1〜10

1. チビSLの仕様(写真は「29.チビSLの勇姿」をご覧下さい)
  鉄路の軌間    
  3.5インチ(89o)ゲージ  
  半径は3R(3m)で円周は19m  
  レール内寸法          92o   3Rのため3o拡幅
  レールの規格      3ox13o   3-13のフラットバー
  車輪有効輪距     88o〜96o   車輪・レール間隙、4o設定 
  車輪の最外測       106o   車輪の突き出し3oを考慮
  本体の全長 
      400o     
  付属品を除く
       全高        210o   ボイラーまで
       全幅       170o   配管を除く
       重量       約12s    乾燥重量
  動輪の直径        64o   全直径72o(つば高含む) 
  先輪の直径        32o   全直径40o(つば高含む)
  車輪有効厚         9o   総厚さ 12o(つば厚含む)
  ホイルベース       298o   先輪と動輪のピッチ
  機関の内径        32o   ピストン厚さ20o
  排気量        51cc   27.5cc x 2気筒
   シリンダー長さ       100o   ストロークは32o
  すべり弁直径        16o   バルブ厚さ12o
        行程        16o    バルブポート径8o
  ボイラー規格     100φx 300L   満水時容量1600cc
      始容量     1250cc   ボイラー焚き始めの容量
      終容量      700cc〜450cc   利用量550cc〜800cc

2.車輪は鋳造しなくとも作ることが出来る
写真は9ミリ厚の板金(9−90のフラットバーを正方形に切断したもの)
  1.写真の左・真ん中を直径9.9ミリの通し穴を開けます。
 2.左写真の右・10ミリのボルトを通し、横の長ナットで締め付けます、 
 3.四つ角をグラインダーで丸めて、面とりをします。
 4.右写真の左・この組み込んだ状態で、長ナット部を旋盤のチャックに装着します
 5.旋盤で丸加工をします(右写真の真ん中が動輪で、右が先輪となります)
  
3.SL一口メモ
  蒸気機関車…steam locomortive(SL) 電気機関車…electric locomotive(EL)
   ディーゼル機関車…diesel locomotive(DL) 
  また、蒸気船は英語で、Steamshipと言いS.S. または S/S と言います。

4.車輪です(素人的な作り方です)
3R(3m半径)レールに対しての、車輪の形状です。一般的には10Rレールが使われ、今回の
は かなり無理した作りになっています。
車輪接面のテーパーは11度として、つば角度は80度としました。
また、車輪に車軸をはめ込むには、機関車の場合は、圧入方法となります。
しかしこの方法は、例えば、車輪穴の直径が10.00ミリに対しては、車軸は、10.01ミリと1/1000太
くしなければなりません。一般的にはとても出来ません。
そこで登場したのが嫌気性接着剤です。これは、直径10.1ミリ穴に対して、10.0ミリと1/100細くて
も、かまわないのです。ネジ・ロック剤も嫌気性接着剤です。
10.0ミリ車軸は、寸法精度の高い“みがき棒鋼”を、そのまま使いました。

 5.ゲージ(線路軌間)の種類 
 軌間(ミリ)
備                   考
1435   
 新幹線
1067   
 一般鉄道
914   
 ウエスタン村のSL(栃木県)
762   
 森林鉄道
610   
 鉱山など
508   
 同上
381   
 15インチゲージ(静岡県修繕寺町・虹の里)
190.5 
 7インチ・ハン(神奈川県松田町・ぽっぽ鉄道)
127   
 5インチゲージ(神奈川県藤沢市・八部公園など、一番多いミニSL)
89   
 3インチ・ハン(チビSL…一般的には10名以上乗車出来るのですが…)
45   
 一番ゲージ(oneなのでOゲージ。燃料はアルコールが多く、走るだけのSL)
 16.5 
 HOゲージ
 9   
 Nゲージ(nineの意味)

6.なぜELファンではなくSLファンなのか?
蒸気機関車(SL)は人類が初めて作ったロボットで、これによって産業革命がはじまり文化が
加速度的に発展しました。
SLファンに写真が多いのは、その1枚で多くのことが分かるからです。
黒い煙・白い蒸気でガンバリ状況が見え、速度や風の動きも何となく感じ取られます。そして数
多くの車輌を牽引した姿でパワーを感じさせてくれます。
いうなれば、EL(電気機関車)と違ってSLには表情があるからなのでしょう。しかし、実物となる
ともっと迫力のある表情を出してきます。それは音が加わるからです。
「シュツ・シュツ」と張り切っている時の勢いのある蒸気の音、「バウン・バウン」と黒い煙を噴き
上げる時の音(これは上り坂などでガンバッテいる時)、「トン・トン」と楽そうで軽快な音、「カシ
ャ・カシャ」とリンク機構が複雑に動いている時の音、エネルギーがたまってきて気合を入れて
「ポー」と鳴る汽笛・これにはヤル気を感じさせてくれます。
呼吸しているようにも見え、まるで生き物のようですネ。
これらの表情がファンを魅了するのでしょう。……私もそうです。

7.こだわりの数値30度
旋盤で使われるバイトの形状は、切刃角(加工物に対しての刃角度)が30度、スクイ角(刃先
は60度)が30度、逃げ角(刃物自体の抵抗を少なくする為に)が15度(30度の半分)の形状
が先ず無難なところと言えそうです。
そして、刃は30度に関係が深いようです。 代表的な例としては
1.鉄鋼ドリルの刃先 120度
  加工物の平面に対して左右30度でセットされる(180-30-30=120)
2.鉄板バサミの刃先 75度
  加工物に対して15度のセット、しかし相手側の刃も同じ15度のセットなので30度 
  (90 -15=75)。
また切削刃というものは、加工物が軟らかいと刃先を鋭角にします。
例として挙げれば、鋸刃75度が60度、針が15度、千枚通しやキリが30度、ドリル刃120度
が90〜60度、カッター・ナイフ15度〜30度、カンナや包丁が30度、ハサミ75度が60度〜4
5度、こんなところでしょうなア〜。
要するに加工物の性質と、加工内容によって30度をどの様に使い分けるかで、決まるようで
すネ。   以上、ヘリクツ論でした。

8.形が悪くても軸受けだ
9−16のフラットバーが材料です。2枚のフラットバーの間に0.5ミリの銅板(シム)1枚を挟んで
バイスで固定、合わせ目に穴あけです。最初は3ミリのドリル刃で、そして穴あけの状態を確認
しながら徐々にシャフトに合せた穴あけ加工です。
最終的に、10ミリの車軸には10.1ミリ、8ミリの車軸には8.1ミリの穴加工です。
形は、不恰好で素人的な作り方ですが、軸受けの役目としては良好ですよ。

9.両立させるのに「車の両輪」と云うが・・・                      
この言葉が使われるのは、夫婦・勉強とスポーツ・政治と経済・学科と技術・などでしょう。そし
て「支えあう」とか「バランスをとる」事を意味します。
しかし、SLの両輪となると更に意味を追加したくなります。それは、「お互いに協力」し、また「励
まし合っている」からなのです。特に動輪の構造では、右と左のクランクピン位置が違います。
90度のズレでセットしてあるのです。
これは、片方(例えば左車輪)が死点位置にくると、90度ズレの効果で、他方(右車輪)は活動
点(活点)位置に必ずなります。つまり左車輪がギブアップして回らない状態の時には、右車輪
は最も回りやすい状態になっているのです。
左右の車輪は車軸でつながっているので、お互いにそれを繰り返しているのです。そして、「お
前、大丈夫か!よし任せておけ」とか、今度は「あ〜ダメだ、たのむ〜!」という風に、お互いに
協力と励まし合いをしながら進んでいくのです。
その時に、「シュツ、シュツ」との蒸気音や、「バウン、バウン」と煙の吹き出し音が、勢い良く聞
こえてきます。

10、フレームです。
フレームの番です。左写真は焚口の灰箱をも兼ねています。この上にボイラーを搭載する予
定です。3−30のアングルを溶接してチャンネル状の形としました。
中写真は下に車輪の軸受けを取り付けた後、左右の軸受け穴をそろえる為に、10.01ミリの
ドリル刃で穴を通し加工しているところです。
右写真、車輪を取り付けました。ホイルベースを長く取っています。そして前後の車輪は同径と
しました。先輪なしで動輪だけの考えです。全輪駆動です。
「前後の車輪の中間にエンジンを搭載するか」、それとも「前車輪横にエンジンで前後の車輪を
ロッドで連結」。・・・ウーム、後者にしようか。参考文献も多い事だし・・・
・・・中間にエンジン・・・面白そうですが次の楽しみに取っておこう・・・


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