開す
る姿勢をみせたが、五輪のためのポーズで終わらせてはなるまい。
重苦しい空気が改善され、スポーツの祭典として楽しめる五輪となるか。ひとえに中国政府の
対応にかかっている。
追)その後、聖火リレーは中国・四川省大地震の発生により19日〜21日の3日間中止となった。


「異変事態?」の地球(5月)
@サイクロン・ナルギスがミャンマーの大都市ヤンゴンなどを直撃。
ミャンマーでは、5月2日夜から3日にかけて、サイクロン「Nargisナルギス」(台風)の直撃を受
け、大規模な被害が発生した。
最も被害が大きかった地域は、ヤンゴン(Yangon)、エヤワディ(Ayeyarwady)、バゴー(Bgo)、
モン(Mon)、カイン(Kayin)の5つの地域で、国連は9日、緊急協議を開き、死者数が「6万30
00〜10万人、それ以上になる可能性もある」と報告。
 緊急協議には加盟192カ国が参加し、今後6カ月間の緊急支援のために各国から計約77
00万ドルの資金提供が表明された。
 一方、協議では、ミャンマー政府が国連の緊急人道支援要員の受け入れを拒否していること
への不満も噴出した。
ミャンマー側は「支援は秩序やシステムに従ってなされるべきだ」と語り、無条件での援助スタ
ッフ受け入れへの警戒感を示した。

A中華人民共和国で四川省ガパ・チベット族羌族自治州を震源とする大地震(M7.8)が発生。
5月12日15:28(日本時間)、中国・四川省を震源とするM7.9(USGS調べ)の 地震が発生した。
24日付け新聞によると、中国政府は、四川大地震の死者が6万560人に、負傷者が35万22
90人に達したと発表した。行方不明者は2万6221人。被災者は四川省の登録人口の半数
を超える「累計約4550万人」としている。


タクシーに乗ったら小遣いがもらえる (6月)
 東京・霞が関の中央省庁の公務員が深夜に公費(税金)でタクシーを使って帰宅するさい、
運転手から缶ビールやおつまみなどを提供される、いわゆる「居酒屋タクシー」のサービスが
問題になっている。慣行化し、現金や金券まで受け取る役人もいた。

 大半が個人タクシーで客の獲得競争で上客をつかまえると、次回からその役人の呼び出しを
受けられるように携帯電話番号入りの名刺を渡す。役人もチケット支払いだから高額な運賃を
気にせずタクシーを使う。

6日の衆院決算行政監視委員会に町村信孝官房長官が提出した資料によると、財務省や金
融庁、農林水産省など計13省庁500人以上の職員がタクシー運転手から金品を受け取って
いた。


試験天国だった先生たち(7月)
大分県の小学校教員をめぐる汚職事件(教員採用試験と昇任試験)で、県警は21日、元県教
委参事、江藤勝由容疑者(52)が佐伯市立小学校の校長1人と教頭2人から昇任の謝礼とし
て計110万円分の商品券を受け取ったとする収賄の疑いで、県教委佐伯教育事務所と佐伯
市教委を捜索、試験関連の書類などを押収した。

調べでは、江藤容疑者は08年度の校長、教頭への昇任試験で便宜を図った見返りとして、別
府市内で今年3月までに、女性校長から10万円分、男性教頭と女性教頭からそれぞれ50万
円分の商品券を受け取った疑いが持たれている。

また、江藤容疑者は07年度の教員採用試験で矢野哲郎容疑者(52)の長女、08年度では
浅利幾美被告(52)の長男の成績をそれぞれ加点・改ざんし合格させたとされる。


飽食の世の“米騒動”(9月)
大阪市北区の米穀加工販売会社「三笠フーズ」が、基準値を超える残留農薬が検出された
り、カビが生えたりしているため、工業用の使用に限定された「事故米」を、食用と偽って転売
していたことが分かった。
5日、農林水産省の発表によると、現時点では健康被害は確認されていないが、同社の九州
工場がある福岡県は同日、食品衛生法(有害食品などの販売)に基づき、転売したコメやその
加工品の回収を命じた。

同省では同法違反容疑で大阪府警、福岡県警に同社を告発する方針。
農水省の調査に対し、冬木三男社長は「私の指示でやらせました」と認めているという。
同省によると、同社は2003〜08年度、工業用ののりの製造などに使うとして政府から事故
米計約1779トンを購入。このうち、発がん性のあるカビ毒「アフラトキシン」が検出されていた
9トンのうち計約3トンを鹿児島、熊本両県の焼酎会社4社に転売していた。

また、有機リン系殺虫剤「メタミドホス」が暫定基準値(0・01ppm)の5倍(0・05ppm)検出さ
れた中国産のモチ米計約800トンのうち、約295トン分が転売され、菓子の原料の米粉など
として利用された疑いがあるという。
また、、同社では二重帳簿の作成や記録の偽造が行われており、会社ぐるみで不正の発覚を
防ごうとしていた可能性もあるという。
参考図面


ノーベル賞ラッシュが日本にやってきた(10月)
スウェーデン王立科学アカデミーは7日、08年のノーベル物理学賞を、米国籍で日本人の
部陽一郎(87)(シカゴ大学名誉教授)、小林誠(64)(日本学術振興会理事)、益川敏英(68)
(京都産業大学教授)の3氏に贈ると発表した。
授賞理由は、南部氏が「素粒子物理学と核物理学における自発的対称性の破れの発見」、小
林、益川氏が「クォークの世代数を予言する対称性の破れの起源の発見」。
授賞は3人までと決められており、そのすべてを日本人研究者が独占する初の快挙となった。
スウェーデン王立科学アカデミーは8日、08年のノーベル化学賞下村脩(80)(米ボストン
大名誉教授)ら3博士に授与すると発表した。受賞理由は「緑色蛍光たんぱく質(GFP)の発見
と発光機構の解明」。下村氏らが見つけたGFPとその遺伝子によって、たんぱく質を蛍光標識
して生きた細胞で観察できるようになり、分子生物学や生命科学の発展に大きく貢献したこと
が高く評価された。


埋蔵金(12月)
一説に数十兆円もあるのではとささやかれている「霞が関埋蔵金」だが、民主党の細野豪志氏
が衆院予算委員会で1月28日、“埋蔵金”の総額が約96兆円に上るという試算を公表し、ネッ
トで話題になる。
 霞ヶ関埋蔵金とは、霞が関の各省庁が管理している特別会計のこと。細野氏は、特別会計
や独立行政法人などの資産から負債を引いた額が“埋蔵金”に相当すると主張。特別会計の
余剰金は68兆円、独立行政法人の余剰金は16兆7000億円、独立行政法人の関連会社と公
益法人の余剰金は11兆1000億円との試算結果を公表し、有益な活用を求めた。
◎霞が関埋蔵金の試算は96兆円 1月30日  アメーバーニュース
◎暫定税率消滅 埋蔵金を使えないのか 4月2日 東京新聞
◎年金国庫負担増、「埋蔵金」活用も 8月7日 読売新聞
◎年金財源に「埋蔵金」2.3兆円 国庫負担増分 来年4月から 11月9日 読売新聞
◎「定額給付金に使われる埋蔵金について」の問い合わせがネット上に殺到 11月16日
◎基礎年金の国庫負担引き上げ、財源に「埋蔵金」活用 12月6日 読売新聞

トップへ
トップへ
戻る
戻る