1〜10

1. 平成15年4月14日
ログハウスといっても、正式にはログ工法による小さな休憩所(2.4坪)です。
建築現場は、猫の額程の土地に、この休憩所を置いておく様なものですからね。
材料もフルログではなく 、3寸(90ミリ)と3.5寸(105ミリ)の角材を加工して組みあげていく方法
で行ないます。
上の写真左は水平をとってブロックを並べています。…基礎がわりとしています。
右の写真は角材で古いものを業者から無料で貰ってきたものです。
下準備OK。さて、いつまでにどの程度の仕上がりになるのかガンバルぞ!

2.◎豆知識◎
  ログ工法の種類
     フル・ログ        一般住宅には向かない                   
                   5年位は木の割れる大きな音がして、安心して眠れない
                   山小屋などの大きな建物に向いている
     マシンカット・ログ    丸ログ
                   角ログ    北欧
                   D型ログ   日本
     ラミネート・ログ     フアインカット・ログともいわれ材木はのり付け製品

3. 材木の加工と土台など
本格的なログハウスは、山へ行って木を切り倒し、枝をマサカリでたたき落として、そのあと木
の皮を剥ぎ取る。それからスタート。
それをやらない代わりに、古材木の加工となった。次のが手順。
@左写真・左、3.5寸の角材、この向きで積み重ねる。
Aこのままだと壁面が角のついたままなので威圧感が大きい。そのために左写真・右 のよう
に両角を落として六角形とする。
B右写真は、ブロックの上に土台を載せ、その上に加工したログを積み上げていくところで、と
りあえずハーフログとシルログを仮組みしたところです。
C入り口は右側で、ドアを取り付ける位置で材木を欠きこみ加工してあります。
     H15、5,2 現在です 道のりは長いです 

4. ログハウスは年とともに成長し小さくなる!
木材は圧縮に対して、繊維方向では絶対的な強さがあります。            
しかし、繊維に直角方向となると1/5〜1/10と、極端に弱くなっております。       
ログウォールは、常に木材の自重によって繊維直角方向に重力が働き続け、その影響 で木
材が縮み、そして隙間もふさがりガッチリと安定するのです。             
窓やドアなどの枠には、上部に縮み代分の間隔をあけ、平板をかぶせて、両サイドに  は、
立て溝でスライドするようにしています。、これをセトリングといいます。        
通常、伐採直後の丸太では、3m積み重ねると6%の18cmも沈みます。        
一般のは5%で15cmくらい、しかし小さな木材なら軽くなるので、条件にもよるが数センチの
こともあります。

5.ミニログハウス の ミニチュア
梅雨がネ。ずい分、長引いてしまって、未だに梅雨明け宣言が出ておりません。
いや、梅雨明け宣言が出せないでいる様です。
期間中、体ではなく、手が、なんとなく動いてしまって…、今のログ建築の残材で出来上がって
しまったのが、この写真の二つです。
写真のものは、今、考えている実物と比べると、ログ材が太くなっております。
なんとなく、「イメージ」を、と思って組み込んで見ました。
本当は、右写真のログハウスを造りたいのです。しかし、土地が狭いので左写真のログハウス
になってしまいます。
したがって、ミニログの休憩所となります。出来上がったら、この中でおもいっきり大の字になっ
て寝転びたいなア…との夢(=目標)です。

6.ログハウスは、どうして崩れてしまわないのか? 
最初、私は、これが疑問でした。
丸太と丸太が、平行に重なっていて崩れない。特に窓と窓の間の壁は、簡単にくずれそうです
ね。
これは、実は丸太の中に上から垂直に、通しボルト(一般には1/2インチで13ミリの太さ)が入
っているからなのです。しかも上の方の丸太の底部には、溝(グルーブ)が彫ってあり、下の丸
太にはめ込む様になっています。 するとナカナカ崩れません。
また、グルーブがある事で、上下の丸太間スキ間が、塞がれる事になるのです。

7.これぞ大工職人の名人芸
左の写真は、基礎と土台です。
基礎が現在のようにコンクリートであれば、平らな上での土台なので、そのまま使うことができ
ます。しかし昔は写真の通り基礎は、自然石を利用した玉石です。そのままですと、おさまりが
悪いので下の玉石の接触部分を、そっくりエグった土台にしています。玉石に「カポッ」と音が
聞こえてくるような「おさまり具合」ですね。
右の図は、玉石の接触部分の形を、土台に写し取ったところです。
この時、コンパスで石の形を垂直になぞりながら、土台に写し取るのです。日本古来の大工職
人の技なのでしょう。息を止め精神統一した状態で、石の形を土台に“墨入れ”するのです。こ
れぞ名人芸で正に“神業”といえます。
ログハウスでは、下のログの繊維方向に対して、交差させたりして、平行に積み重ねます。
もちろん、重なる以上は下のログに、はまり込む様に上のログを、加工しなければなりません。
下のログの形を上に写し取る方法は、同じ要領です。そして、コンパスには“水平器”が取り付
けられています。これは「スクライバー」という道具です。スクライバーを使うと、どなたでも名人
芸の真似事ぐらいは可能です。
そして、ログの積み上げで、繊維方向にはグルーブを、交差方向にはノッチの加工、が必要と
されるのです

8.梅雨 のち 雨
梅雨と台風のスキ間を狙って、徐々に積み重ねてきたのが、この写真です。
左写真は、窓の下までの部分で5〜6段の積み上げの、床上60センチぐらいの高さです。
そして右写真は、窓の両側部分の積み上げです。ここまできて材木を使い切ってしまいまし
た。また、新たに材木を取り寄せての作業となります。
ほんの少しですが、何となく形がついてきてきました。
脚立は「210型」二つで、道具店で中古を購入したものです。ログハウスが完成したら要らなく
なりますが、勿体ないので「花と実」の部で、植栽の支柱代わりに利用しようと考えています。

9. 超スローペース
始めた頃は、頭の中で今月(10月)完成の夢でした。しかしネ、進み具合から「これじゃ10月
は屋根までだな〜…」との気持ちになったのです。
ところが、しかしネ、…と。理由は色々とあろうが、結局は能力の問題なのでしょう。なかなか手
間もかかり考えが甘かったですね。残念ながら現在はここまで(右写真)です。
これから屋根と言う事になります。仕方がない「来年の春ごろには…」と目指します。
                                             10月22日 記

10.材木の接合
左からノッチとグルーブ、束柱のホゾ、束柱と棟木(足場パイプにしました)の接合部。
ログ積みでは、クロスに重なる部分はノッチ加工となります。また、ログ自体は形状が均一で
はないので材木の強度を考えて肉厚、肉薄を調整して加工します。
束柱のホゾは梁に、しかし今回は片流れの屋根なので桁にとりつけます。
棟木は1人で取り付けるには、重くて危険が多く足場パイプを代用としました。
束柱への取り付けは、写真の改造したホースバンドを使います。


トップへ
トップへ
戻る
戻る